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平成25年度施政方針(平成25年3月阿部市長)

[2014年12月14日]

ID:21

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(注)本文書は筆記録ではございませんので、当日、市長が述べた文言と若干の相違点があります。

平成25年第1回多摩市議会定例会の開催にあたり、私の市政運営に関する所信を申し述べ、主権者である市民の皆さん、市議会の皆さんのご理解とご協力をいただきたくお願い申し上げます。

第1 はじめに

これまでを振り返って

私が平成22年4月に市長に就任してからまもなく3年、平成25年度は今任期最後の年度となります。この間、議会や市民の皆さんのご理解とご協力をいただき、市民の皆さんからの声に耳を傾け、対話を大事にし、「市民主権」、「市民主体」のまちづくりを推進してまいりました。市制施行40年の節目を迎えた一昨年には、今後20年間のまちづくりのビジョン「みんなが笑顔 いのちにぎわうまち 多摩」を将来都市像とした第五次多摩市総合計画を策定しました。昨年度には、東京都で初めてとなる「公契約条例」を施行し、公共工事及び公共サービスの質を向上し、地域経済や地域社会を活性化する仕組みを構築しました。本年4月には、環境部を新たに設置し、循環型社会の構築、自然エネルギーへの転換、みどりのルネッサンスなどを牽引してまいります。また、保育園での待機児解消に向けては、施設整備等により着実に成果をあげてきました。このような取り組みができましたのも、議会の皆さんのご理解と市民の皆さんのご協力の賜物です。心から感謝申し上げます。
さて、平成25年度は、ESD教育の全国大会を多摩市で開催します。スポーツ界や教育界の体罰、中国から拡散する大気汚染などが問い質される昨今、グローバル化する社会の中で将来を担う人材育成は、まさに喫緊の課題です。多摩市教育委員会が積極的に進めているESD教育、いわゆる「2050年の大人づくり」は、多摩市が子育てしやすく、未来を担う人材を育てていく都市であることを宣言した、未来への挑戦プログラムです。本年はユネスコスクール結成60周年の年にあたり、その記念すべき年に、私たちの社会の持続発展を目指し、多摩市が舞台となって大会が開かれることは、東京多摩国体の開催とともに、本市の未来への挑戦に向けた大きな一歩といえるでしょう。
一方、わが国の経済状況は、市制施行した頃の高度経済成長期から、現在は人口減少期に入り、世界的経済低迷、東日本大震災の長期的影響もあいまって社会経済の停滞期に陥っています。このような中でも市財政は不断の努力の積み重ねにより、かろうじて安定的な水準を保っていますが、社会経済状況の変化により、市税収入の減少と社会保障費の増加で歳入と歳出の均衡を保つことが困難になっています。
基本構想が目指す20年後の多摩市の未来を力強く、着実に築き上げていくためには、安定した財政構造の構築と自立した都市経営の推進により、時代の変化の激しい中にあっても、持続可能なまちづくりを進めていくことが何より重要と考えています。

行財政刷新プログラムの取組み

このような状況の中で、私は、一昨年8月以来、自らを本部長とする「多摩市行財政改革推進本部」を立ち上げ、課題の抽出とその解決に向けたアクションプランの策定にまい進してまいりました。
本年2月には市内各地で「新生TAMA行財政刷新プログラム」の取組み状況と今後の進め方について説明させていただきました。私は、今後も市民の皆さんとの対話を大切にし、厳しい時代であるからこそ、ピンチをチャンスに転換すべく、ポジティブに市政運営にあたってまいります。

第2 多摩市を取り巻く状況

社会保障と税の一体改革

昨年12月に第2次安倍内閣が発足しました。新政権は足元の景気の下支えを目的として補正予算による景気対策を実施する方針で、その額は20兆円規模となる見込みです。リーマンショック以降、歴代の政権は毎年度景気対策を打ち出してきたものの、わが国ではデフレの状況が続くなど、依然として厳しい経済状況が続いています。加えて震災からの復旧・復興の遅れの要因になっているヒト・モノのボトルネックの解消とともに、国内民需の拡大につながるような方策を打っていく必要があります。新政権においては大胆な金融緩和により長引くデフレからの脱却を目指していくとしています。昨年、野田政権下で消費税増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」関連法が成立し、平成26年4月には消費税率が8%に、平成27年10月には10%に引き上げられる見込みですが、市財政への具体的影響は不透明な状況です。
わが国では高齢化の進展と財政赤字が累積する中、社会保障財源を安定的に確保するためにも、消費税引き上げの必要性は認識しています。しかし安定した社会保障制度とそれを支える財政基盤を築くには、消費税の増税だけでは不十分であり、社会保障制度の抜本的な改革などを通じて国民の将来不安を解消することが重要と考えます。
国内の成長機会や若年雇用の縮小、復興の遅延などの状況が続いている中で、非正規労働者や失業者、無年金者の増加など、経済的困窮者が引き続き増加しており、本市においても生活保護受給者が増え続けています。政府は日本経済再生に向けて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」で長引くデフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指すとしていますが、グローバル経済のもと激しい価格競争にさらされている中では先行きは不透明な状況と言わざるを得ません。今後、急速に進行する高齢化の中でも、世代間で支えあい、安心して生活できる社会保障制度の構築について、国や都に抜本的な取組みを求めるとともに、市としても、経済的困窮者の社会的・経済的自立に向けた支援策の強化など、基礎的な自治体としての役割をしっかり果たしていきたいと考えています。

地域主権改革と税財源の充実確保

地方主権戦略大綱で示された事務・権限の移譲は、第1次・第2次一括法(地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律)により、平成24年度までに民主党政権下で一定の成果をあげてきました。一方で第3次一括法案は衆議院の解散に伴い廃案となっており、新政権下での先行きは不透明です。
地域主権改革においては、基礎自治体が担えない事務事業は広域自治体が担い、国は、広域自治体が担えない事務事業を担うことにより、その本来果たすべき役割を重点的に引き受けるという補完性の原則に基づき進めていく必要があります。国と地方自治体の関係を根本的に転換し、自治体の自由度を拡大し、自主性と自立性を高めていく改革の中心にある私たち地方自治体は、自らの地域のことは自らの意思で決定し、その財源・権限と責任を持つことを強く認識し、改革に向けた組織・体制の整備や財源の確保を進める必要があります。
国庫補助負担金を伴う事務事業を一般財源化し、自らの責任において担うという方向性は、地域主権改革の流れに沿っているものと考えます。しかし、改革の実施に向けた制度設計は、我々にとっては十分なものとは言えません。今回の第2次一括法による東京都から市への事務移譲においては、必要経費の財源は地方交付税措置とされ、不交付団体である多摩市には権限のみの移譲となるものです。さらに、現在国で検討されている、任意予防接種の法定接種化などにおいて、今後新たに発生する歳出の財源が同様に地方交付税措置とされる動きは、厳しい行財政の見直しにより生み出される財源を跡形も無くしてしまうものです。
今後予定されている消費税率の引き上げに際しても、「年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する費用」(社会保障四経費)に則った範囲の社会保障給付における国と地方の役割に応じた配分の実現、ひいては国と地方の税財源の配分のあり方についても引き続き東京都市長会等を通じ、国及び東京都に対して積極的に働きかけてまいります。

2020年の東京

東京都は、昨年12月の都知事選挙で猪瀬知事が圧倒的な支持を受けて当選しました。本年は東京多摩国体の開催年であり、9月には2020年五輪の開催都市が決定する等大きな変化の年となります。
新年度予算では、一般会計の予算規模が前年度よりも約1,100億円増加し、6兆2600億円程度となる見通しです。
東京都は昨年から、「2020年の東京」とその実現に向けた3カ年の実行プログラムに基づき、3・11により顕在化した東京の弱点を克服し、東日本大震災を乗り越え再生・成長を続けていくための8つの目標を達成するために、今後10年間で戦略的に取り組むべき12のプロジェクトに取り組んでいます。
なかでも「防災対策」、「エネルギー政策」、「国際競争力の向上」は強化すべき施策として重点的に施策展開を進めています。
本市では、広域自治体として役割を担う東京都に対し、これまでも各種課題等に関し、要望・要請を行い、一定の成果を得てきました。今後、都市基盤の更新などを含む、多摩ニュータウンの再生という大きな課題に取り組む中では、開発時と同等あるいはそれ以上に、国や都には継続的に関与し役割を担っていただくよう、働きかけを行うとともに、引き続き東京都とは、十分な協議を行いながら、連携・協力して、多摩市のまちづくりを進めてまいります。

第3 本市の状況

進む高齢化と社会保障費

本市では、10年前の平成15年1月の総人口に占める高齢者人口の割合は13.3%でしたが、本年1月現在、22.9%となりました。今後10年以内には30%を超える見込みです。高齢者のひとり暮らし世帯や高齢者のみの世帯が増加しており、孤立化や、日常生活の不安を踏まえた対応が求められています。一方、本市においては、主観的に健康であると感じている高齢者が東京都の平均より高く、要介護認定率も全国や東京都平均と比較して低い状況が続いています。これは75歳以下の前期高齢者が多くをしめているためですが、今後は後期高齢者が急速に増加していくことから、早期に対策を講じていく必要があります。
高齢者が住みなれた地域でいきいきと安心して暮らし続けるためには、医療・介護・予防・住まい・生活支援サービスが連携し、一人ひとりにあった適切なサービスを受けられることが必要です。また、高齢者が積極的に社会活動に参加し、健康で生きがいを持って暮らすには、他の世代とともに社会の重要な一員として参加し、交流の機会を充実していく必要があります。そのため高齢者の多様なニーズと参加意欲に応えられる生涯現役のまちづくりを推進してまいります。
また、国民健康保険と介護保険の保険給付は引き続き増加しており、市の負担額も増しています。なかでも国民健康保険特別会計は保険税の不足を一般会計からの繰入金で補填する状況が続いており、社会保障の維持・強化と財政健全化の両立が大きな課題になっています。
医療や介護に要する費用は、自己負担だけではなく、社会保険制度を通じて国民全体で広く負担しています。この負担を増やさず、安心して利用できる仕組みとしていくためには、社会保険制度が社会全体の貴重なセーフティーネットであることを一人ひとりが意識し、健康維持・増進や介護予防に努めることが求められます。介護者の高齢化や介護の長期化・重度化に伴い、介護を行う家族の精神的・身体的な負担が軽減され、在宅で老いを迎えられるよう、地域全体で支え合う仕組みづくりを目指し、行政と福祉・医療関係者の連携はもとより、地域の力を結集した重層的な多摩市ならではのモデルづくりを進めると同時に、生活習慣病の予防なども含めた効果的な介護予防事業に積極的に取り組んでいく必要があります。

都市基盤維持の重要性

東京への人口集中とスプロール開発を阻止することを目的として、本市は昭和40年の都市計画決定から、新住宅市街地開発事業と土地区画整理事業を手法とする多摩ニュータウン事業を受け入れたことから都市化が進み、人口が急激に増加し、かつて無いスピードで高水準の都市基盤が整備されてきました。都市基盤を良好に維持するには、施設整備と同様に巨額の経費を必要とします。また、一時期に集中して整備した都市基盤は、同時期に更新時期を迎えることになりますが、新設とは異なり、国や東京都などの財政支援を現行のルールでは受けることはできません。また、税制度もいまだこの事を織り込んだものとなっていません。昨年末には、中央自動車道の笹子トンネルで天井板が大規模に崩落する事故も起きており、都市基盤の安全管理はひとごとではありません。
また、初期入居から40年以上を経過しているニュータウン地区では、高齢化や住宅の老朽化が大きな課題となっています。今後、東京都や有識者、市民の皆さまの知恵を結集し、長期的視点に立ったニュータウン再生への取り組みが益々重要となります。

多摩市が保有する資産の有効活用と適正配置

多摩市は、特に多摩ニュータウン地区内に数多くの公共建築物を保有しており、これまで市民サービスの拠点として活用してきましたが、老朽化に伴い、多大な更新費用が見込まれています。一方で少子高齢化、市民ニーズの多様化が進行する中で、部分的に機能が重複する施設や、当初想定した役割を終えた施設もあり、持続可能な財政基盤を維持するためには、今ここで改革に取り組む必要があります。改革の取り組みの中では、既成観念に捕らわれない柔軟な取り組みも必要と考えており、遊休資産の積極的な活用や、施設機能の再構築、民間事業者との連携・協力などにより、市民の共通の財産から歳入を生み出すような仕組みづくりも考えなくてはなりません。

第4 市政運営に対する基本的な考え方

市民主権のまちづくり

私は、「市民主権」のまちづくりを掲げてきましたが、多摩市は、自治基本条例を持つまちとして、また、多様な市民の皆さんの潜在的な市民力、地域力のあるまちとして自負できる都市と考えています。「行政評価市民委員会」をさらに発展させ、市民自身の手により、行政の目指す方向をチェックする「行政評価市民フォーラム」や公共施設の適正配置、学校跡地の活用、都市計画のマスタープランなど、いずれも無作為抽出による市民の皆さんを中心に、議論をいただき、行政計画に反映させていただいています。また、自治会・管理組合などの皆さんによる防災・防犯への取り組み、認知症サポーターの養成、地域の学校への支援、循環型社会や環境問題への熱心な市民参加、さらには、スポーツ、芸術、地域コミュニティの醸成など、多摩市は、市民の皆さんの底力に支えられていると確信しています。これからも、市民の皆さんと築き上げた活動の蓄積や資源などを十分に活かし、市民の皆さんの力を最大限に活かせる市民の皆さんが主役のまちづくりをめざしてまいります。

第五次多摩市総合計画の実現にむけて

平成25年度予算は基本構想に定めた将来都市像「みんなが笑顔 いのちにぎわうまち 多摩」の実現に向け着実に取り組みを進めるための予算編成としました。市税収入が減少傾向を続ける中にあっても、首都直下地震等の新たな被害想定をふまえた緊急の防災対策をはじめ、喫緊の諸課題に着実に取り組むとともに、時機を逃さず多摩市の将来と次世代の育成に向けた取り組みをしっかりと前に進めていく必要があります。
4月1日には第五次多摩市総合計画をさらに前に進め、多様化する行政課題・行政需要へ対応するための組織機構改革を行います。これからの市政運営には政策の重層化・複合化による相乗効果を生み出せる行政の総合力がこれまで以上に求められてきます。社会全体が大きな転換の波にもまれている中で、組織をあげて改めて自治の基本を見つめ直し、市民感覚を踏まえた企画・立案・政策形成を実施できる組織づくりと人材育成に取り組んでまいります。
大幅な財源不足の見通しの中では、市民の暮らしを守り、新たな行政需要に対応するため「新生TAMA・行財政刷新プログラム」に基づき、不断の行財政改革に取り組むことで、持続可能で強固な財務体質への転換を図ります。
多摩市が保有する高度に整備された都市基盤や、各公共建築物を多摩市の資産として持続して維持管理し、更新していくため「公共施設の適正配置に関する行動計画」を策定し、将来的なビジョンを市民の皆さんと共有するとともに、維持管理の着実な取り組みを進めてまいります。道路等の都市基盤や各公共施設は、市民の暮らしを支え、行政サービスの拠点となる大切な財産です。また、豊かな緑やゆとりある住環境などの優れた都市機能は、多摩市の大きな魅力です。多摩市の都市基盤や各公共施設は、他市と比較して質・量ともに非常に高い水準にあることから、市民の財産を大切に長く使用するという視点に立ち、安全性と利用者の満足を確保しながら、費用対効果に見合った維持管理を進めるとともに、公民連携事業など新しい仕組みも取り入れ、柔軟に進めます。

多摩市行財政刷新計画

本市の行財政改革は、昭和61年の「多摩市行政改革大綱」を皮切りに現在の、第7次の行財政改革「新生TAMA・行財政刷新プログラム」まで、時代に応じた取り組みを継続しています。平成24年度には職員人件費の削減で約1億5千万円、事務執行等の効率化による経費削減で約2億4千万円、この他補助金等の見直し等、行財政改革の効果額はおよそ8億3千万円の見直しを行いました。平成25年度も引き続き、私自身や副市長、教育長の給与削減をはじめ、市民協働の推進、公共施設のあり方や、補助金の見直しなど「多摩市自治基本条例」の理念と行動原則に基づき、市民協働を推進するとともに、さまざまな資源を有効に活用し、およそ3億5千万円の見直しを進めます。
民間との連携・協働の取り組みとして、学校給食センターの調理業務への民間委託導入、市内私立小学校への配食を行うとともに、新たに3つの学童クラブを民間委託とし、また、本年4月からはテニスコート等の体育施設についても、開設以来初となる使用料改定を実施します。また、組織改正により、資産管理担当部門を新たに設置し、土地・建物等、資産の有効活用策を検討し実施します。

第5 6つの目指すまちの姿の実現

平成25年度予算は、第五次総合計画基本計画を力強く推進する予算であり、今、手を打たなければならない喫緊の諸課題に取り組むとともに、基本構想に定めた6つの「目指すまちの姿」の実現に向け、各施策に着実に取り組んでまいります。

1 子育て、子育ちをみんなで支え、子どもたちの明るい声が響くまち

子育て・子育ち支援についてです。
保育園の待機児童対策として、既存認可保育園の移転新築及び定員の見直し、新規認可保育所の新設を行い定員増を図ります。これにより、平成26年度には平成22年度に策定した多摩市子育て・子育ちこどもプランにおける目標事業量がほぼ達成できると考えています。
また、学童クラブの待機児童対策として、第一小学校内に学童クラブを整備するとともに、引き続き東京都の補助制度を活用し、新たに3ヶ所の学童クラブの民間委託化を推進します。
このような待機児童解消に向けての取り組みに加え、市内保育園における地域支援のネットワークを構築する中核としての公立保育園の機能を強化することを目的として、「公立保育園機能強化プロジェクト」を実施します。併せて、就学前の児童を対象とした、コミュニケーションの力を身につけるソーシャルスキルトレーニングを「たまっ子5歳児輝きプログラム」として実施し、幼保小連携をさらに推進します。

教育についてです。
本市では、「2050年の大人づくり」をキャッチフレーズに、全小中学校でESD(持続発展教育)を推進しています。子どもたちに身近にある自然や文化、歴史など、さまざまな資源を活かした体験活動を近隣の大学との連携やNPO、事業所の協力を得て学校と地域が一体となって取り組み、自ら問題を解決していく力の醸成と多摩市のまちづくりに参画できる人材の育成をさらに進めます。
子どもたちにとって望ましい教育環境を整備するために、昨年度、学校選択制の見直しを柱とする全市的な通学区域制度の見直しの指針を策定しました。この指針に基づき、新年度から順次、通学区域の変更、学校統合を進めます。併せて、これに伴う施設整備や学校支援を計画的に進めます。
子どもたちの安全確保の視点では、児童・生徒の通学路の安全確保のための対策をハード面から引き続き図っていくとともに、保護者や地域の協力を得ながら見守り体制の強化を図るなど、ソフト面での体制づくりにも着手します。
また、経年劣化した校舎の整備として、多摩第二小学校の建替えに伴う基本設計・実施設計に着手し、平成27年度の完成を目指します。
現在、小中学校に配置しているパソコンの老朽化による機器の入れ替えを行い、学校内で自由に使えるタブレット型等の機器を導入することにより、子どもたちにとってより解りやすく多様な授業の提供、教員の教務・校務負担の軽減を図るため次世代の学校情報環境システムの整備に取り組みます。
学校給食では、食育をさらに推進するとともに、9月から南野調理所の調理等業務を民間事業者に業務委託し、経済性・効率性を向上させるなど、新たな体制を確立します。

2 みんなが明るく、安心して、いきいきと暮らしているまち

健康・医療についてです。
摂食・嚥下機能障害患者が身近な地域で必要な医療や介護が受けられるよう、東京都医療保健政策区市町村包括補助事業を活用し「摂食・嚥下機能支援推進事業」を開始し、市内の歯科診療所、病院、診療所、介護施設等の専門職による「摂食・嚥下機能支援体制」の構築を進めます。

高齢者福祉についてです。
いきがいデイサービス事業について、従来の虚弱高齢者のいきがい活動だけでなく、新たに予防体操など介護予防プログラムを行う介護予防拠点としての機能を加え、業務内容の転換を図ります。また、施設数と設置場所の見直しにも取り組みます。

次に障がい者福祉についてです。
多摩市では、障がい者の社会参加や地域での交流等を支援し、障がい者が地域で共に生き、安心して暮らすことができるよう、相談支援・サービス体制の充実を図るとともに、障がい者の自立支援を推進してきました。
新たな取組みとして、聴覚障がい者や内部障がい者、知的障がい者など、一見、障がい者とは分からない方が、周囲に自己の障害への理解や助けを求める手段として、日常生活の中や災害時等に活用できるヘルプカードを作成します。
あわせて現在の障がい児通所訓練運営事業(ひまわり教室)を児童福祉法に基づく法内施設として運営していきます。
昨年の障害者自立支援法の改正に伴い、障害福祉サービスの利用にあたっては、指定特定相談支援事業者によるサービス利用計画の作成とモニタリングが必要となりましたが、現在多摩市内に当該事業者が無く、中には困難なケースも想定されるため、担当部署に相談支援専門員を配置し、市が事業者となって障害福祉サービスの利用を支援します。

次に地域福祉についてです。
生活保護の被保護者との面談を通じてその適性を把握し、ハローワークと連携して就労をサポートする生活保護就労促進指導員を増員し、支援の充実を図ります。就労し収入を自ら得ることで、自立促進につなげるものです。

3 みんなで楽しみながら地域づくりを進めるまち

市民活動とコミュニティについてです。
地域における問題や、時代変化による課題を解決していくために、まずは私をはじめ行政から、多くの市民の皆さんとの情報共有を進めていきます。まちづくりの情報、市の情報を今まで以上に積極的にオープンにし、さまざまな場面での市民参画を推進し、人材発掘と育成に力を注ぎ地域の課題を地域で話し合える環境・風土づくりを進めていきます。
本年度は東京多摩国体が開催されます。多摩市では、ハンドボールとサッカー競技等が行われ、9月29日から10月6日の大会期間とその前後にわたり、国体を通しまちをあげた「地域づくり・健康づくり」を進めていきます。大会の開催に向け昨年度より総合体育館の大規模改修工事を実施していますが、夏には竣工し、9月1日にリニューアルオープンする予定です。
また、百草団地会館の改修事業については、3・11の経験をふまえ、防災面にも留意して再開します。

平和と人権についてです
平和と人権については、非核平和都市宣言を市民の皆さんとより広く共有し、平和の尊さを次代に繋いでゆくため、平和展の一環として、小学5年生から中学3年生までの6人を、原爆死没者慰霊式並びに平和記念式典に派遣します。併せて広島で開催される平和市長会議に初めて出席いたします。また、男女平等条例の制定を目指し女と男、性差を超えた平等な社会の実現につとめます。

4 働き、学び、遊び みんなが活気と魅力を感じるまち

産業振興、雇用、観光についてです。
地域経済を取り巻く環境は、長引く円高・デフレ不況、内需の冷え込み、少子化・高齢化の進行、経済のグローバル化により大きく変化しており、近隣市での大規模店舗の立地、住民の消費行動の多様化や停滞などの影響を強く受けています。「働く」、「学ぶ」、「遊ぶ」という視点でこれまで以上に市内事業者とも連携しながら、多摩市の魅力づくりを進めていきます。
また、昨年4月に開催した「多摩市内企業等懇談会」にて提案された観光振興のための具体的プロジェクトとして、「桜」をテーマにしたものなど、多摩市ならではの手土産を企画する「多摩の手土産プロジェクト」を市内事業者や関係団体との協力により展開します。
企業誘致については、多摩ニュータウン内に企業の立地促進を図ることで、税収確保、雇用機会の拡大を目的に、引き続き奨励措置を行います。
また昨年度から施行している公契約条例について、実施状況の検証を進めながら、本年度も工事や業務委託の確実な実施を推進していきます。 

5 いつまでもみんなが住み続けられる安全で快適なまち

安全・安心についてです。
一昨年の東日本大震災では、多摩市では震度5弱を観測し、地震による家屋などへの大きな被害はなかったものの、多くの帰宅困難者が発生しました。今回の震災で私たちは多くのことを経験し、学びました。昨年4月、首都直下地震等による東京都の新たな被害想定が発表され、多摩市においても地域防災計画の見直しを行っています。東日本大震災とその後の経験をふまえ、緊急時の円滑な情報伝達方法の充実を図るため、防災行政無線の内容を電話で確認できるアンサーバックシステムを導入するとともに、備蓄食料及び避難所設営用資器材等について、見直した被害想定に基づき整備充実します。また、緊急輸送道路の沿道建築物耐震診断や補強設計の助成を継続するとともに、発災時には避難所とする各小中学校体育館の耐震補強を充実するため、設備や機器の落下防止などの非構造部材耐震対策工事を行います。また本年5月には東京消防庁と合同で、河川の増水と堤防決壊の恐れを想定した大規模な総合水防訓練を実施します。
地域防災組織の充実を目指し、消防団本団の体制を強化するため、本部員3名を増員し消防団本部指揮機能の充実強化を図るとともに、女性消防団員を5名登用し女性の視点での対応や、新たな防火防災の普及啓発を展開するものです。
このほか、(仮称)多摩市暴力団排除条例を制定し、暴力団排除の取り組み姿勢を明確にすることにより、安全・安心なまちづくりを進めていきます。

都市づくりについてです。
多摩ニュータウンの都市基盤や住宅設備などのリニューアルに向け、多摩市が中心となって、東京都、有識者等関係者と共に円卓会議を発足し、ニュータウン再生の取り組みを推進します。本年度も引き続き、諏訪二丁目住宅の建替えを支援するとともに、国の補助金を活用し、諏訪・永山周辺地域の住宅市街地総合整備事業に基づき、バリアフリー化等を進めるとともに、駐輪場、児童館など公共施設のリニューアルに取り組んでいきます。
昭和41年に都市計画決定されて以来、未だ本線整備に至っていない南多摩尾根幹線について、慢性的な交通渋滞や生活道路への車輌の流入などの改善を図るため、早期整備を東京都に働きかけていくための対応を、市議会の皆さんとも連携して積極的に取り組んでいきます。
 昨年策定した「多摩市橋梁長寿命化修繕計画」に基づき、多摩センター駅前3橋及び唐木田駅前3橋の耐震化に着手します。このことは、緊急防災対策としても極めて重要な取り組みです。今後順次市内各橋について耐震及び長寿命化の修繕を行っていきます。
また、下水道事業特別会計においては、公営企業会計制度の移行を視野に、資産台帳の整理に着手します。

6 人、自然、地球、みんなで環境を大切にするまち

環境についてです。
本年4月の組織機構改革により環境部を新設します。環境分野における政策体系と組織の分掌事務を一致させることで、総合的な環境政策の展開を図ります。
自然エネルギーへの転換を推進するため、公共施設の屋根や公有地を有償で貸し出し、民間事業者による太陽光発電事業を促進すること等を通じて、市内における自然エネルギーによる小規模発電所の設置促進を図ります。また、一般住宅への太陽光発電システム導入補助により、家庭規模でのエネルギー転換も加速します。
省エネサポートデスク事業では、電気使用料や二酸化炭素排出量を計測できる省エネナビを導入し、市民モニターを実施します。
清掃行政では新たに「小型家電・金属類」を、本年4月から資源として無料で収集します。この取り組みは、資源の有効利用や二ツ塚最終処分場の長期活用、さらに「環境負荷の少ない循環型のまち多摩の構築」を目指すものです。
また、資源物の持ち去り行為に対して、罰則を適用する条例改正に伴い、市内パトロールを強化します。
大きく生育した公園や街路の樹木は、現在、適切な更新が求められています。このため、市民自らが公園などの現状調査や、公園・緑地の新たな活用方策の提案活動を通じて、「気づき(発見)」「行動(提案)」「活用(実現)」の各プロセスを体感する事により、「愛でるみどり」から「関わるみどり」へと市民意識の変化を促し、より質の高いみどりを持続的に保全する「みどりのルネッサンス(再生)量から質への転換」を引き続き実施します。
この取り組みは、単なる公園管理に留まらず、みどりを通じた市民同士の交流機会を拡大し、まちづくりに関わる意識を高めることで、地域課題を地域で話し合い、解決していく風土の醸成につなげて行く点にあります。そのために、公園・緑地施策だけではなく、コミュニティ、教育、健康づくり、いきがいづくりの施策などとも連携した総合的な施策展開を図っていきたいと考えています。

以上6つの「目指すまちの姿」を実現するための礎となる行財政改革の取り組みを、「新生TAMA・行財政刷新プログラム」として継続的に展開していきます。このことにより、将来を担う次の世代に負担を先送りせず、持続可能な明るい多摩市の未来を築き上げてまいります。

第6 むすびに

以上、申し述べてきましたとおり、平成25年度予算は、第五次総合計画を力強く推進するための予算です。厳しい財政状況ではありますが、東京多摩国体など直面する事業の推進、とりわけ、首都直下地震等への備え、橋梁など老朽化したインフラ施設の長寿命化、都市再生に向けた助走への事業、そして何よりお一人おひとりの市民生活の安心・安全を第一に考え、「命をまもり、次世代が豊かに暮らせる持続可能なまち・多摩」をめざした予算でもあります。
また、新生環境部の立ち上げにより、自立分散型エネルギー社会実現に向け、市民の皆さん、市内事業者とともに太陽光をはじめ、地域での自然エネルギーの普及、展開に向けた取り組みを力強く進めて行きます。性別年齢などにかかわらず、一人ひとりの人権が尊重される平等社会の構築に向け、条例の制定とあわせ、防災、教育、地域などで具体的に進めていきます。特に東日本大震災以降、人と人がつながる「コミュニティデザイン」のあり方に注目が集まっています。私が公約に掲げた地域委員会構想の実現に向け、人と人との出会いや人材育成に力を入れていきます。このような取り組みを重層的に進めることにより、震災・災害に強いまちづくりは実現できます。
そのためには、市役所職員の意識変革をはかり、主権者である市民の皆さんとともに歩む市政の実現、そして二元代表制である市議会の皆さんとともに活発な意見交換や情報共有を今以上に積極的に進めていかなければなりません。
私は、「みんなが笑顔 いのちにぎわうまち 多摩」の未来に向けて全身全霊をかけて取り組んでまいります。大きな時代の転換点という認識を持ち、このまちに住むすべての人々と動植物の未来への期待と希望を胸に、市民の皆さんとともにこの厳しい時代に立ち向かってまいります。このまちの主役は私たち市民です、と誇りと自信をもっていえる多摩のまちを共に創造していきましょう。

最後に重ねて、市議会並びに市民の皆さんのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

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