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平成24年度施政方針(平成24年3月阿部市長)

[2012年2月29日]

ID:23

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(注)本文書は筆記録ではございませんので、当日、市長が述べた文言と若干の相違点があります。

平成24年第1回多摩市議会定例会の開催にあたり、私の市政運営に関する所信を申し述べ、主権者である市民の皆さん、市議会の皆さんのご理解とご協力をいただきたくお願い申し上げます。

第1 はじめに

私が平成22年4月に市長に就任してからまもなく2年、任期の折り返し点となります。この間、議会や市民の皆さんのご理解とご協力をいただき、「市民主権」、「市民主体」のまちづくりを推進してまいりました。昨年8月には第五次総合計画の将来都市像「みんなが笑顔 いのちにぎわうまち 多摩」を推進するための基本計画を策定させていただきました。基本構想が目指す20年後の多摩市の未来を力強く、着実に築き上げていくためには、さらに強固な財政基盤の確立がなによりも重要です。
基本計画における財政フレームでは、平成27年度までの4年間で74億円が不足するという危機的なシミュレーションも明らかとなりました。世界的な金融危機、景気低迷、東日本大震災による長期的影響、そして急速に進む「少子化」と「高齢化」。日本政府も全国の自治体も手をこまねいているわけにはいきません。なぜ、財政危機に立ち至ったのか、どのようにこの難局を乗り越えていくのか、私は、昨年8月、自らを本部長とする「多摩市行財政改革推進本部」を立ち上げ、課題抽出と課題解決に向けたアクションプランの策定にまい進してまいりました。
1月下旬からは市内各地で「新生TAMA行財政刷新プログラム」の骨子について説明させていただきました。私は、今後も市民の皆さんとの対話を大切にし、厳しい時代であるからこそ、このピンチをチャンスととらえ、積極的にポジティブに市政運営にあたってまいります。

未曾有の大震災と原発事故

未曾有の大震災と原発事故からまもなく1年が経過します。震災による死者・行方不明者は約2万人。建築物の全壊・半壊は合わせて35万戸以上、ピーク時の避難者は40万人以上、停電世帯は800万戸以上、断水世帯は180万戸以上に上り、政府は震災による被害額を16兆から25兆円と試算しています。しかし、復旧・復興への道のりはきわめて厳しいと言わざるをえません。さらに東京電力福島第一原子力発電所は結果として核燃料の炉心溶融という世界的な大事故を引き起こし、事故後1年が経過した今も、放射性物質の拡散により、広い範囲で国民生活や経済活動に大きな影響を及ぼしています。
このような中、東京大学地震研究所の研究チームは、マグニチュード7クラスの首都直下地震が、今後4年以内に約70%の確率で発生するという試算をまとめました。首都直下を含む南関東の地震の発生確率を「30年以内に70%程度」としている政府の地震調査研究本部の評価と比較しても、事態の切迫度を伺わせる報告となっています。
本市では、3月11日に防災講演会を行い、被災地からの復興への取り組みとボランティア活動について報告を伺うとともに、直下型地震への具体的備えについてアピールしてまいります。いたずらに危機を煽り立てることはいたしませんが、いつ大震災が発生しても、対応できるよう、リスクマネージメントの視点から積極的に対応してまいります。
また、日本列島全体が地震の頻発期を迎えているという事態を重く受け止め、地震・津波に対する安全対策が万全でないことが明らかとなった原子力発電所については、使用済み核燃料などが発電所内にプールされている現状も踏まえ、早期に原子力発電に頼らないエネルギー政策に転換する必要があると考えます。私たちの多摩市では、昨年、市制施行40周年にちなみ「原子力に代わる自然エネルギーを大切にしていきます」との内容を盛り込んだ非核平和都市宣言を行いました。本市の市役所・学校など公共施設は、3月からPPS(特定規模電力事業者)に切り替えさせていただいております。再生可能なエネルギーについては、事業者の皆さんの力をお借りし、できることから着手していきたいと考えています。

金融不安と財政危機

2009年秋に発覚したギリシャの財政赤字粉飾に端を発するヨーロッパの債務危機は、ユーロ各国の国債格下げを生み出し、財政悪化、金融収縮、景気後退の悪循環にはまりつつあります。米国では大統領選挙の争点として若者の雇用への不安など、格差社会が大きなテーマとして躍り出ています。雇用対策か、財政対策か、米国の行方も世界経済の動向に大きな影響を与えます。
日本はいまや世界でも最大の債務国です。平成24年度政府予算案は税収の2倍を超える巨額の予算となっています。その財源の半分は新規国債の発行という、事実上の借金であり、歳出の半分以上がこれまでの借金の返済と社会保障費で占められています。今後は、戦後の高度経済成長を支えてきた道路、橋梁などの老朽化・更新に巨額の投資が必要となり、社会保障と税に関する大改革が行われない限り、歳出圧力はさらに増していきます。このような中での24年度財政運営は厳しさが増していくものと考えます。

第2 多摩市を取り巻く社会経済の動き

進む高齢化・増大する社会保障費

多摩市では、本年1月1日現在高齢化率が21.8%となりました。10年後には30%を超えることは確実です。これからは、生涯現役の時代です。いつまでも頼りにされ、社会貢献・地域貢献していただけるよう、まちづくりの主役を担っていただくことになります。今日、日本は世界一の長寿国となりました。このことは『長寿』を私たちが手に入れた証でもあります。第五次総合計画で目指す「高齢者や障がい者が安心していきいきと暮らせる街づくり」は、すべての人に優しいまちであり、誰もが尊厳と人権が尊重される生涯現役社会の実現を目指したまちづくりを推進してまいります。
リーマンショックに端を発する景気低迷や社会構造の変化に伴い、昨年の東日本大震災以降、社会全体での支え合いのあり方が問い直されています。特に失業や無年金の増加、各種疾患等の要因で経済的困窮者が増加しており、多摩市においても生活保護受給者の増加が顕著です。政府は社会保障と税の一体的改革をはじめ、山積する課題解決に向け、消費税の増税とあわせて検討を進めていますが、先行きは不透明なままです。国や都に抜本的な取組みを求めるとともに、市として、社会的・経済的自立に向けた支援策を強化していく必要があります。
また、国民健康保険と介護保険の保険給付は増加を続けており、市の負担額も増しています。なかでも国民健康保険特別会計は保険税の不足を一般会計からの繰入金で補填する状況が続いており、給付に応じた適正な負担に基づく財政の健全化の実現が大きな課題になっています。
医療や介護に要する費用は、自己負担だけではなく、社会保険制度を通じて国民全体で広く負担しています。この負担を増やさないためには、ひとり一人が、社会保険が社会全体の貴重なセーフティーネットであることを意識し、健康維持・増進や介護予防に努めることがこれまで以上に求められます。多摩市においても、がん予防、生活習慣病予防、寝たきり予防を可能とする施策に積極的に取り組んでいく必要があります。

地域主権改革・税の再配分

平成24年度から地域主権戦略大綱で示されている事務・権限の移譲がはじまります。また、第3次一括法の準備が進められており、その動向を把握し準備を進めてまいります。
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の取り組みは、「住民に最も身近な行政主体である基礎自治体が広く事務事業を担い、基礎自治体が担えない事務事業は広域自治体が担い、国は、広域自治体が担えない事務事業を担うことにより、その本来果たすべき役割を重点的に担っていく」という補完性の原則に基づき進めていく必要があります。国と地方自治体の関係を根本的に転換し、自治体の自由度を拡大し、自主性と自立性を高めていく改革の中心にある私たち地方自治体は、自らの地域のことは自らの意思で決定し、その財源・権限と責任を持つことを強く認識し、改革に向けた組織・体制の整備や財源の確保を進める必要があります。特に財源確保については、移譲の具体策が未だ示されておらず、地方自治体の自由度を拡大するという主旨から乖離し、補助金の統合に終始する恐れもあり、かつての三位一体改革の時のように、十分な財源移譲を伴わない事務の押し付けにならないよう、市長会等を通じ、国及び東京都に対して積極的かつ継続して働きかけてまいります。地方自治体が自主的且つ総合的に、自らの判断と責任において課題に取り組むことができるようにするためには、地域主権戦略大綱に掲げられた条項、さらには地方分権改革推進委員会の勧告で示された条項等について、義務付け・枠付けを見直し、その事務と責任に見合う税源配分、地方の自由度拡大につながる一括交付金制度の導入が不可欠であり、国・都道府県・市町村間での十分な議論のうえで進めていく必要があります。
昨年の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故による甚大な被害からの、早期の復旧・復興へ向けた政策や本質的な日本再建への道筋を明確に示すことのできない政府には憤りとも言える思いを抱きます。今後、社会保障と税の一体的改革とあわせ、地方分権改革推進の動向を注視しつつ、適時適切に市長会等を通じ働きかけを行ってまいります。

2020年の東京

東京都は、「10年後の東京」を充実・強化した新たなビジョンである「2020年の東京」とその実現に向けた3カ年の実行プログラムを策定しました。3・11により顕在化した東京の弱点を克服し、東日本大震災を乗り越え再生・成長を続けていくための8つの目標を達成するために、今後10年間で戦略的に取り組むべき12のプロジェクトを明示しています。そのうちの半数で防災対策とエネルギー政策を掲げており、予算規模では、向う3カ年で約2.2兆円、平成24年度は約7500億円となっています。
本市では、広域自治体として役割を担う東京都に対し、これまでも各種課題等に関し、要望・要請を行い、一定の成果を得てきました。今後、多摩ニュータウンの再生という大きな課題に取り組む中では、開発時と同等あるいはそれ以上に知恵と力を要すると考えております。多摩ニュータウン開発が国家的プロジェクトであることも踏まえ、ニュータウンの再生においても、国や都には継続的に関与し役割を担っていただくよう、働きかけを行うとともに、今後も引き続き東京都とは、十分な協議を行いながら、連携・協力して、多摩市のまちづくりを進めてまいります。

第3 市政運営に対する基本的な考え方

第五次多摩市総合計画の実現にむけて

平成24年度予算は基本構想に定めた将来都市像「みんなが笑顔 いのちにぎわうまち 多摩」を実現するための取り組みを具体化するため、初めて編成した予算です。
基本計画における財政見通しでは、平成27年度までの4年間で74億円という大幅な財源不足が見込まれており、市民の暮らしを守り、新たな行政需要に対応するためには、行政サービス全般について思い切った見直しを図ることが喫緊の課題です。
このことから、先に定めた「新生TAMA・行財政刷新プログラム」に基づき、第五次総合計画の実現に向けた「行政サービスの量から質への転換と改革の取り組み」を確実に進める予算編成としました。
21世紀を迎えてから10年が経ち、多摩市も市制施行から40年が経過しました。この間、社会経済情勢は大きく変化するとともに、スマートフォンの普及などに見られるように急速に高度情報化が進展しています。こうした中、私たちの価値観やライフスタイルも多様化してきました。
多摩市においては、市域の約6割を占めるニュータウン開発が収束し、今後は、高度に整備された都市基盤や、各公共建築物を多摩市の資産として維持管理し、更新していかなければならない状況があります。道路等の都市基盤や各公共施設は、市民の暮らしを支え、行政サービスの拠点となる大切な財産です。また、豊かな緑やゆとりある住環境などの優れた都市機能は、多摩市の大きな魅力です。しかし時間の経過とともに、施設については求められる機能や役割に変化が生じ、老朽化も急速に進んできています。多摩市の都市基盤や各公共施設は、他市と比較して質・量ともに非常に高い水準にあることや、人口急増に対応するために集中的な整備を行ってきた経緯もあることから、維持管理や改修に要する経費が大きな財政負担となってきています。
市民の財産を大切に長く使用するという視点に立ち、安全性と利用者の満足を確保しながら、費用対効果の高い維持管理を進めるとともに、多摩市の今後の財政状況も見据えた、将来的にも持続可能なレベルでの公共施設のあり方の見直しを進めていきます。
また、昭和46年の多摩ニュータウン第一期入居地区にある、諏訪2丁目住宅は平成25年秋の入居を目指して、建て替えが進んでいます。全面建て替えは、多摩ニュータウンでは初めてで、規模は国内最大、640戸から1249戸へ609戸の増となります。本事業を市としても支援し、多摩ニュータウン再生の取り組みの第一歩とするとともに、諏訪・永山地区の住宅市街地総合整備事業によるまちづくりを進めます。 

(仮称)多摩市行財政刷新計画

本市の行財政改革は、昭和61年の「多摩市行財政改革大綱」を皮切りに6次にわたり取り組んできました。行政改革とは、単に経費削減だけではなく、持続可能な明るい未来を築くため、行政のあり方そのものを改革する取り組みです。これまで、市民協働の推進、公共施設のあり方や、補助金交付システムの見直しを始め「多摩市自治基本条例」の理念と行動原則に基づき、さまざまな資源を有効に活用し、都市経営の視点から取り組んでまいりましたが、未達成の課題も残っています。現在直面する大きな問題として、平成24年度からの4年間で74億円という巨額な財源不足が見込まれていると申し上げましたが、歳出・歳入の見直しを行い、財源対策については一定の目途をつけさせていただいております。1月末から市内13ヶ所で、私自身直接市民の皆さんに説明し、ご意見などを伺って参りました。本年4月以降は、私の給与カットをこれまでの10%から20%に増やし、副市長・教育長についても12%、8%に改めます。また、管理職をはじめ職員にも給与カットをお願いしており、これら職員人件費の削減対策を行うとともに、これまでの行政サービスのあり方を全てにわたって見直して、コスト縮減を図り、さまざまな仕組みを刷新していくことで財源不足を解消します。今回の「行財政刷新計画」は、持続可能な質の高い行財政運営の推進をめざし、「将来の世代に引き継ぐ持続可能な財政構造」、「経営と協働の視点に立った行財政運営」、「公共施設のマネジメント」を柱に取り組みを進めます。行政サービスの効率化は、少子高齢社会の基礎をしっかり支えながら、市民目線での改革をさらに進め、公共施設の今後のあり方については、本年度策定する適正配置計画のなかで見直しを進めます。また、企業誘致をはじめニュータウン再生等、多摩のまちに活力を生み出す取り組みを重点的に行い、この改革の先に、市民の皆さんが安心して元気に暮らせるまちの実現を目指してまいります。

第4 6つの目指すまちの姿の実現

平成24年度予算は、第五次総合計画基本計画策定後初めて編成する予算であり、その編成にあたっては、基本構想に定めた6つの「目指すまちの姿」の実現に向け、各施策に着実に取り組んでまいります。

1 子育て、子育ちをみんなで支え、子どもたちの明るい声が響くまち

子育て・子育ち支援についてです。
多摩市では、子どもが伸びやかに人間性豊かに育ち、喜びを持って子育てができる環境づくりを第一に進めてきました。一方、長引く厳しい経済状況などから、多様化するライフスタイルやワークスタイルに対応できる子育て支援が課題となっています。
保育園の待機児童対策として、老朽化した認可保育園の移転新築による定員増を図るとともに、認証保育所新設と家庭福祉員の増員を行います。また、市と児童相談所が連携し、虐待の予防・早期発見・早期対応ができるよう子育て総合センターに、より高い専門性を持った「児童虐待コーディネーター」を新たに配置し、児童虐待への対応力向上を図ります。
学童クラブの待機児童対策として、北諏訪小学童クラブと大松台小第二学童クラブを開設するとともに、東京都の「都型学童クラブ」の制度を活用し、財源確保を図りながら大規模学童クラブの解消を図ってまいります。

教育についてです。
日本の将来を見据え、持続発展可能な社会の担い手を育むため、学校がさまざまな地域の教育力とつながりながら、ESD(持続発展教育)をより有効なものとし、子どもたちの「生きる力」の向上を図っていきます。
児童・生徒が自立し、持続可能な社会を担っていくために必要な資質・能力を育むため、小中学校において引き続きESDに取り組んでまいります。また、学校・家庭・地域が連携した教育を進めるための具体的事業として、平成23年度から教育連携支援事業を試行的に開始しました。事業をより効果的なものにしていくために、平成24年度はモデル校を増やし、課題の抽出やノウハウの蓄積を進めます。
学校毎の児童・生徒数、学級数の平準化、学校と地域が連携しやすい基盤づくり、子どもたちの安全確保を図るため、全市的に現在の通学区域、学校選択制を見直します。また、これら学校統合、通学区域の変更に合わせた必要な施設整備及び保全計画に基づく施設更新を順次行ってまいります。

2 みんなが明るく、安心して、いきいきと暮らしているまち

健康・医療についてです。
スポーツを含め健康づくりに関する情報があふれ、関心が高まっている中で、これまで多摩市としては、運動や食事のバランスチェック等、健康的な生活が習慣化できるよう、健康づくりに役立つ情報を積極的にPRして、健康づくりを推進してまいりました。予防接種やがん検診などの予防医療の一層の充実を図るため、子宮頸がん予防ワクチンの接種費用の助成、胃がん及び肺がん等の受診機会を拡充し、胃のABC検査も新たに加え、市民の健康増進をはかって参ります。
また、障がい者や高齢者の摂食・嚥下機能障害患者が必要な医療を受けられるよう、市内の歯科診療所、病院、診療所や介護施設等の連携体制を推進してまいります。

高齢者福祉についてです。
高齢化が進んでいく中においても、誰もが住み慣れた地域で、健やかに安心して暮らすことができるよう、超高齢社会を支える地域ぐるみの取り組みが必要となっています。毎年敬老の日に行ってまいりました「長寿を祝う会」では、これまでも市の主催と、市内NPOの皆さんなどの地域の力で開催してまいりましたが、市民協働により一体化し充実を図ります。また、73歳以上の一人暮らし高齢者及び高齢者のみの世帯の方々を訪問し、見守りと併せて新たに相談支援の情報提供、かかりつけ医・健康診断受診の促進や救急医療情報を記入し保管するキットの配布を行い、地域の絆による支え合いを推進してまいります。

次に障がい者福祉についてです。
多摩市では、障がい者の社会参加や地域での交流等を支援し、障がい者が地域で共に生き、安心して暮らすことができるよう、相談支援・サービス体制の充実を図るとともに、障がい者の自立支援として就労支援を推進してまいりました。障がい者の自立支援について、自立障がい者サポーター制度の新設や法内化した日中活動系サービス実施事業所等への補助充実等を図り、新体系サービス移行後の運営安定と、障がい者の生活を支援してまいります。

3 みんなで楽しみながら地域づくりを進めるまち

市民活動とコミュニティについてです。
地域に暮らし活動するだれもが、思いやりと支えあいの心を持ち、生きがいのある毎日を送るために、隣人や地域との関係など「絆やつながり」の重要性は大震災以降、一層増しています。まずは多くの市民の皆さんとの情報共有を進めるため、私をはじめ行政から、まちづくりの情報、市の情報を今まで以上に積極的にオープンにし、さまざまな場面での市民参画を推進することで、地域の課題を地域で話し合える環境・風土づくりを進めてまいります。
また、ボランティア活動や市民活動の重要性も再認識されていることから、市民活動情報センターと多摩ボランティアセンターを再編し、ボランティアや市民活動の総合的な支援・促進を行います。
生涯学習については、昨年秋に策定した第3次生涯学習推進計画のもと、一人ひとりが生涯学習をとおして、笑顔をかわしながら仲間をつくり元気に活動することによって、豊かな文化と信頼の絆にあふれたまちの実現を目指して取り組みます。また、平成25年度に開催する国民体育大会に向け、多摩市に初めて迎える国体をとおした「地域づくり・健康づくり」を進めてまいります。本年度はリハーサル大会を実施するとともに、総合体育館の大規模改修工事を実施します。
平和と人権については、非核平和都市宣言を市民の皆さんとより広く共有するため、引き続き平和展を開催し、平和の尊さを次代に繋いでまいります。また、(仮称)多摩市男女平等基本条例の制定に向け、多摩市にふさわしい条例の検討を懇談会を設置して行います。

4 働き、学び、遊び みんなが活気と魅力を感じるまち

産業振興、雇用、観光についてです。
地域経済を取り巻く環境は、少子・高齢化の進行、規制緩和、経済のグローバル化により大きく変化しており、近隣市での大規模店舗の立地や、住民の消費行動の多様化などの影響を強く受けています。「働く」、「学ぶ」、「遊ぶ」という視点で商業・業務・文化などの機能を兼ね備えたまちづくりを力強く打ち出してまいります。これまで以上に市内事業者とも連携しながら、多摩市の魅力づくりを進めてまいります。
企業誘致については、多摩ニュータウン内に企業の立地促進を図ることで、税収確保、雇用機会の拡大及び、多摩市としての自立を目的に、奨励措置を引き続き行います。創業支援についても産学官連携事業による創業支援施設「ビジネススクエア多摩」を核に、起業に向けた各種セミナーや就労支援セミナー等を実施し、市内産業の活性化を図ってまいります。また本年4月には、公共事業に携わる労働者の良好な労働条件の確保を図るため、市が発注する工事や業務委託に従事する労働者の最低賃金などについて規定する公契約条例を施行し、確実な実施を推進してまいります。
都市農業の推進については、エコファーマー、認定農業者制度などを活用し、都市農業の経営の安定化と次世代の担い手の育成を推進してまいります。

5 いつまでもみんなが住み続けられる安全で快適なまち

安全・安心についてです。
昨年3月の東日本大震災では、多摩市では震度5弱を観測し、地震による家屋などへの大きな被害はなかったものの、多くの帰宅困難者が発生しました。今回の震災で私たちは多くのことを経験し、学びました。緊急時の円滑な情報伝達方法の充実を図るとともに、発生率の高まった首都直下型地震に備え、多摩市地域防災計画の見直しを行い、備蓄食料及び避難所設営用資器材等について充実して整備します。また、緊急輸送道路の沿道建築物耐震診断や補強設計の助成をはじめ、耐震診断士の無料派遣や耐震改修工事費の助成を継続し、木造住宅・非木造住宅の耐震改修等を促進し、災害に強いまちづくりを進めます。

都市づくりについてです。
多摩ニュータウンへの第一次入居から40年が経過し、都市基盤や住宅設備などのリニューアルに向け、多摩ニュータウン再生の取り組みを推進します。本年度も引き続き、諏訪二丁目住宅の建替えを支援するとともに、国の補助金を活用し、諏訪・永山周辺地域の住宅市街地総合整備事業に基づき、バリアフリー化等を進めるとともに、駐輪場、児童館など公共施設のリニューアルに取り組んでまいります。

6 人、自然、地球、みんなで環境を大切にするまち

環境についてです。
昨年の大震災は、「大量生産・大量消費」型の私たちのライフスタイルを根本から見直す機会にもなりました。私たち一人ひとりのライフスタイルの転換や、多様な環境ビジネスの活用等に積極的に取り組んで行かなければなりません。
非核平和都市宣言の中でも、原子力に代わる自然エネルギーを大切にしていきますと表現しましたが、個人住宅への太陽光発電設備設置補助を再開するとともに、新規事業として、集合住宅への補助事業をスタートします。
また、大きく生育した公園や街路の樹木は、今、適切な更新が求められています。このため、市民自らが公園などの現状調査や、公園・緑地の新たな活用方策の提案活動を通じて、「気づき(発見)」「行動(提案)」「活用(実現)」の各プロセスを体感する事により、「愛でるみどり」から「関わるみどり」へと市民意識の変化を促し、より質の高いみどりを持続的に保全することが可能な仕組みを確立します。これら、みどりの管理プロセスを改革する一連の活動を「みどりのルネッサンス(再生)量から質への転換」と名づけ、施策を展開します。
この取り組みの狙いは、単なる公園管理に留まらず、みどりを通じた市民同士の交流機会を拡大し、まちづくりに関わる意識を高めることで、地域課題を地域で話し合い、解決していく風土の醸成につなげて行く点にあります。そのために、公園・緑地施策だけではなく、教育、福祉の施策などとも連携した総合的な施策展開を図っていきたいと考えています。

以上6つの「目指すまちの姿」を実現するための政策を、継続的に展開するため、行財政刷新計画と公共施設の適正配置計画を、「新生TAMA・行財政刷新プログラム」として推進し、将来を担う次の世代に負担を先送りせず、持続可能な明るい多摩市の未来を築き上げていくための第一歩として踏み出したいと考えています。

第5 むすびに

平成24年度予算は、多摩市第五次総合計画の取り組みを具体化する初めての予算です。基本計画における財政見通しでは、今後数年間にわたり大幅な財源不足が見込まれております。「今、この国は、いや、世界は、登山ではなく下山の時代に入ったように思う」、「そして下山の先に新たなスタート地点がある」と作家の五木寛之氏は著書「下山の思想」で著しています。今、市民生活を守り、新たな行政需要に対応するためには、行政サービス全般にわたって量から質へ転換していくことが求められています。将来世代に引き継げる持続可能な財政構造へ転換を図り、みんなが笑顔でいのちにぎわう多摩の未来に向けて、不退転の覚悟で改革の取り組みを進めてまいります。「このまちの主役は私たち市民です」あれもこれも求める時代から、必要なものを選択し、地域で豊かさを分かち合える社会をめざして、まちづくりを進めて行く所存です。

最後に重ねて、市議会並びに市民の皆さんのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

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