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多摩市行財政再構築プラン(素案)3 行財政再構築の必要性

[2013年12月2日]

ID:362

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1.今なら間に合う健全財政への転換

(1)厳しい歳入の展望

日本経済の長期にわたる低迷を背景に、市税収入が大きく減収してきており、平成11年度決算以降、対前年度で3年連続マイナスとなっています。特に、個人市民税については、平成4年度が税収のピークでしたが、デフレーションによる給与所得者の賃金水準の低下、厳しい雇用状況を反映して、平成14年度決算では、ピーク時の平成4年度に比べ31億7千万円・23.4%も減少しています。
また、多摩市の人口構成の特性から、今後、退職者層が大幅に増加し、高齢化が世界最速とも言えるスピードで進むため、将来にわたり納税人口の比率が低下することが予測されます。担税力のある45歳前後の層が少ないことや、人口構成上、団塊の世代の次の大きな山を構成する20歳台の層の一人あたりの平均納税額が低額となっていることも懸念材料です。多摩ニュータウンの特性や人口構成から、高齢化の進行による税収の減少傾向はある程度予測されていましたが、長期の景気低迷や経済のグローバル化による給与所得者への影響等、予測を超えた大きな変化といえます。
個人市民税の減少をカバーしていた固定資産税(土地・家屋分)についても、平成14年度決算まで上昇し続けていましたが、急激な土地価格の高騰に伴う税額の上昇を緩和するための負担調整がほぼ終了するとともに、平成15年度の土地・家屋の評価替えにより固定資産税も減少しています。これからは、土地価格の下落傾向を反映し、平成18年度の評価替えでは、もはや増収は見込めない状況です。
さらに、多摩ニュータウン開発に伴う公共施設整備に対して東京都から「住宅建設対策費補助金」が交付されてきましたが、関係機関で協議を重ねた結果、平成11年度から段階的に削減されることとなり、14年度からは2分の1となっています。まちづくりの初期段階が終了したことによる補助金の削減ですが、影響額は、平成11年度から平成35年度までで約89億円になります。今後、東京都が「第二次財政再建推進プラン」に取り組むことから他の都支出金の大幅な見直しも予測され、歳入における都支出金の構成比が他市に比べ高い多摩市は大きな影響を受けることになり、予断を許しません。

(2)硬直化が進行する歳出

一方、歳出では、毎年、社会保障費等に充てる扶助費の伸びが顕著で、ここ3年間の平均では、毎年3%ずつ上昇しています。また、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計への繰出金も伸び続けています。
多摩市は、多摩ニュータウン事業により、水準の高い都市基盤、公共施設が整備され、既存地区についても同水準での整備に努めてきました。その結果、環境の良さが高く評価されていますが、この環境を維持するにも、多く経費がかかる都市構造となっています。
財政規模が縮小するなかで、これまでの幅広い、水準の高い市民サービスを実現してきた要素(例えば、施設建設のための債務償還経費・職員人件費・施設や都市基盤の維持管理費・幅広い各種補助金、単独・上乗せ等の手当*などの経常的かつ固定的な経費)の比重が重くなり、新たな時代のニーズに対応するための政策的経費が捻出できない状況になっています。また、施設の計画的な維持補修や、市民の利便性を向上するための行政サービスの電子化にも対応できない状況です。
これまで、歳入と歳出のギャップを埋めてきた財政調整基金*や、公共施設の建設に充ててきた公共施設整備基金の残額も残り少なくなっています(平成15年度末見込み→財政調整基金8億3千万円・公共施設整備基金7億円)。まさに、多摩市の財政状況は窮地にあります。
また、財政硬直化の要素のひとつ、市の借金ともいうべき地方債*残高は、平成14年度決算で350億7,597万5千円ですが、債務負担行為*翌年度以降支出額をあわせた実質の借金額は、554億6,176万4千円で、少ないとはいえません。これまで以上に後年度への影響を考慮した運営をする必要があります。
このように厳しい歳入歳出の状況ではありますが、現在の多摩市の財政は、財政力指数*が高いように、まだ、基礎体力があります。今なら、肥大化した体質を見直すことで、今後の多摩ニュータウンの人口特性による大きな環境変化や、本格的高齢社会への移行に向けて、健全な体質に改善することができます。

2.時代の方向性を見据えた自治体経営の必要性

(1)少子高齢化

少子高齢化に伴う人口減少社会の到来は、すべての自治体の行政運営に構造的な変革を迫っています。すなわち、人口が増加し、経済が拡大することを前提とした政策形成システムから、人口が減少し、財政規模が縮小していくなかでの新たな政策形成システムへの方向転換が必要です。
行政の財政規模が拡大していくなかでは、行政の主な役割は、財源の増加分を市民ニーズに応えていかに配分するかに重点が置かれ、行政サービスの拡大が進みました。一方、行政改革の取り組みが進められてきましたが、いったん配分された財源(サービス等)を縮小する方向での再検証は行われにくかった状況もあります。それでも、財政が右肩上がりに伸びていくなかでは大過なく行財政運営を進めることができたのです。
しかしながら、行政の財政規模が縮小していく今後は、すでに行政サービスとして配分されている財源(サービス等)の再検証と再編の議論が不可欠であり、あわせて、公共サービス領域におけるサービス提供体制の再構築(行政の役割の再整理も含めて)が焦眉の課題となります。
こうした政策の実現にあたっては、市民との情報の共有をベースにした市民協働による施策の選択、行政の守備範囲の再整理を含めた公共サービス領域における新たな支え合いの仕組みづくり(サービス提供システムの再構築)、サービス提供の社会的意義や効果を検証する評価システムといった、新たな政策形成システムの構築が重要となります。急速に高齢化が進展する本市では、こうした取り組みを先行して進める必要があります。

人口に占める65歳以上人口の比率

図:人口に占める65歳以上人口の比率

(2)地方分権

地方分権の理念をひと言で言えば、地域のことは地域で決定し、実行することができるように、自治体の自立を目指すことです。これを実現するためには、まちづくりの主役である市民の意思が政策決定の過程に十分反映されるとともに、サービス提供の場面においても、市民の意思と力が十分発揮される仕組みづくりが必要です。国と地方自治体との関係で言えば、安易に国の政策に依存・追従することなく、自らの意思で地域の政策を決定し、自らの責任でこれを実行するべく、国等に税財源の移譲を求めていく一方、財政的にも自立した自治体運営がますます重要となります。

(3)グローバル化

経済、文化、環境など、さまざまな分野において、世界的規模で横断的な変革が進んでいます。こうした変革は、国家間の関係にとどまらず、地域社会にも大きな影響を与えつつあります。グローバル化の進展は、地域を超えたダイナミックな活動の広がりを地域社会にもたらすと同時に、さまざまな地域の課題が世界的な動向と密接に結びついていくことを意味します。また、横断的な活動の広がりのなかで、あらためて、地域の価値=多摩市のブランドを再構築していく視点が重要となると考えられます。これまでの国から地方自治体へと縦軸で展開されてきた地域政策から、グローバル化の視点と地域の目線で、地域主導型の政策を展開していくことが必要です。

3.「新しい公共」づくりへの模索

これからの自治体経営を考えるとき、その道すじを照らすのが「新しい公共」という概念であると考えられます。
我が国において「公共」領域とは、主に行政が中心となって担うべき「公(=官)」の領域であるとの考え方が長く続いてきました。しかし近年では、「公共」の概念が再認識されています。
その背景として、1つめは、個人の価値観が多様化・複雑化するなかで、中立・公平を旨とする行政だけでは提供できない(あるいは提供することが苦手な)公益的ニーズが増えてきたこと、2つめは、市民活動が成熟し、市民自らが担い手となって公共サービスを提供しようとする動きや、民間企業の動向など、行政以外の公共サービス提供主体が登場してきたこと、3つめは、右肩上がりの経済成長にあわせて拡大してきた行政サービスの提供をこのまま継続することが財政面から困難となったことが指摘できます。
「新しい公共」とは、こうした状況のなかで、行政のみならず、市民、NPO、事業者など、多様な主体が、対等な立場で協働・連携し、適切に役割分担しながら「公共」の領域をともに担っていこうとする考え方です。
本市においては、これまでも、市民と行政の情報の共有化、計画や施設づくりへの市民英知の結集、市民協働による施設運営など、他市に先駆けて市民との協働によるまちづくりに力を注いできました。厳しい財政状況は、見方を変えれば、このような取り組みのうえに蓄積された市民の力や地域の力、ネットワークを生かして、「新しい公共」への理解を深め、新たな支え合いの仕組みを多摩市に構築する好機であるとも言えます。それは、本市にとって、協働の「新たな段階」への飛躍と考えられます。

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