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多摩市行財政診断白書 第1部 総論編 第1章 危機にある多摩市の財政状況(1)

最終更新日:平成20年3月31日

1.1 収支の状況

1. 財政規模・歳入と歳出のアンバランス

 多摩市の歳出は、過去13年間の平均で、標準財政規模の1.6倍に達しています。

(注)標準財政規模とは、地方公共団体が標準的な行政活動を行うために必要な経常的一般財源(毎年度経常的に歳入される一般財源)の総額。

図表1 標準財政規模と歳出

 過去の市税等歳入の高い伸びに支えられ、高い水準で歳出が推移してきましたが、近年、厳しい財政状況で標準財政規模と歳出との差が急速に縮まってきています。とはいえ、まだまだ水準の高い歳出レベルであることがわかります。
 歳入の多くを占める市税収入と歳出とを比べると、収入に見合った支出になっているかどうかを判断するヒントになります。歳出については、年度によって大きな施設を建設したりする特殊要因があるので、総額から普通建設事業費を除いた額を日常的な事務や市民サービスに係る経費とみなして比較すると、市税収入と歳出との差(図表2の★印の部分)が、平成6年度以降大きくなっていることがわかります。市債(借金)と、基金(預金)の状況を加えて総合的に表すと、現在の多摩市は、「もう増やせない借金、減る預金、収入に見合わない日常生活」という状況にあることがわかります。

図表2 借金と預金の残高と市税の歳出

2. 経常収支比率

 財政状況の硬直化を示す指標である経常収支比率の推移は、図表3のとおりです。

図表3 経常収支比率の推移

 経常収支比率とは、毎年度経常的に歳入される一般財源(使途が特定されていない財源)が、毎年度経常的に行っている事業支出に充てられる割合(70%~80%が適正範囲)を示しており、この指標が高いということは、新たな政策に充てることが可能な自由に使える一般財源が少ないことを意味します。つまり、市税等が減り、経常的な事業がそれに見合って見直されないまま市政運営が続くと、当然、自由に使える一般財源は少なくなり、経常収支比率は高くなります。
 多摩市の場合、経常的に高いレベルでの行政サービスが実施されていたことから、経常収支比率は、平成5年度までは、26市平均を上回っています。その後、景気低迷、特別減税により、全国的に市税が減少し、経常収支比率は上昇傾向を示しましたが、多摩市は固定資産税等の伸びに助けられ、他市ほど減収の影響が少なく、26市平均をかなり下回っていました。しかし、平成9年度に85%を超え、その後も高い水準で推移しています。平成13年度決算では8年ぶりに26市平均を上回る状態となりました。

3. 経常一般財源と経常経費充当一般財源

 一般財源のうち毎年度経常的に歳入されるものを「経常一般財源」といい、ここから、義務的経費等に充てる一般財源(経常経費充当一般財源)を除いたものが自由に使える一般財源ということになります。

図表4 経常一般財源・経常経費充当一般財源の推移

 多摩市の場合、平成2年度には63億円あった自由に使える一般財源が、平成13年度では、28億円に減っています(図表4)。しかも、この自由に使える財源には、既に支払いを約束している施設や土地などに充てなければならない経費も含まれるので、実質、新しい施策に充てられる経費はさらに限られます。
 一方、経常一般財源に見合った歳出になっているかどうかを検証したのが、図表5です。経常的一般財源と、それを充てている経常経費充当一般財源、市税、それぞれの伸び率について見てみました。

図表5 経常経費充当一般財源と市税の増減率

 平成3年度以降、経常経費充当一般財源(歳出)の伸び率が、経常一般財源(歳入)の伸び率よりも高くなっている状態が継続しています。つまり、収入の伸びより、日常の経費の伸びが高い状態が続いているということです。昭和59年度以降、多摩市は、収入の高い伸び率に合わせて日常の経費をふくらませてきましたが、平成3年度以降は、収入の伸びが落ちてきているにもかかわらず、これに見合った支出に転換しきれていないのがわかります。
 市税との関係で増減率をみると、平成11年度を例外として、平成元年から13年度まで、市税の伸び率より経常経費充当一般財源の伸び率が高くなっており、歳入に見合った歳出にはなっていない状況といえます。平成6年度以降は、国の景気対策による特別減税の影響で、市税の伸び率は鈍化していますが、特に、平成10年度と13年度については、経常経費充当一般財源が伸び、市税も経常一般財源もマイナスという結果になっています。

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