多摩市行財政診断白書 第2部各論編 第3章 重点検討対象事業(2)
最終更新日:平成20年3月31日
3. 2 高齢者慶祝事業(長寿祝金・長寿を祝う会)
1. 長寿祝金
ポイント
- 長寿祝金は、長寿を祝い、敬老の意を表して、長寿者に祝金を支給するもので、都内全市で同様の事業を実施しています。
- 祝金の支給年齢や支給金額は各市まちまちですが、多摩市では77歳・80歳・88歳・90歳・99歳・100歳以上という節目の年に支給しています。
- 多摩市では、今後急速な高齢者数の増加が見込まれており、高齢者数の増加とともに長寿祝金に係る経費も急増することが予測されます。
- 年齢だけを要件に一律に祝金を支給する長寿祝金は、廃止を視野に入れて検討し、その財源を他の高齢者施策の財源に活用することが望ましいと考えられます。
(1)長寿祝金の他市の実施状況
26市の実施状況をみてみると、全市で実施しており、類似都市では、多摩市と同様に節目の年に給付している市が8市、一定年齢以上全員に給付している市が2市(日野市・調布市)となっています。
多摩市の給付水準は比較的高い

長寿祝金の各市の予算額を比較してみると、一定年齢以上全員に給付している日野市の予算額が突出し、次いで調布市の予算額が高くなっています。節目の年に給付している8市で比較すると、高齢者人口数の最も少ない多摩市の予算額が、高齢者人口数の多い府中市、西東京市に次ぐ第3位となっており、水準の高さを示しています。
下表は、長寿祝金の給付年齢と給付金額を類似都市10市で比較したもので、各年齢において、給付対象としている市の数と給付金額を示したものです。網掛けの部分が多摩市の給付年齢と給付金額を示しています。

(2)長寿祝金シミュレーション
75歳以上の後期高齢者数の増加により、支出金額は急激に伸び、5年間で2千万円の増加、約2倍となることが見込まれます。
高齢者の増加がコスト増加に直結!

(3)長寿祝金の今後の方向性
長寿祝金は、一定の年齢に達した高齢者に一律に現金を給付するため、今後の急速な高齢者数の増加が経費の急増に直結することが必至と考えられます。
厳しい財政状況の中、年齢だけを要件に、一律に祝金を支給する長寿祝金は、きたるべきさらなる高齢化社会に対応する効果的な高齢者施策とはいえず、廃止を視野に入れて検討し、その財源を他の高齢者施策へ活用することが望ましいと考えられます。
2. 長寿を祝う会
ポイント
- 長寿を祝い、敬老の日にちなんで長寿者を対象に行う各種行事を老人週間行事といい、各市で様々な事業を実施しています。
- 多摩市では、「長寿を祝う会」として、70歳以上の方全員をパルテノン多摩に招待し、式典や芸能人による演芸会を開催しています。
- 長寿を祝う会の参加率は低く、さらに年々低下しています。
- 高齢者の中には、健康で意欲的に活動している方も多く、こうした行事を自ら企画し、参加したいという方も多くおられます。今後は、行政が準備して招待する現在の方法から、市民や地域との協働による多様な手法の開拓や利用者の選択の幅を広げる仕組みへの転換など、時代のニーズに即した検討が必要です。
(1)長寿を祝う会の参加率
長寿を祝う会への参加率は年々低下してきています。一方、仮に参加率が上昇した場合でも、現在の方法では、会場の収容人数が今後の高齢者数の急増に対応できないという課題があります。
対象者が増加する一方、参加率は低下している

(2)長寿を祝う会の予算額(類似都市比較)
類似都市の中では、高齢化率1位、2位を占める東村山市や武蔵野市は、経費支出額も1位、2位となっているのに対し、高齢化率が最下位の多摩市は、支出額は3位と高水準となっています。
高齢化率が低いのに他市に比べて経費をかけている

図表7 他市の内容別実施数 (26市)
平成14年4月1日現在
| 式典・演芸 | 高齢者訪問 | その他 |
|---|---|---|
| 25 | 15 | 5 |
(3)長寿を祝う会の今後の方向性
多摩市は、現在は高齢化率が他市に比べて低い中、長寿を祝う会に対して高い経費をかけており、今後急速に高齢化が進むことを考えると、さらなる経費の増加が見込まれます。
また、高い経費をかけて実施しているにも関わらず、長寿を祝う会の参加率が年々低下してきているなど、行政が一律に提供するサービスが、多様化する高齢者のニーズに合っていないことが推察されます。
現代の高齢者像は変化してきており、中には、「生涯現役」という姿勢で健康で意欲的に活動している高齢者もたくさんおられます。サービスを受ける側だけでなく、サービスの担い手としても期待されてきており、かつ、参加の要望の声もあがってきています。
こうした多様なニーズに対応するためには、行政が一律に提供するサービスではなく、今後は、市民と地域との協働による多様な手法の開拓、利用者の選択の幅を広げる仕組みへの転換など、時代のニーズに即した検討が必要と考えられます。
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