このページのトップ



現在位置 :  ホーム の中の 市の取組・予算 の中の 計画・報告 の中の 行財政運営 の中の 多摩市行財政診断白書 の中の 多摩市行財政診断白書 第2部各論編 第3章 重点検討対象事業(3)


ここから本文です

多摩市行財政診断白書 第2部各論編 第3章 重点検討対象事業(3)

最終更新日:平成20年3月31日

3. 3 高齢者食事サービス

ポイント

  • 食事サービスは高齢者に対して食事の提供をする事業で、在宅福祉サービスの中でも普及しており、特に宅配による食事サービスは、都内全市で実施しています。
  • 多摩市では、市が関与して行っている食事サービスに、市が実施主体として行っているものと、市からの補助金を受けて、民間の社会福祉法人である社会福祉協議会が実施主体として行っているものとの2種類があります。
  • こうした構造は市民から見てわかりにくく、近年では、配食サービスを実施する民間企業やNPO等も多数活動していることから、市が関与して提供する食事サービスは、行政の守備範囲の観点から精査していく必要があると考えられます。
  • 市の食事サービスは、ねたきり等で外出が困難な高齢者を対象としていることから、現在の週2回から回数等を充実すべきと考えられます。なお、サービスの水準を保ちつつ、将来的には競争原理の導入を図る基盤づくりが必要です。
  • 一方、社会福祉協議会が実施している食事サービスに対する市の補助金については、民間の参入をうながし、利用者の選択の幅を広げていく面等から廃止することが適当と考えられます。
  • 今後は、多様なサービス提供主体の参入や、宅配による配食のみでなく、多様なサービス手法の導入など、競争による質の向上をうながす視点が重要です。

1. 市が実施している食事サービスの状況他市比較

 市が実施主体となって行っている食事サービスのうち、宅配による食事サービスの実施状況をみると、26市中24市で実施していますが、配食の回数では、多摩市の週2回は少ない方となっています。

 多摩市の配食回数は比較的少ない

図表1 宅配式食事サービスの配食回数比較(14年4月1日現在)

2. 市の食事サービスと社会福祉協議会の食事サービス

 多摩市では、市が関与して行っている食事サービスに、市が実施主体として行っているものと、市からの補助金を受けて、民間の社会福祉法人である社会福祉協議会が実施主体として行っているものとの2種類があります。
 市民の方から見ると、どちらも市の食事サービスとの誤解があり、双方のサービスが、異なる内容や料金で実施されているためにわかりにくくなっているようです。

市が関与している食事サービス

(1)内容の比較

図表3 市食事サービスと社会福祉協議会サービスの内容比較
  市サービス社会福祉協議会サービス
対象者 ねたきりや心身の虚弱のために調理や外出が困難な高齢者 社会福祉協議会会員
年齢・身体状況等についての規定なし
市負担額 112.4万円 999.4万円
配食数 昼食週1~2回
(月から金)
昼食・夕食希望回数
(月から土)
年間6,423食 年間30,439食
利用者数 95人 129人
1食あたり委託単価 1,200円 960円
利用者負担 500円 700円

(注) 市負担額・年間配食数は14年度実績数値
(注) 利用者数は14年度平均数値

  市の食事サービスの対象者は、ねたきりや心身の虚弱のために調理や外出が困難な高齢者に限定しているのに対し、社会福祉協議会の食事サービスの対象者は、高齢者に限らず、また、身体状況等についても限定していません。
 配食数は、市の食事サービスは平日の昼食のみを週2回までとしており、社会福祉協議会の食事サービスは月曜から土曜の昼食と夕食を希望するだけ利用できます。
 また、両サービスともに、食事を宅配する事業者の協力で利用者の安否確認の意味を含めて実施しており、市の食事サービスでは、在宅介護支援センターとの連携により、定期的に利用者の状況確認をして食事サービスの効果を検証し、他の在宅福祉サービスとの組み合わせなどによる総合的な支援を行っています。

(2)利用者の状況

 市の食事サービスの配食数は、平日の昼食のみを週2回までとなっているため、昼食の不足分や夕食、土曜の食事について、社会福祉協議会のサービスを利用することで補っている利用者もいます。平成14年度の市の食事サービス利用者のうち、社会福祉協議会の食事サービスを併用して利用している利用者は14人でした。

図表4 14年度食事サービス利用者の内訳

 社会福祉協議会の食事サービス利用者のうち、ほぼ毎日食事サービスを受けている利用者の内訳を、市の食事サービスと併用している利用者とそれ以外の利用者とで比較してみると、下の図表のようになります。

図表4 週5食以上利用者の内訳

  昼5食以上夕5食以上昼夕共5食以上
市サービス併用者(14人中) 4人(29%) 6人(43%) 1人(7%)
社協サービスのみ利用者(115人中) 27人(23%) 47人(41%) 18人(16%)

 市のサービスの対象とならない、比較的元気な高齢者にも利用ニーズが高い

市サービス併用者(14人中) 社協サービスのみ利用者(115人中)

 昼食・夕食をそれぞれ週5食以上利用している人の割合に大差はありませんが、昼食・夕食共に5食以上利用している人の割合は、社会福祉協議会サービスのみの利用者が、市サービス併用者の2倍以上となっています。市の食事サービスの対象とならない、比較的元気な高齢者にも、食事サービスのニーズが高いことが推察されます。

3. 食事サービス利用状況の推移

 市のサービス利用者は増加、社協のサービス利用者は減少傾向

図表6 食事サービス利用状況の推移

 市の食事サービスは増加の傾向にありますが、社会福祉協議会の食事サービスは、平成11年度以降、徐々に減少しています。

4. 宅配以外の形態での食事サービス

 高齢者に対し、すべての食事を宅配により提供することは、閉じこもりを助長する面もあることから、必ずしも望ましいサービスの形とはいえません。
 介護予防や要介護状態の悪化防止の観点から、単にすべての食事を宅配に頼るのみでなく、自ら調理する、自分で選択する、ホームヘルパーを利用する、外出する等の多様な食の形態により自立を支援することが望ましいと考えられます。

多様な食の形態による自立支援

宅配以外の形態で行っている食事サービスの実施状況をみてみると、宅配式の食事サービスが全市で実施されているのに対し、会食型の食事サービスは26市中4市のみの実施とまだ少数です。

会食型食事サービス実施市は26市中4市のみ

図表7 会食型食事サービスの実施状況(14年4月1日現在)

自治体名形態実施回数事業名実施主体
府中市 食事会 年2回
(8日間)
ひとりぐらし高齢者とボランティアのつどい (注)社協へ委託
調布市 会食方式 週1回 高齢者給食サービス 社会福祉協議会
会食+趣味活動 週1回 ふれあい給食 (注)社協へ委託
小金井市 会食会 年1回 ひとりぐらし等高齢者会食会 福祉会館
稲城市 会食会 月1回 老人給食サービス 社会福祉協議会

5. 今後の方向性

 食事サービスについては、在宅福祉サービスのいわば「定番」であり、どの市でも必ず実施しているという状況です。多摩市でも、市が実施主体となっているものと市からの補助金を受けて、民間の社会福祉法人である社会福祉協議会が実施主体となっているものとの2種類の食事サービスを実施しており、市民の目からはわかりにくい構造になっています。行政の守備範囲の観点からは、行政サービスとしての食事サービスは、行政が関与すべき範囲を精査していく必要があると考えられます。
 市の食事サービスは、対象者が寝たきり等で外出が困難な高齢者であり、週2回の配食では回数が不足していると考えられるため、段階的な回数の増加により生活援助型サービスとしての充実を図る必要があります。合わせて、現在は、他のサービスとの連携を重視する面等から、市の在宅介護支援センター併設の特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人に固定化している委託先について、サービスの水準を保ちつつ、将来的には、競争原理によるサービスの向上が図られるような基盤づくりを進めることが必要です。
 一方、社会福祉協議会で実施してきた食事サービスは、市の食事サービスの補完的役割を担ってきましたが、現在では多数の民間事業者やNPO等で同様のサービスを提供しており、市が社会福祉協議会のみに補助金を支出するのは公平性に欠け、民間の活動を圧迫しかねません。利用者の選択の幅を広げ、競争による質の向上をうながすためにも、市の補助金は廃止する方向で検討すべきと考えられます。
 今後は、多様なサービス提供主体の参入や、宅配による配食のみでなく、多様なサービス手法の導入などにより、競争による質の向上をうながす視点が重要です。

このページに関する問合せ先

企画政策部企画課
電話番号:042-338-6813 ファクシミリ番号:042-337-7658
Eメールでの問合せは専用フォームをご利用ください。

このページの先頭に戻る