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多摩市行財政診断白書 第2部各論編 第3章 重点検討対象事業(5)

最終更新日:平成20年3月31日

3. 5 公立保育所

ポイント

  • 多摩市には、公立・私立合わせて保育所(認可保育所*)が16園あります(15年4月現在)。うち、公立保育所は2園で、公立より私立保育所が多く、増加する保育ニーズにも一定の水準で対応しています。
  • 一方、3歳未満の低年齢児童の入所ニーズの増加や、一時保育、休日保育など多様化する保育ニーズには、公立保育所より私立保育所の方が柔軟に対応できる実態があります。
  • また、コスト面でも、公立保育所は私立保育所に比べて高コストとなっています。
  • 今後の方向性としては、入所ニーズの推移に留意しながら、公立保育所については、将来的な廃止も含め位置づけを抜本的に見直し、新たな子育て支援ニーズ(働いているいないに関わらず、子育て中の方が気軽に集まれ、相談や適切な指導、サービスや情報の利用等が可能な拠点づくり)への対応に向けた機能転換を図っていくことが望ましいと考えられます。

1. 定員数の状況など

 就学前児童(0~5歳児)100人に対して、保育所(以下、「認可保育所」をいう。)の入所定員人数がどのくらい確保されているかを他市と比較してみると、多摩市の定員数は、26市平均より高い水準にあります。また、他市と比較して、公立保育所より私立保育所の占める割合が高くなっています。

就学前児童100人に対する、保育所入所定員数は26市平均より高い

図表1 就学前児童100人に対する保育所定員人数

公立保育所より私立保育所が多い

図表2 公立・私立別保育所数

2. 多様化する保育ニーズと公立保育所の役割

(1)保育所入所児童数の推計

 保育所入所の対象となる就学前児童数は年々減少の傾向にありますが、保育所入所児童数は増加傾向にあり、入所ニーズは当面は一定程度増加することが見込まれます。

図表3 保育所入所児童数の推計

(2)低年齢児の入所ニーズ

 保育所入所の年齢別ニーズは一般に低年齢(3歳未満)児に高い傾向にあり、多摩市でも1、2歳の待機児童が目立って多くなっています。一方、3歳未満児の定員比率は、現状では公立保育所が最も低くなっています。

低年齢児の入所ニーズが高い一方、公立保育所の定員比率が低い

図表4 低年齢(3歳未満)児童入所状況(14年7月1日)
図表4 低年齢(3歳未満)児童入所状況(14年7月1日)

(3)多様化する保育ニーズ

 延長保育、一時保育、休日保育等、多様化する保育ニーズへの対応が求められています。多摩市の延長保育利用児童数の推移を例にとっても、利用児童数が着実に増加していることがわかります。こうした多様な保育ニーズへの対応について、公立保育所と私立保育所を比較してみると、公立保育所の利用が少なくなっています。

図表5

図表5 延長保育等利用状況(13年度)

3. コスト分析

 保育所運営に係る経費を公立・私立別に比較したものが図表6です。

図表6 保育所経費比較(平成13年度)

 入所児童1人あたりでは、公立保育所の方が私立保育所より月約5万円経費が多くかかっています。公立保育所の延入所児童数2,107人分では年間約1億円の経費の差となります。市の一般財源負担分に着目して同様に比較すると、公立と私立とでは国の保育単価(後述)が異なるなどのため、入所児童1人あたり月約6万8千円、年間約1億4千万円の経費の差となります。
 また、経費の多くを占める人件費の比較をみると、入所児童定員1人あたりの人件費は公立が私立の1.46倍となっています(図表7)。

図表7

図表7 人件費比較(平成13年度)

 さらに、公立・私立ともに同一水準のサービスを提供するための基準として国が定めている金額(保育単価等)で算出した経費と、実際にかかっている経費との比較を公立・私立別にみると、公立保育所で国基準の2.97倍、私立保育所で2.06倍となり、公立保育所の方が私立保育所より高コストとなっていることが見受けられます。

図表8 国基準をもとに算出した運営経費との比較(平成13年度)

4. 今後の方向性 ─公立保育所の果たす役割の再検討─

 これまでみてきたように、保育ニーズが多様化する中では、公立よりもむしろ私立保育所の方がニーズに柔軟に対応できる実態があります。また、コスト面で比較すると、公立保育所の方が私立保育所よりも高コストとなっています。
 多摩市には他市と比べて私立保育所が多くあり、一定の保育水準を保っていることからも、さらにその活用を図り、参入をうながしていくことが望ましいと考えられます。認可保育所と合わせて、平成14年度からは、都の制度に基づく私立の「認証保育所」も2園開設しています。
 こうした状況の中、公立保育所については、一層の効果的・効率的な保育行政の展開に向け、入所ニーズの推移に留意しながらも、将来的な廃止も含めその位置づけを抜本的に見直す必要があると考えられます。具体的には、新たな子育て支援ニーズ(働いているいないに関わらず、子育て中の方が気軽に集まれ、相談や適切な指導、サービスや情報の利用等が可能な拠点づくり)への対応に向けた機能転換を図っていくことが望ましいと考えられます。

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