多摩市行財政診断白書 第2部各論編 第3章 重点検討対象事業(8)
最終更新日:平成21年1月22日
3. 8 市立幼稚園
ポイント
- 学校教育法に基づき、幼児を保育し、適当な環境を与えてその心身の発達を助長することを目的として昭和40年度に開園しています。
- ニュータウン開発による幼児数急増の中、幼稚園数・園児数からも多摩市の幼児教育の中心は私立幼稚園が担ってきたとも言えます。(市立は1園のみ)
- 市立幼稚園を設置している市は26市中7市のみとなっています。
- 少子化の影響により、幼児教育の需要も平成元年をピークに減少してきています。
- 市内の私立幼稚園は一時期14園あったものが5園廃園し、現在9園となり、市立・私立を問わず定員割れの状況となっています。
- 私立は3・4・5歳の3年保育ですが、市立は4・5歳児のみの受け入れとなっています。
- 市民の幼児保育のニーズは時間延長など多様化してきています。
- 市立幼稚園の行政コストは、平成13年度決算で9,300万円となり、園児一人あたりの市負担額は約62万6千円となっています。
- 今後、幼児教育のあり方について、民間との協働(役割分担)という視点で市立幼稚園の廃止を含めた抜本的な見直しが必要と考えられます。
1. 整備水準
幼稚園の整備水準を幼稚園1園当たりの対象児童数(3歳~5歳児)で他市と比較すると、26市平均とほぼ同様で中位にあります。
公立は7市18園で全体の5.7%、私立は299園(26市)で全体に占める割合は94.3%となっていて、私立幼稚園が圧倒的に多い状況となっています。
公立と私立では、私立幼稚園の占める割合が94.3%(26市)


幼稚園1園あたり対象児童数は26市平均と同水準で中位

2. 市立・私立幼稚園園児数の推移(多摩市)
多摩市においては、昭和58年以降平成元年度まで園児数は上昇し、平成元年度をピークに減少しています。
幼児教育の需要は平成元年がピーク

3. 市立・私立幼稚園の定員と園児数
(1)幼稚園対象児童数は年々減少してきていて市立・私立幼稚園とも在籍園児数は定員を下回っています。
市立・私立幼稚園とも定員割れ


(2)一時期14園あった私立幼稚園は5園廃園し、現在9園と減少しています。
私立幼稚園は5園が廃園になり9園に減少
図表7 市立・私立幼稚園数
| 年度 | 市立 | 私立 | 計 |
| 昭和58 | 1園 | 14園 | 15園 |
| 昭和59 | 1園 | 14園 | 15園 |
| 昭和60 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 昭和61 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 昭和62 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 昭和63 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成元 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成2 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成3 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成4 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成5 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成6 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成7 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成8 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成9 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成10 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成11 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成12 | 1園 | 13園 | 14園 |
| 平成13 | 1園 | 10園 | 11園 |
| 平成14 | 1園 | 9園 | 10園 |
4. 幼児教育に対するニーズの多様化
私立幼稚園は3・4・5歳の3年保育ですが、市立幼稚園は4・5歳児のみの受け入れになっています。一方、延長保育をはじめ、預かり保育、給食、送迎など保護者のニーズは多様化してきています。私立幼稚園ではそのニーズに柔軟に対応してきていますが、市立幼稚園では、3歳児保育未対応も含め多様化するニーズに対する対応が大きな課題となります。
5. 市立幼稚園の行政コスト(運営等に係る経費)
市立幼稚園の運営等に係る行政コストは9,314万5千円で、園児一人あたりの市負担額は62万5,736円となり、保護者の負担額は9万1,760円となっています。また、人件費は全体の73.1%を占めています。
園児一人あたりの市負担額は62万6千円
図表8 平成13年度市立幼稚園行政コスト計算書

6. 行政の守備範囲
国の行政改革委員会策定の「行政関与の在り方に関する基準」(平成8年12月16日)に掲げられた基本原則の一つに『「民間でできるものは民間に委ねる」という考え方に基づき、行政の活動を必要最小限にとどめる。』があります。
市としても、行政と民間の活動領域の分担のあり方について時代に即したものに転換していくよう検討していくことが必要です。
7. 今後の方向性
今後、幼児教育のあり方について、民間との役割分担という視点で、市立幼稚園の果たしてきた役割や成果を踏まえ、多様なニーズに柔軟に対応可能な民間分野へシフトしていくことが望まれます。したがって、市立幼稚園の廃止を含めた抜本的な見直しを行い、総合的な子育て支援の観点からも、その時々の幼児教育の需要に適切かつ柔軟に対応が}れるよう転換していくことが望まれます。
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