多摩市行財政診断白書 第2部各論編 第3章 重点検討対象事業(9)
最終更新日:平成20年3月31日
3. 9 学校給食
ポイント
- 多摩市の学校給食は、共同調理場方式(センター方式)による完全給食で、現在三つの学校給食センターにより市立小中学校全校31校の給食を実施しています。
- 26市の学校給食実施状況は、センター方式、単独校方式(自校方式)、センター・自校方式併用、中学校はミルク給食(牛乳)のみ、給食未実施など様々です。また、調理業務を民間委託している市もあります。そして、小中学校全校完全給食を実施しているのは多摩市を含め14市と約半数となっています。
- 三つの給食センターは建設後それぞれ30年、26年、23年経過し、施設・設備機器の老朽化が著しく、安全衛生面からその対応を図る必要があります。また、児童・生徒数はピーク時の約半分に減少していますが、三つの給食センターで運営していることから、実態に合わせた効率的な運営が求められます。
- 食器については、メラミン食器*・ランチ盆から強化磁器食器*に変更する旨の請願が採択されていますので、強化磁器食器導入も早急の課題となっています。
- 行政コストは人件費が総額の55.3%を占め、児童・生徒一人当たりのコストは10万円となっています。
- 厳しい財政状況の中、給食業務のうち、調理業務については民間に委ねるなど他の手法も検討し、経費の削減が求められます。
- 老朽化した施設・設備等については、安全衛生の観点からも必要な改修を行い衛生的かつ安定した給食の供給を図るとともに、課題となっている強化磁器食器の導入が望まれます。
- 多摩市の学校給食について、総合的な見地から検討を加え改善を図る必要があります。
1. 多摩市の学校給食実施状況
多摩市の学校給食は、昭和43年に関戸学校給食センターを開設し、センター方式による完全給食を開始しています。その後、多摩ニュータウンへの入居に伴う児童・生徒数の増加に対応するため、昭和48年に永山第一学校給食センター、昭和52年に永山第二学校給食センター(同年関戸学校給食センター廃止)、昭和55年に南野学校給食センターをそれぞれ開設してきています。
現在は、三つのセンターで小学校21校、中学校10校に給食を提供しています。
(1)児童・生徒数の推移と給食数
増加し続けてきた児童・生徒数は、昭和61年をピークに減少しはじめ平成14年には1万381人となり、給食数も図表1のように2百万食を下回るほど減少しています。
児童・生徒数は昭和61年をピークに減少


(2)児童・生徒数の今後の推計
児童・生徒数は平成17年度まで減少し、その後微増の傾向を示していますが1万人前後を推移する見込みです。
児童・生徒数は今後も1万人前後で横ばい

(注) 平成15年度までは実績値(各年度5月1日)。16年度以降は普通学級児童・生徒数の推計
2. 他市の学校給食の状況
(1)26市の学校給食実施状況は、共同調理場方式(センター方式)、単独校方式(自校方式)、親子方式、センター・自校方式併用、中学校はミルク給食のみ・未実施などさまざまです。また、小・中学校全校給食を実施しているのは多摩市を含め14市と約半数となっています。

(注) 親子方式:2校による共同調理 (注) ミルク給食:給食内容が牛乳のみ
(2)類似都市(10市)のうち、小・中学校全校で学校給食を実施しているのは5市のみで、中学校ではミルク給食のみ、未実施のところもあります。


小・中学校全校給食実施は多摩市を含め26市中14市

3. 調理業務委託の状況
学校給食業務のうち、調理部門を民間に委託している自治体が近年増加傾向にあります。また、全国延べ316自治体について調査・分析し、報告書としてまとめた「公立と民間とのコストとサービス比較」(平成12年4月:地方自治経営学会)によると、学校給食の直営と民間委託とのコスト比較で、1食あたり経費は、民間委託の方が直営の半分以下(47.4%)となっています。
調理業務の民間委託は区部を中心に増加傾向(都内自治体)
図表8 平成14年度の状況



4. 学校給食関係職員の配置状況(センター方式実施自治体)
(1)栄養職員の非常勤職員数は区部・市部とも17%ですが、給食調理員(委託調理員を除く。)は区部では非常勤職員が57.5%、市部は31.5%と給食調理員は委託化とあいまって常勤職員の割合が少なくなってきています。

(2)26市のうち、センター方式で給食を実施している主な市と常勤の給食調理員一人あたりの対象児童・生徒数を比較してみると、多摩市は175人と少なく、他市より常勤の給食調理員が多いことがわかります。

5. 学校給食用食器について
学校給食用の食器については、昭和61年にアルマイト*からメラミン食器に変更して現在に至っていますが、市民の要望として、メラミン食器から強化磁器食器への変更を求める請願が議会において採択されていますので、その対応が急務となっています。
給食用食器をメラミンから強化磁器への請願「採択」等
- 「メラミン食器・ランチ盆の廃止を求める請願」
(2請願第7号平成2年9月18日受理)→ 平成2年12月20日採択 - 「給食センターの大規模化に反対し、速やかに強化磁器導入を求める請願」
(6請願第15号平成6年9月22日受理)→ 平成6年12月21日採択 - 「21世紀に相応しい学校給食用の食器及び食器具のあり方について」
(平成14年6月27日付多摩市立学校給食センター運営委員会 答申)
6. 行政コスト(運営等に係る経費)
三つの給食センターの平成13年度における行政コストは、10億7,400万円で、そのうち人件費が55.3%を占め、次いで委託料等の物件費が31.6%となり、合わせてコスト総額の86.9%を占めています。委託料の主な内容は給食配送業務、ボイラー運転業務等です。児童・生徒一人あたりの行政コストは10万円、一食あたりの行政コストは541円となっています。なお、給食費会計は私費会計(市の歳入・歳出予算によらない独自の会計)のため、この行政コスト計算書に反映されていませんが、給食費(保護者負担額)が4億500万円程あります。保護者の負担は、児童・生徒一人あたり約3万8,000円で、一食あたり204円となっています。
児童・生徒一人あたりの行政コストは10万円

7. 現有施設の有効活用と運営費削減
厳しい財政状況の中、老朽化した施設・設備の対応については現給食センターを最大限有効活用し、今後の児童・生徒数に見合った必要最小限の施設内容に改善し、運営方法についても、給食の質を落とさずに運営に係る経費の削減を図るなど工夫する必要があります。
8. 今後の方向性
現在、学校給食は市の職員が直接従事して給食を提供していますが、小学校は年間180食という状況と行政の効率化という観点からも、給食業務のうち、調理業務については民間に委ねるなど他の手法も検討し、経費の削減を図っていく必要があります。
近年、東京都の区市においてもx玲的な運営を図るため、調理業務を民間委託する自治体が増加傾向にあります。委託した場合、経費削減効果のみならず多様な献立内容への対応が可能となるなど、より弾力的な運営が期待できます。
また、老朽化している施設・設備等については、安全衛生の観点からも時代にマッチした改修・改善を行い、衛生的かつ安定した給食の供給を図る必要があります。加えて、従来から課題となっている強化磁器食器の導入についてもその対応が望まれます。
このように、学校給食は多くの課題をかかえていることから、老朽化した施設・設備の改修をはじめ、効率的な運営方法、新たな食器の導入、残菜量を踏まえた学校給食の質など、多摩市の学校給食のあり方について早急に検討し、改善を図る必要があります。
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