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令和2年度 市長コラム「多摩の風」

[2021年3月31日]

ID:10820

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多摩の風96 「知の地域創造」目指して

 ノンフィクション作家であり文字活字文化にも造詣が深い柳田邦男さんに多摩市の図書館基本構想に携わっていただいてから、まもなく5年の月日が経とうとしています。
 今月10日、多摩中央公園で中央図書館の樹木伐採起工式が行われます。市民の長年の想(おも)いと柳田さんが熱く語る「知の地域創造」の拠点づくりのスタートです。
 4月は、本を愛する人には特別な月かもしれません。4月23日は、「サン・ジョルディの日」と呼ばれ、スペイン・カタルーニャ地方で始まった親しい人に本を贈るという「世界図書の日」です。「本の日」とも呼ばれます。
 日本では、この日から5月12日までは「こどもの読書週間」となっています。電子図書館、デジタルアーカイブが始まった多摩市立図書館のホームページもぜひご覧ください。
 ところで今年は、市制施行50周年の年です。「本の日」をきっかけに、改めて私たちの暮らしや生き方を振り返ってみませんか。
 先を見通せないコロナ禍だからこそ、図書館や書店で、自分探し、あるいは新たな世界との出会いも見つけられるかもしれません。
 柳田さんは「公園のベンチで緑陰読書を楽しむ」さらに「地域に開かれた活動の拠点」として市民による「知の地域づくりを」と力説されています。一緒に私たち一人ひとりの夢を実現しませんか。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風95 「緒方貞子の言葉から学ぶ」

 「乗り越えるためにあるの。危機とか難局というものは」こう語るのは元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんです。令和元年に92歳で亡くなられるまで世界の人権・平和に尽くされました。現在のコロナ禍に対し、緒方さんであればどう行動したでしょうか。
 「正しく恐れる」ことの難しさを痛感する日々です。この感染症は、人と人との交流、特に飛まつが飛び交う際、そして接触などでウイルスがそっと体内に忍び込むようです。しかも、無症状の陽性者が特に若い方に多く、もしかしたら自分も陽性者かもしれないと自覚した上で行動することが求められるという、大変厄介なウイルスです。
 先月、衝撃が走ったのは都内で自宅療養中の方が相次いでお亡くなりになり、さらに子どももいらっしゃる方が自らを責め命を絶ったというニュースです。
 とても残念であり、悔しくてなりません。感染し陽性となった方を温かく見守っていきましょう。感染を責めないでください。東京都と連携し自宅療養者の皆さんを精一杯支援していきます。
 福岡のカレー店からスタートした一人で黙って食べるという「『黙食』のススメ」が全国に拡がっているそうです。いろいろ知恵を出し合い「正しく恐れ」ていきましょう。
 「大切なのは苦しむ人々の命を救うこと」緒方貞子さんの言葉です。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風94 「炭治郎の一言に気付く」

 「頑張れ炭治郎頑張れ!」※
 今話題の「鬼滅の刃」のワンシーンです。凄いことになっていますね。依然大ヒット中です。視聴に際して視覚や聴覚に障がいのある方も楽しめる工夫がされています。
 10月30日から映画館では「HELLO! MOVIE」アプリをインストールした携帯端末であれば音声ガイドで。また、専用眼鏡による日本語字幕上映で、それぞれ楽しめるようになりました。このような仕組みをバリアフリー映画と言うようですが、日本で初めて全国的な配給映画で実現したのは2016年に上映されたルフィーが登場するアニメ「ONE  PIECE FILM GOLD」でした。
 12月3日からの1週間は障害者基本法に基づく「障害者週間」です。今年の7月「多摩市障がい者への差別をなくし共に安心して暮らすことのできるまちづくり条例」が施行。当事者をはじめ市民の皆さんの想(おも)いを結集し、多摩市ならではの条例として成立しました。成立後、初めて迎える障害者週間は、とりわけ障がい者の皆さんにとって感慨深い週となるものと思います。
 コロナ禍で予定していた記念行事や啓発活動も中止となりましたが、人間誰しも一人ではありません。相互に理解し助け合う心が大切です。
 炭治郎は言います。「一番弱い人が一番可能性を持ってるんだよ」※と。
※出典:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』(集英社)
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風93 「春は必ず来る」

 YouTubeでオンライン動画を楽しむ光景も普通になってきましたね。先月、多摩中学校の運動会を私もオンラインで観戦しました。ちょうど200m走の最中でしたが、生徒の皆さんの歓声もよく聞こえ、観客がいないせいかグラウンドは広く感じました。
 多摩市でも多くのイベントが中止に。何とかしたいと11月7日、市制施行50周年のプレイベントとして「オンライン文化祭」を開催することになりました。小・中学生の吹奏楽演奏や盆踊り、サプライズ企画などもあるようです。
 大学生も大変です。「スーツ着て 向かった先は ディスプレイ」「Wi-Fi(ワイファイ)の 調子で決まるよ 人生が」第一生命保険が発表した来春採用学生を対象とした「これからサラリーマン川柳コンクール」優秀作品の一句です。秋授業もオンライン。実習や学生同士の語らいは一体どこへ。
 9月からスタートした多摩市子ども・若者総合支援条例検討委員会の冒頭、私は、コロナ禍で大人は子ども・若者を縮ませているのではないか。子どもの権利の原点に立ち返るべきと話しました。
 多摩市は、コロナ禍で奮闘する子ども、若者へのエールとして、18歳以下の皆さんには図書カードを、受験・就職を控えた中学3年生と高校3年生相当の皆さんにはさらにクオカードをお送りします。ぜひご活用ください。
 「春は必ず来る」ことを信じて。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風92 「絵本「やとのいえ」出版!」

 多摩丘陵そして開発以前から住む人々の変遷を描いた美しい絵本に出合いました。先ごろ出版された「やとのいえ」(偕成社)です。
 今から百五十年ほど前の明治元年。なだらかな丘と谷が続く谷戸という地形を開いた村に、一軒のかやぶき屋根の家が建つところから話は始まります。絵本の語りはこの家を見続けた16体の「羅漢さん」たち。明治、大正、昭和、高度経済成長期の多摩ニュータウン開発、そして現代が描かれます。
 私はこの絵本を読んでいて、幼い頃、母がよく読んでくれたバージニア・リー・バートンの「ちいさいおうち」を思い出しました。
 丘の上の小さな一軒家が都市開発により、喧騒とした都会に変貌。おうちは寂しい気持ちになるという話。その後、移築されかつての静かな日常を取り戻します。
 さて、「やとのいえ」の作者の八尾(やつお)慶次さんは相模原市橋本生まれ。平成25年にイタリアで開かれたボローニャ国際絵本原画展に「羅漢さん」で入選。その緻密な描写は見る者を惹きつけます。
 また、監修を引き受けられた多摩市文化振興財団・学芸員の仙仁径(せんにけい)さんは古い文献や古老への聞き取りなどを通し八尾さんが描く作品をバックアップ。当時の暮らし、風景などの細部が見事に再現されています。
 「かやぶき屋根の家」「羅漢さん」の行く末は。ぜひご覧ください。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風91 「#あちこちのすずさん」

 アニメ「この世界の片隅に」は、戦争中の庶民の何気ない暮らしを描いた映画です。主人公のすずさんは、18歳で結婚し広島から呉市に。
 戦後75年を迎えた今年の夏に、NHKや各地の新聞社が「#あちこちのすずさん」という特集を行いました。
 私の義母には10歳くらい離れた兄がいました。結婚し岩手を離れ大阪で新生活。子どもも誕生。昭和20年2月、その家庭に1枚の赤紙が。兄は出征兵士として中国・満州へ。その後、8月15日、日本は無条件降伏。戦争は終わります。しかし、待てど暮らせど兄は帰還しません。ソ連は旧満州国境を越えなだれ込み、旧満州・千島・樺太などで従軍していた約57万5千人もの日本兵を捕虜としてシベリアなどに強制抑留。10年以上にわたって極寒の地で強制労働。約5万5千人もの命が奪われ、遺骨さえ故国に戻らない人々が大勢いました。兄もその一人に。
 15年程前、遺骨が帰還したとの報が入り、義母はその後、毎年のように千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れ、花を手向けてきました。末っ子だった義母は兄に殊の外、可愛がられ育ったようです。
 8月23日にシベリア抑留者の追悼式が千鳥ヶ淵戦没者墓苑で行われ、初めての試みとして犠牲者の名前が3日間にわたりオンラインで読み上げられました。
 身近なすずさんの想い、伝えていきませんか。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風90 「暑中お見舞い申し上げます」

 いよいよ夏本番。いかがお過ごしでしょうか。全国的に飛び火している新型コロナウイルス感染症の実態はどうなのか、専門家の先生もいろいろのようです。
 東京型、埼玉型と変異し、感染力は強いものの弱毒化したとの説もあります。一方でいつ猛毒化するのかも分からないと。何しろ未知のウイルスですから。
 GoToトラベルキャンペーンはもっと落ち着いた時期にとの声。私も同感です。ただ、若者や高齢者の団体旅行は遠慮してとのフレーズは気になります。
 残念ながら本市でも修学旅行の実施は厳しい状況です。政府として感染症対策やPCR検査などを組み合わせて万全の配慮で臨めないものか。あまりに悔しい。もっと英知を絞れないでしょうか。観光や飲食店など地域経済への支援という視点だけでなく、子どもたちの成長や夢実現という眼差(まなざ)しで考えられないかと。
 遠出が難しい状況の中でジャブジャブ池など市内の公園も大事にご利用ください。市民の命と暮らしを守るのが地方政府の仕事です。
 正しく恐れるためには、分析できる情報も必要。東京都へは感染者数の公表は人権に配慮しつつ対策をとれる内容をと要望しています。PCR検査の拡充や複合災害への備えも必須です。
 水分補給など熱中症には十分お気を付けください。くれぐれもご自愛のほどを。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風89 「多摩市気候非常事態宣言」、「障がい者差別解消条例」、市議会で可決

 6月開催の多摩市議会定例会で、約18億円の新型コロナウイルス感染症対策補正予算と併せ、大変重要な二つの議案を全会一致で可決いただきました。
 一つは都内自治体では初めてとなる「多摩市気候非常事態宣言」。世界では千を超える政府機関・自治体が、国内でも昨年9月に壱岐市が宣言しています。多摩市の特徴は市と市議会が一緒に宣言したことで、地球の気候危機を市民全員と共有し、その原因であるCO2を2050年までに排出実質ゼロを目指すことと併せ、使い捨てプラスチックの削減、生物多様性の保全を盛り込んだ視点です。
 もう一つは「多摩市障がい者への差別をなくし共に安心して暮らすことのできるまちづくり条例」。検討市民委員会を立ち上げ1年にわたり議論しまとめました。長い間、差別と闘い、当たり前に暮らしていくことを願う障がい当事者の皆さんの思いが詰まった条例です。一語一語、丁寧に作り上げてきました。
 新型コロナウイルス感染症と向き合う時代だからこそ、この宣言と条例が持つ意味はさらにその重みを増していると感じています。
 何よりもかけがえのない地球のために。そしてあらゆる差別と偏見をこの世からなくすために。誰一人取り残さない社会を目指して。
 (多摩市長 阿部裕行)

多摩の風88 「ステイセーフ」の時代

 「ワンワン」ともう吠えなくていい。「ステイホーム」って言われるとそう反応したくなる自分に苦笑い。
 もう一つ。打ち勝つのではなく、「Withコロナ」。新型コロナウイルス感染症の弱点を知り、共生しながらの新しい時代です。
 緊急事態宣言が解除されても、ウイルスが消滅した訳ではありません。
 感染症対策への市の取り組みや特別定額給付金、学校再開など、分かりやすく皆さんにお伝えしようと、4月初旬にYouTube「多摩市公式チャンネル」を開設し、毎週のように動画による市長メッセージをお届けしてきました。
 このチャンネルでは、児童館職員による親子で楽しめる遊びや料理教室、介護予防体操「元気アップトレーニング」、保健師たちによる子育てや家庭で悩む親たちへのメッセージ。
 さらには国士舘大学学生による自宅でできる体操教室、「せいせき鼓桜・太鼓連」や「多摩演劇フェスティバルたまには芝居」の皆さんからのメッセージなど。盛りだくさんの動画の数々で皆さまのご視聴をお待ちしています。これからもお楽しみください。
 全世界の人々が接種できるワクチン開発、安心して服薬できる医薬品などが普及するその日までお互い気を付けて暮らしていきましょう。「ステイホーム」から「ステイセーフ」へ。
 (多摩市長 阿部裕行)

多摩の風87 小説「ペスト」に学ぶ

 アルベール・カミュの「ペスト」が今、再び読み直されているそうです。ペストの蔓延(まんえん)で多くの命を失い、都市封鎖の中で不条理と向き合う人々を描いた作品です。作中には、恋人に会いに町から脱出するため、ペストでないと証明してほしいと医師に迫るシーンがあります。翻って「新型コロナウイルス感染症」でも、発熱している・せきが続く・味覚が分からないなどの症状があってもなかなか検査してもらえないとの声があります。多摩市内でもじわじわと感染が広がっています。かかりつけの医師などの判断で、PCR検査を受けられる仕組みをつくろうと、多摩市医師会などと連携し取り組んでいます。
 一方で「ペスト」でも描かれていますが、感染者を排除したり、分断する空気を感じます。私も含め、この感染症に誰が感染してもおかしくありません。自分の近くで感染者が発生しても、どうか温かく見守ってください。感染者や感染の場となった会社や事業所を責めても、何も解決しません。また、医療従事者の方々も感染リスクと向き合い診療活動を続けています。
 小説の中では、市民の有志が保健隊をつくり、絶望的な状況の中で「誠実」や「勤労」を大事に、希望を求め闘う描写があります。私たちも、正しく怖がり相互に助け合い連帯し、闘っていきましょう。
  (多摩市長 阿部裕行)

多摩の風86 「正当にこわがること」

 物理学者であり随筆家の寺田寅彦は「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしいことだ」と述べています。
 自然災害への警句ですが、よくよく考えてみれば寺田寅彦は1918年~1919年にかけて、政治学者のマックス・ウェーバーをはじめ世界で5千万人もの人々の命を奪った「スペインかぜ」の猛威も目撃していたはずです。
 当時の新聞(東京日日)には「感冒流行に乗じ 口蓋(マスク)の馬鹿値上」との見出しが躍り、市内の状況とともに、家庭でできるマスクの作り方、小学校閉鎖など、現代とよく似た光景が報じられています。また、内務省衛生局は「流行性感冒予防心得」として次のように説きました。
〇病人または病人らしい者、咳する者に近寄ってはならぬ
〇たくさん人の集まっているところ(芝居、活動写真、電車など)に立ち入るな
〇人の集まっている場所では必ず呼吸保護器(マスク)をかけ、それでなくば鼻・口をハンカチ・手ぬぐいなどで軽く覆いなさい
〇病に罹った場合はすぐに休むこと、などなど
 100年前の話ですが、公衆衛生のイロハはあまり変わっていないようです。翻って現代。一日も早い終息を願い、「正当にこわがること」を心掛け、まずは手洗いから。
  (多摩市長 阿部裕行)

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