令和4年度 市長コラム「多摩の風」

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ページ番号1004485  更新日 2023年3月16日

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多摩の風110 若者たちが描く多摩市の未来

先月、パルテノン多摩で、多摩大学附属聖ヶ丘高等学校に通う高校生と東京工業大学の学生に、若者たちが描く多摩市の活性化策についてプレゼンをしていただきました。

高校生からの提案の一つ目。多摩市の公園について市民にインタビューしたところ、「子どもが遊ぶ遊具がない」という回答が圧倒的に多く、「公園に期待していることが行政と市民とで違うのではないか。この大いなる勘違いを是正しては」との提案。

次に、多摩センター駅周辺で「あったらいいな」のアンケートを行ったところ、最も多かったのがカフェ、次に子どもの遊べるスペース、飲食店と続くとのこと。そこで、朝・昼・夜と客層のターゲットを時間で変えるカフェを創っては、との提案。

三つ目は、多摩市は都内でも公園などの環境が充実しているが、もっと「歩くことが楽しい街になってほしい」との提案。例えば、ゴミ捨てに遊び心を加えた仕掛けをして、聖蹟桜ヶ丘を楽しくゴミを捨てられる街にするなど、他市に誇れる街にしてはと。

最後に大学生から「多摩’s be ambitious」という提案。選挙時にテーマごとに話し合える選挙小屋を街角に設置するノルウェーに倣い「坂や階段が多く移動しにくい」「地域住民の関りが薄い」など、市内各地でスピーチやトークができるまちづくりをしては、と。

なるほどと頷うなずきつつ、若い皆さんの夢のある提案をどう実現できるか考えていました。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風109 「Re-食器」でエコな食卓

不要になった陶磁器製の食器を粉砕し、再び資源として粘土に混ぜ直し、蘇らせた食器を「Re-食器」と呼んでいます。

先月、多摩ニュータウン環境組合を構成している八王子・町田・多摩の市議会議員と各市の清掃事業担当の部長などと一緒に、岐阜県多治見市・土岐市・瑞浪市で食器リサイクル事業に取り組んでいる工場や工房などを見学してきました。

使っていて割ってしまった食器や買い替えでいらなくなった食器などが、家の中に眠っていませんか。

回収した食器は、美濃焼の産地に運び、まず粉砕工場で粉状に。この粒子を20~50%ほど混ぜたリサイクル陶土を作製。そして、皿や器としてクールに再生。といった分業により、「Re-食器」は造られます。

ガラス製食器など再利用できないものもあるため、多摩ニュータウン環境組合「エコにこセンター」は、八王子・町田・多摩の三市に居住し、直接ご持参いただける、ご家庭で不用になった食器に限り回収しています。

この取り組みは、もともと美濃焼の原料となっている粘土が長年の採掘により枯渇してきたこと、土に還らない食器は埋め立てない、といった自然への環境愛からスタートしました。

陶磁器の製造過程で発生した削りくずなども100%生かしきるなど「もったいない」という意識を大切にしています。

この「Re-食器」はエコにこセンターで購入できます。地球環境に優しいエコな一品です。

(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風108 マスクの着脱は臨機応変に

渋谷駅の忠犬ハチ公の銅像にマスクが着けられたというニュースを覚えていますか。

令和2年4月8日は、ハチ公の死を悼む85年目の慰霊祭の日だったそうです。しかし、新型コロナの感染拡大の影響で中止に。この日、誰かがハチ公像の口元にマスクを着けたというのです。

渋谷区は、無許可でハチ公像に展示物を着けることを禁止しており、区の観光協会が撤去したというニュースでした。

その頃、国内各地で銅像やアニメなどのキャラクターにマスクが着けられるという話が話題となっていました。北海道真駒内公園滝野霊園に立つ5体の大きなモアイ像にもマスクが。

「モアイも予防」と感染防止活動の一環だったそうです。

神戸では、神戸ハーバーランドに立つエルビス・プレスリーに。銀座三越のライオン像もマスクを着けてお客様をお出迎え、というニュースも目にしました。いずれも今は、どうなっているのでしょう。

ちなみにサンリオピューロランドにお住まいのキティちゃんは、コロナ禍、再開館した時、お顔にマスクをちょこんと着けたこともあったとか。いまは、多摩センターで元気いっぱいのキティちゃんに会えますよ。

さて、感染状況が収まっている時期でもあり、そろそろ屋外ではマスクを外しませんか。私も徒歩での通勤時や屋外では極力外すようにしています。子どもたちにも屋外では思いっきり走り回ってほしいですし。臨機応変に対応していきませんか。

(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風107 救急隊員たちの熱い夏

オミクロン株対応のワクチン接種も始まりました。第8波の流行を防げるとよいのですが。

さて、本年7月~8月にかけての第7波による感染爆発で、国内の医療・救急体制は危機的状況となりました。第7波は、子どもたちをはじめ若年層に感染者が多かったこと、65歳以上の高齢者の救急搬送が困難であったことが特徴でした。

先月、多摩消防署を訪問し、宮本和敏署長と救急隊員の皆さんから今夏の状況を伺ってきました。救急隊員の皆さんは、何とか医療につなげようと必死に日々対応していたそうです。

救急車には3人の隊員が乗車し、ピーク時は1日4隊で出動。発熱患者を自宅などから病院に搬送し帰署するまで、コロナ以前と比較し平均で40分以上長い2時間以上もかかったそうです。1隊の出場件数は1日約10件のため、合計出動時間は20時間と、ほぼ丸1日に達したとか。

東京消防庁管内では、7月1日~8月14日の間に、3時間以上かけても病院にたどり着けなかった救急要請者数が750件にも上りました。多摩消防署管内でも、3時間以上となった困難事案は7件。中には10時間を超え、必死に受け入れ先を探したケースもあったそうです。

救急隊員たちは全身を防護服で覆いN95マスクを着用。熱中症に気を付けながらも、飲み物は一切、口にできなかったとか。まさに体を張っての真夏の救急搬送の日々。私は話を聞きながら改めて敬意と感謝の気持ちで一杯になっていました。

(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風106 「いざ」自然災害に備える

東北や北日本などを襲った豪雨被害。収穫を間近に控えたリンゴ畑や実り始めた稲穂が濁流に飲まれ、呆然と立ち尽くす生産農家の方々、床上浸水で家財を失った方々の胸中を思うと、とても苦しく心が痛みます。

地球温暖化は私たち人類に非情とも呼べる牙を向け始めました。

災害を最小限に抑え、災害時に備えるには、警察・消防などとの連携とともに、消防団などの地域を支える皆さんの活動、そして市民一人ひとりの取り組みが欠かせません。

日々の仕事と生活と団活動。多摩市消防団の皆さんに改めて敬意と感謝を申し上げます。また、地域の自主防災組織の皆さんにも感謝、感謝です。

先月、さいたま新都心で国土交通省関東地方整備局長とお会いし、多摩川関戸橋の工事の進捗に感謝すると共に、減災対策と災害時の対応をお願いしてきました。

気象庁の東京管区気象台気象防災部の方とも、河川氾濫・土砂災害など警報が発令された際の手順ならびに災害時の携帯電話での情報共有について改めて確認しました。

都の関連部局とも同様の情報交換を定期的に行っています。

多摩直下型地震を含め、河川の氾濫・突風・雷雨・大雪など災害は、いつ襲ってくるか分かりません。

今号は漫画を取り入れた災害特集として編集してみました。「いざ」という時に備え、家族・職場・地域・友人と必要な情報を共有しておきませんか。

災害は忘れた頃にやってきます。

(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風105 市制施行50周年とICANのバラ

先月の23日・24日に、グランドオープンしたパルテノン多摩で、市制施行50周年記念イベントを開催しました。式典では、地域や市民の心豊かで平和な暮らしを支えてきた、子育て・教育・福祉などの団体や、企業・商店など500近い団体の皆さんに感謝状を贈呈しました。

多摩市は、市制が施行された1971年に諏訪・永山団地への第一次入居が始まり、多摩ニュータウンの開発と共に人口が急増する中、多くの市民が主体的にまちづくりに関わり、成熟したまちへと発展してきました。

改めて、まちづくり・市民活動にお力をいただいた皆さんに感謝申し上げます。

また、今回は「多摩市平和展」の開催とも重なり、24日には、2017年にノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーンにちなんで「ICAN」と名付けられた平和のバラの贈呈式と俳優のサヘル・ローズさん、ICAN国際運営委員の川崎哲さんのトークイベントも行われました。

サヘル・ローズさんからは、ローズという名前に込められた母国イランでのバラの持つ意味やご自身が戦争孤児であったこと、ウクライナをはじめ世界中の戦争で多くの犠牲者・戦争孤児が生まれていること、平和がいかに大切であるかなど、熱く語っていただきました。

平和のバラは、市内9つの中学校に贈呈されました。50周年の歴史に核兵器廃絶の願いも込め、次世代にその想いを引き継いでいきます。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風104 「平和な国」アイスランド

多摩市は東京オリンピック・パラリンピックでアイスランドのキャンプ地となったことを縁に交流を続けています。

アイスランド共和国は、オーストラリアのシドニーに本部を置く、経済平和研究所が公表する「世界平和度指数ランキング」で2008年から不動の1位を保ち続けています。ちなみに最新の2022年のランキングでは、日本は10位となっています。

武力に頼らない平和な国アイスランドは、男女平等指数でも連続12年世界のトップを走り続け、エネルギー分野でも100%近くを地熱・水力など再生可能エネルギーで占める環境先進国です。

先月、6月17日は、アイスランドが1944年にデンマークから独立して77年目の記念日でした。このナショナルデーに合わせ多摩市の学校給食で「タラとジャガイモのグラタン」などアイスランドの家庭料理を子どもたちに提供しました。美味しかったかな。

ところで、7月23日に市制施行50周年を祝う記念式典をパルテノン多摩で開催します。小池百合子東京都知事、長野県富士見町の皆さんの他、アイスランドのステファン駐日大使にもメッセージをいただきます。

さて、「世界平和度指数ランキング」の対象163国のうちロシアは160位、ウクライナは153位でした。世界の緊張度は高まっています。軍隊を持たないアイスランドから学ぶべきことは多いと思う日々です。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風103 多摩の歴史さんぽ

市内をウオーキングする際にお薦めの冊子が誕生しました。

市内に大松台小学校がありますが、その名前の由来、ご存じでしたか。現在の鶴牧中学校あたりに、大きく立派な黒松があったそうです。残念ながらこの黒松は、約90年前の昭和8年(1933年)、落雷により枯れたと言われています。

当時、見晴らしの良い場所にあったこの黒松を「大松」と呼び、村人が集まる運動場にもなっていたようです。

この「『大松台』の由来」をはじめ30もの話をまとめた冊子「多摩の歴史さんぽ」は、からきだ菖蒲館開館10周年記念として、今春、唐木田コミュニティセンター運営協議会から発行されました。

著者は、このからきだ菖蒲館の広報紙「ハロー」に5年にわたり連載されているパルテノン多摩学芸員の橋場万里子さんです。

地元の歴史がよく分かり、「健幸まちづくり」にもふさわしい一冊です。からきだ菖蒲館、パルテノン多摩、丸善多摩センター店で、頒価300円で販売しています。

さて、私は、4月の市長選挙で再選を果たしました。初心を忘れず、平和・人権・環境を基軸に「誰一人取り残さない」多摩市を目指し奮闘してまいります。引き続きのご支援よろしくお願いいたします。

一番の気がかりは、ロシアのウクライナへの軍事侵攻です。戦争は絶対にしてはなりません。一日も早くウクライナに平和を、と祈る日々です。
(多摩市長 阿部裕行)

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