令和3年度 市長コラム「多摩の風」

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ページ番号1004486  更新日 2023年3月16日

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多摩の風102 沈着冷静な行動を

ワクチン接種券は届きましたでしょうか。2月5日時点で昨年8月31日までに2回の接種を終えられた約8万5千人の皆さんに接種券を送付しました。

多摩市は、接種後6カ月を経過したところですべての希望者が3回目の接種が受けられるよう、順次接種券をお送りしています。市内3カ所の集団接種会場の他、36カ所の診療所でもワクチン接種を受けられるよう開始していきます。

一方で、感染爆発により既にご自宅で療養中の方、外出に不安を感じている方も多いと思われます。今回のオミクロン株は、肺炎を併発するなどの重症化は少ないようですが、基礎疾患をお持ちの方、ご高齢の方はご心配のことと思います。

新型コロナウイルス感染症との闘いも2年を超えました。医療従事者の皆さん、社会のインフラを担っているエッセンシャルワーカーの皆さん、改めて日々の献身的なご努力に感謝申し上げます。

市は、医師会をはじめ多くの皆さんのご協力によりPCR検査、ワクチン接種、自宅療養支援など懸命に行動しています。

引き続き感染拡大から身を守るため「たくさん手洗い、まめに換気、しっかり消毒」そしてマスクの着用をお願いします。

ただし、受けたくてもアレルギー症状などにより接種を受けられない方、またマスク着用が難しい方もいらっしゃいます。差別のない社会を創(つく)っていくためにも沈着冷静な行動をお願いします。必ず春は来ます。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風101 タイムカプセルへの想い

11月3日、市制施行50周年を祝うかのように晴れ渡る秋空の下、永山北公園で、40年前に埋められたタイムカプセルの発掘と30年後に開けるタイムカプセルの埋蔵を行いました。

当日は、かつて児童館で手形、めかい、折り紙などの作品を作り、いまや立派な大人となった当時の子どもたちと、市内10館の児童館で感染予防をしながら作品を作った現在の子どもたちが公園に集まりました。40年前のタイムカプセル式典で司会を務め、今回もご出席いただいた音楽家の髙山佳子さんは、「造成されたばかりで樹木もない原っぱのような公園で式が行われ、今日、司会をしている三浦摩利さんは多摩ファミリーシンガーズの一期生としてこの場で私と一緒に歌っていました」と当時を振り返り、「地球に優しく平和な社会を」と挨拶されました。

新たなタイムカプセルには、子どもたちのメッセージが書かれたマスクや未来への手紙などが収められ、私もDVDの動画メッセージを収納しました。マスクに込めた想い、未来にどう伝わるでしょうか。

私は「このタイムカプセルを発掘する30年後の2051年。私たちの二酸化炭素排出削減や脱プラスチックの取り組みを実らせ、持続可能な多摩市の未来に繋ぐため気候危機から地球を守りましょう」と挨拶しました。

かつての子どもたちは親となり、子どもと一緒に自分で作った作品に見入っていました。30年後の未来、この光景が再現されることを祈って。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風100 50周年のカウントダウン

来月の11月1日、多摩市は「市制施行50周年」を迎えます。多摩町から多摩市へ。富澤政鑒(まさみ)初代市長は「『太陽と緑に映える都市』を目指し限りない繁栄を」と挨拶されています。

当時の「たま広報」に「社会の変ぼうには著しいものがありますが、いつまでも変わらないでほしいのが、わたくしたちの心に、やすらぎを与えてくれる、美しい自然環境ではないでしょうか」と記されています。私は、この文言にハッとしました。

多摩丘陵の原風景でもあった里山の美しい自然環境は、日本最大の宅地開発により赤茶けた地肌が露出した造成地へと変ぼうしつつありました。その後、団地の建設と共に公園や街路に樹木も植えられ、数十年を経て緑は大きく成長し現在に至っています。

本年の10月に創設20年を迎える「多摩グリーンボランティア森木(しんぼく)会」は、手が入っていない雑木林の荒れた状況に心を痛めた市民有志により、残された里山や公園緑地の保全活動を始めた団体です。このように多摩市は多くの市民の力に支えられ成長してきました。

50周年記念事業は、今年の9月から来年8月まで実施する予定で、すでに市民の皆さんの手による50周年関連の行事も始まっています。

あわせてこのコラム「多摩の風」も今号で100回を迎えることができました。ご愛読に感謝申し上げます。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風99 母なる大河の悲鳴

先月、市内の大栗川と乞田川で海洋汚染の原因となっているマイクロプラスチックを検出したとの報告を受けました。多摩市環境部が全国的調査に協力し行ったものです。調査は交通公園付近・新大栗橋付近・和田公園付近・多摩センター東通り付近の4地点で行われ、すべての地点で検出されました。

検出されたのは、人工芝・コーティング肥料・発泡スチロールなどと分析。私たちのまちを流れる身近な川にも流入していることが判明し、大変驚きました。

マイクロプラスチックとは5mm未満のプラスチックと定義され、海洋哺乳類や魚類などが餌と間違い摂取し、体内に蓄積されるなど生態系への影響は必至の状況です。海に流出しているプラスチックごみの量は世界中で年間800万トンという試算もあります。一刻も早く流出を止めなければなりません。

政府は無料配布のスプーン・ストロー・ヘアブラシなど12品目を来春から削減対象とする方針を示しました。

多摩市では、まずボールペンをはじめとしたプラスチックの記念品や公共施設などで使う傘袋などの使い捨てプラスチックの削減を進め、環境に優しい社会の実現を目指していきます。

今回の調査で、全国の河川でマイクロプラスチックが検出されました。事態は想像以上に深刻です。母なる大河の悲鳴に耳を傾けませんか。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風98 問われる「多様性と調和」

連日のアスリートの皆さんの活躍に拍手喝采です。

一方、体操女子団体でのドイツ選手の全身を覆うボディスーツ。惜しくも予選敗退となりましたが、私たちに改めてスポーツの意義、多様性の意味を知らしめてくれたように思います。女子サッカーなでしこの選手も含めピッチに片膝をつき人種差別に抗議するシーンも忘れられません。

開会式では五輪史上初めてミュンヘン五輪テロで倒れた選手への鎮魂をダンスで表し黙とうも行われました。

もうすぐ閉会式を迎える今回のオリンピック。多くの課題を残しました。緊急事態宣言下での「無観客開催」、猛暑の夏での開催、そして「多様性と調和」への日本側の理解不足も開会式をめぐり露呈しました。

とはいえ、多摩市を疾走した自転車競技ロードレースは長距離、チーム競技の面白さ、難しさも少し理解できた気もしますし、アイスランドの選手の皆さんには多摩市の空気を一瞬ですが共有いただきました。

開会式で聖火リレーに登場した土田和歌子選手は多摩市でトレーニングを重ねた経験豊富なトップアスリートで、今大会ではパラトライアスロンとマラソンに出場します。

アイスランドのパラ選手も多摩市でキャンプに入ります。日々報じられる感染拡大の数字に懸念はよぎりますが、パラリンピックに集う全ての選手の健闘を祈ります。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風97 AIによる予約専用ダイヤル

「五月晴れ」の空を見上げつつ、変異ウイルスの拡大に伴う日々の感染者数の増減が気になっている方も多いのではないでしょうか。
多摩市では5月6日(木曜日)、75歳以上の高齢者の方からワクチン接種の予約受け付けを始めます。65歳以上の方々は5月19日(水曜日)から開始します。
スマートフォンやパソコンなどでいつでも予約ができるWeb予約の他、AI(人工知能)を活用した自動応答の予約受け付けを導入します。ワクチン接種では全国初めての試みです。ヤフー株式会社から東京都副知事に転じた宮坂学さんにご紹介したところ「24時間応答可能でコールセンター機能がパンクしない仕組みはいいですね」ともお話しいただきました。
いつ、どこで接種を受けるのか、AIによる機械音声とのやり取りですが、本番で上手にAIに反応いただけるのかちょっと心配です。AIに敬語は必要ないのかもしれませんが(笑)。
改めてAIは「Artificial Intelligence(アーティフィシャル インテリジェンス)」の略で、「大辞林」では「学習・推論・判断といった人間の知能のもつ機能を備えたコンピューターシステム」と記しています。
膨大な情報を分析し流行を予測するなどAIの活用範囲は広がっています。一方、ニュース選択・商品購入など個人情報の収集の仕方に課題もあるようです。AIをどう使いこなしていくかですね。
(多摩市長 阿部裕行)

多摩の風96 「知の地域創造」目指して

ノンフィクション作家であり文字活字文化にも造詣が深い柳田邦男さんに多摩市の図書館基本構想に携わっていただいてから、まもなく5年の月日が経とうとしています。
今月10日、多摩中央公園で中央図書館の樹木伐採起工式が行われます。市民の長年の想(おも)いと柳田さんが熱く語る「知の地域創造」の拠点づくりのスタートです。
4月は、本を愛する人には特別な月かもしれません。4月23日は、「サン・ジョルディの日」と呼ばれ、スペイン・カタルーニャ地方で始まった親しい人に本を贈るという「世界図書の日」です。「本の日」とも呼ばれます。
日本では、この日から5月12日までは「こどもの読書週間」となっています。電子図書館、デジタルアーカイブが始まった多摩市立図書館のホームページもぜひご覧ください。
ところで今年は、市制施行50周年の年です。「本の日」をきっかけに、改めて私たちの暮らしや生き方を振り返ってみませんか。
先を見通せないコロナ禍だからこそ、図書館や書店で、自分探し、あるいは新たな世界との出会いも見つけられるかもしれません。
柳田さんは「公園のベンチで緑陰読書を楽しむ」さらに「地域に開かれた活動の拠点」として市民による「知の地域づくりを」と力説されています。一緒に私たち一人ひとりの夢を実現しませんか。
(多摩市長 阿部裕行)

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