テニスコート人工芝におけるマイクロプラスチック流出抑制対策について

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ページ番号1003856  更新日 2024年3月27日

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多摩市では、テニスコートで使用されている砂入り人工芝から発生するマイクロプラスチックの流出を抑制するため、人工芝を製造する複数の企業など、関係者と連携した取り組みを行っています。この取り組みを推進し、環境に配慮したスポーツ施設の管理運営に努めていきます。

マイクロプラスチック流出対策ガイドラインを策定

 マイクロプラスチック問題には様々な原因がありますが、人工芝もその一因となっているため、多摩市では令和4年度よりテニスコートにおけるマイクロプラスチック流出抑制対策について人工芝製造企業との連携により実証実験に取り組み、その結果をガイドラインとしてまとめました。多摩市では本ガイドラインに基づく取組を進めるとともに、多くのテニスコート管理者等関係者の皆様に本ガイドラインを参考としていただきたいと考えています。本ガイドラインについてご質問等あればお気軽にご連絡ください。このガイドラインが海洋プラスチック対策の推進と持続可能なスポーツ環境実現の一助になれば幸いです。

ガイドライン表紙

マイクロプラスチックとは

マイクロプラスチックとは、微細なプラスチックごみの総称で、5ミリメートル未満のものを言います。環境中に出てしまった使用済プラスチックはすぐには分解されることなく、河川などから最終的に海に流れ着きます。海の環境を汚し、海の生き物がこうした漂流ごみ(マイクロプラスチック等)をエサと間違えて食べてしまうなど、生態系への影響が世界的な問題になっています。
多摩市には人工芝によるテニスコートが設置されており、これらの人工芝もプラスチック製であることから、多摩市のテニスコートから発生したマイクロプラスチックが河川等へ流出することを抑制していくための取り組みを行っています。

スポーツ用人工芝の種類

 スポーツ用の人工芝には複数の種類があります。ロングパイルの人工芝は主にサッカー場などで使用され、芝丈が50~60ミリ程度あり、ゴムチップ等が充填されています。一方で、テニスコートで使用される砂入り人工芝は、芝丈が19mm程度で、砂が充填されています。なお、多摩市が設置居する公共スポーツ施設でロングパイル人工芝を使用している施設はありません。

写真:スポーツ用人工芝、ロングパイルとショートパイルの芝丈の比較

人工芝の摩耗によるマイクロプラスチックの発生

 プレーヤーがテニスコート内を移動する際のスライド負荷や紫外線による劣化で人工芝の表面部分が摩耗することによりマイクロプラスチックが発生する原因となっていることが考えられます。また、テニスボールの毛(フェルト)からも発生していることが考えられます。

写真:使用前の人工芝と、仕様により摩耗した人工芝の芝丈の比較。

写真:テニスボールから出るマイクロプラスチック

写真:排水溝に絡まるテニスボールの毛

人工芝メーカーとの連携による取り組み

ショートパイル人工芝でのマイクロプラスチック流出抑制対策については、全国的にも取組み事例が少ない状況にあります。そのため、多摩市ではスポーツ用人工芝を製造している企業と連携して実証実験等を行いながらテニスコートでのマイクロプラスチック流出抑制対策に取り組んでいます。

人工芝メーカーの住友ゴム工業株式会社と連携した取組み

住友ゴム工業株式会社と連携して、奈良原公園庭球場において、マイクロプラスチック発生量等の調査やマイクロプラスチック流出抑制対策の実証実験に取り組んでいます。

マイクロプラスチックに関する調査及び対策の実証実験

残存する人工芝の芝丈の長さをテニスコート内の複数地点で測定し、テニスコート全体から発生しているマイクロプラスチックの発生量を調査するとともに、主に次の流出抑制対策を実証実験として実施しています。今後、実証実験の効果等について検証を行っていきます。

  1. 排水溝内へのフィルター設置による流出防止
  2. 排水溝蓋へのフィルター設置による流出防止
  3. 集水桝へのフィルター設置による流出防止

写真:排水構内に設置された専用金物によるマイクロプラスチック流出防止フィルターの様子

写真:防球フェンスに設置されたマイクロプラスチック流出防止用の不織布の様子

人工芝メーカーの大嘉産業株式会社と連携した取組み

大嘉産業株式会社と連携して、多摩東公園庭球場において、マイクロプラスチック流出抑制対策の実証実験に取り組んでいます。

マイクロプラスチック対策の実証実験

テニスコートの人工芝から発生するマイクロプラスチックの流出抑制対策として、環境に配慮した自然素材を用いたフィルターを設置するなど、主に次の流出抑制対策を実証実験として実施しています。今後、実証実験の効果等について検証を行っていきます。

  1. 排水溝内各所への自然素材フィルター設置による流出防止
  2. 排水溝蓋への自然素材フィルター設置による流出防止
  3. 集水桝への自然素材フィルター設置による流出防止

写真:排水溝内に設置された自然素材フィルターの様子

写真:排水溝蓋に設置する自然素材フィルターの様子

写真:テニスコート端部に設置された自然素材フィルターの様子

人工芝メーカーの積水樹脂株式会社と連携した取組み

積水樹脂株式会社と連携して、多摩東公園庭球場において、マイクロプラスチック流出抑制対策用フィルターのテスト設置を行い、効果の検証を行っていきます。

写真:マイクロプラスチック流出抑制対策用フィルターのテスト設置の様子。

実証実験の状況

人工芝メーカー各社が設置したフィルター等でマイクロプラスチックの捕捉が確認できました。捕捉されたマイクロプラスチックの特徴として、とても粒子が細かいことも確認されています。今後も引き続き検証を続けながら、恒久的なマイクロプラスチック流出抑制対策の課題や運用方法を検討していきます。

写真:マイクロプラスチック補足の様子

地域テニスクラブ会員の皆様によるフィルター交換作業が行われています

フィルター材は定期的に交換する必要があるため、地域テニスクラブ所属会員の皆様にボランティアとして、フィルター交換作業にご協力いただきます。
そのため、作業員証を携帯したボランティアの方が利用時間中にフィルター交換作業を実施する場合がありますので、ご理解をお願いいたします。

作業員証を付けたボランティア

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このページに関するお問い合わせ

スポーツ振興課 スポーツ振興担当
〒206-8666 東京都多摩市関戸六丁目12番地1
電話番号:042-338-6954 ファクシミリ番号:042-371-3711
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