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令和4年度施政方針(令和4年3月阿部市長)

[2022年3月1日]

ID:14814

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(注)本文書は筆記録ではございませんので、当日、市長が述べた文言と若干の相違点があります。

 令和4年度の市政運営について、所信を申し述べ、主権者である市民の皆さん並びに市議会の皆さんのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 施政方針に先立ち、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に関して申し上げます。

 2月24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まりました。

 第二次世界大戦後、世界の国々の努力で築き上げてきた戦争によらない平和協調を踏みにじり、核兵器を保有する超大国が巨大な武力により主権国家を蹂躙する行動は断じて容認できないものです。

 平和を希求する多摩市民の代表として、これに強く抗議と遺憾の意を示すとともに、まず一日も早い攻撃の停止と撤退を求めます。

第1 市政運営における基本的な考え方

1 市民の命、くらしを守りながら、これからの50年に向けた新たな歩みを

(1) 令和3年度をふりかえって ~現在も続く、新型コロナウイルス感染症との闘い~

 令和3年度は、新型コロナウイルス感染症への対応に追われた1年。もう2年以上、コロナとの闘いが続いています。この間、15万市民のくらしと生命に感染症の危機が迫るなか、市として固有の保健所機能を持たないことによる大きな壁に突き当たってきました。自宅療養者支援にあたっての個人情報の厚い壁、病床がひっ迫する病院間の連携など、私自身も声をあげると共に、東京都市長会を通した要請や都議会そして市議会からの支援もあり、その壁は少しずつ取り払われてきました。
 市民の皆さんの地道な努力や、多摩市医師会をはじめとする関係機関などと連携をとり、さまざまな対応をしてきましたが、現在もオミクロン株による感染の渦中にあり、闘いの終止符はまだ打たれていません。
 ワクチン接種については、市立病院を持たない中でも、多摩市医師会の多大な協力のもと、公民館や民間施設を会場とした集団接種と各医院での個別接種、高齢者施設へのアウトリーチで迅速に進め、早期に多くの方々への接種を行うことができました。
 また、感染予防・感染拡大防止のための対策や、経済的な影響を受けた世帯・事業者に対する支援、コロナにより大きく変わった社会状況への対応、人権に配慮した取組みなど、さまざまな対応を図ってきました。
 令和2年度は10回、令和3年度はこれまで13回の一般会計補正予算を組んで対応してきたところであり、国や都の支援策にとどまらず、市民に近い存在である市独自の発想での支援策を、スピード感を持って行ってきました。
 数度にわたる緊急事態宣言の発出により、市民の活動が大きく制限され、さまざまなイベントや行事が中止・延期となり、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も無観客での開催となるなど、市民生活のあらゆる場面で大きな影響があった一方で、これまでの対面での会議がオンライン開催に変わるなど、コロナ禍が契機となって、ニューノーマル(新しい常態)に合わせた取組みが加速度的に進んだことも、令和3年度の大きな特徴でした。

(2) これからの50年のスタートにあたって ~気候変動問題への対策、ダイバーシティ&インクルージョンへの挑戦、デジタルを活用した行政サービスの向上~

 昨年11月1日に、本市は市制施行50周年を迎えました。
 改めて、これまでの50年の歩みを支えていただいた市民の皆さんに感謝申し上げるとともに、これからの50年に向けた発信として、ブランドビジョン「くらしに、いつも NEWを。」を決定しました。本市が、さらに未来に向けて挑戦する姿勢を端的にまとめたもので、シティセールスのツールとして、市内外に一貫性をもって提案していくとともに、この言葉を旗印に、次の時代も、くらしの中の「多摩市らしさ」を、市民の皆さんとともに創りあげていきます。

 私は、本市のこれからの50年のスタートにあたり、主に、以下の3点について取り組みます。
 まず、「気候変動問題への対策」です。
 本市も2050年までにCO2排出実質ゼロを目指し、市議会と共に「気候非常事態宣言」を行いました。
 本年4月から、八王子市、町田市との三市で構成する多摩ニュータウン環境組合との連携した取組みとして、多摩清掃工場の発電余剰電力を活用した「電力地産地消事業」を始めます。この事業によって、市役所をはじめ小中学校など、市が直接管理する公共施設においては、使用する電力のCO2排出実質ゼロを達成することができるようになります。さらに、企業などと連携しながら、地域の脱炭素化を目指す取組みに挑戦していきます。
 また、気候非常事態宣言の柱の1つであるプラスチック問題についても、一人ひとりの取組みを、できることから広げていくため、市内の公共施設から使い捨て傘袋を撤廃し、マイバックに続くマイ傘袋の実践を行政が率先して行うことで、企業、市民の意識改革につなげていきます。
 さらに、市内河川の調査を継続しながら、海洋汚染の原因となっているマイクロプラスチック問題にも取り組んでいきます。
 SDGsのウェディングケーキモデルでは、「経済圏」の発展は、生活・教育などの「社会圏」の上に成り立ち、その「社会圏」は気候変動、海、陸などの「生物圏」によって支えられているとされます。持続可能な社会は、この「生物圏」を維持できるかどうかにかかっており、全地球の国境を越えたグローバルな最重要課題として、私たち一人ひとりが意識を変え、行動変容を起こさなければなりません。
 子どもたちの未来を守るのは、私たち世代の責任です。地球温暖化、気候非常事態、大地震など、私たちはコロナ禍だけでなく自然災害への備えにもしっかりと向き合っていかなければなりません。
 次に、「ダイバーシティ&インクルージョン、多様性を認め、受け入れ、活かすための挑戦」です。
 多摩市では、「多摩市障がい者への差別をなくし共に安心して暮らすことのできるまちづくり条例」を令和2年7月に施行しました。合理的配慮への対応など、今後進めていくべき課題もありますが、条例に掲げる、障害理解の促進・啓発、相談支援体制の確保などを通して、当事者の皆さんにとって住みやすいまちづくりを進めていきます。
 本年2月1日から、パートナーシップ制度もスタートしました。戸籍上同性であることなどから婚姻ができない二人の関係を市が承認し、二人に証明書を発行する制度です。性的指向・性自認に関する市民の理解を深めるとともに、困りごとを抱える当事者等に寄り添い、具体的な取組みを進めることで、「多摩市女と男の平等参画を推進する条例」が目指す、すべての人にとって、住みやすく暮らしやすい社会の実現に向けて、確かな一歩を進めていきます。
 本年4月には「多摩市子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」を施行します。
 まずは、条例の基本理念である「子ども・若者の権利の保障」「切れ目のない支援を受けられる環境の整備」「意見表明・まちづくり参画機会の保障」など、条例の周知・PRから進めていきます。
 さらに、ひきこもり、不登校、貧困、ヤングケアラー等、生きづらさを抱えた子ども・若者からの相談体制や救済制度などを検討していきます。今後は、政府の「子ども家庭庁」設置や、それに伴う東京都の動きなどを注視しながら、具体的な施策を進めていきます。
 最後に、「デジタルを活用した行政サービスの向上」です。
 多くの市民がデジタル機器を手にする時代。デジタルでできることも増え、行政手続きのオンライン化も進められています。先のワクチン接種では、多くの市民の方がスマホなどから予約申込をされ、市内の経済対策として実施したキャッシュレス決済ポイント還元事業も世代を超えた利用となりました。
 こうした流れを受けて、市としても各種の申請手続きなどのオンライン化に取り組んでいきます。
 これまで紙で行ってきた市民への調査やアンケートを電子に切り替え、学童クラブ入所手続きなども、インターネットを通じた手続きに転換することで、申請のための来庁が不要になり、職員側も入力処理や結果通知の郵送などの事務処理を大幅に省力化できるようになりました。庁内のデジタル化、紙から電子への流れも急速に進んでいます。
 市民が利便性を感じ、多くの人が使いたいと思うデジタル化を進めることが、職員の事務負担軽減や業務の効率化にもつながっており、これをさらに拡げていきます。
 併せて、デジタル社会といっても使い方がわからない方、パソコンやスマホ等のデジタル機器を持たない方、利用を控える方もいます。見えてきた課題にも配慮しながら、「誰一人取り残さないデジタル化」を推進していきます。

2 令和4年度の財政運営

 令和4年度予算は、長引くコロナ禍の影響のもと、市民の生命、健康、生活を守ることを最優先に、感染症対策や経済活動への支援、地球温暖化対策などの喫緊の課題に着実に取り組むための予算として編成しました。
 引き続き、感染症をはじめ今後の動向を慎重に見通しながら、丁寧かつ迅速・果敢な財政運営を進めていきます。

3 健幸まちづくりのさらなる推進

 第3期基本計画において、「健幸まちづくりのさらなる推進」を計画全体の基盤となる考え方に置き、庁内の全部署が、さまざまな主体との連携や協働、横断的な繋がりを模索しながら、市民の参画を広く呼び掛ける形で取り組んできました。
 令和2年春からの新型コロナウイルス感染症により、不要不急の外出自粛が求められ、多くの市民活動が中止となり、市民生活も大きく制限を受けた結果、運動不足や人とのかかわりの減少による健康二次被害が発生しており、その防止に向けた取組みが急務となっています。
 また、長期化するコロナ禍の影響で、経済的な困窮を含め、さまざまな困りごとを抱える市民が増加しています。地域のつながりと専門職のネットワークで、何らかの困難に直面する市民を支援する「多摩市版地域包括ケアシステム」の構築をめざすとともに、人と人とがつながりあい、支えあう地域の実現に向け、「(仮称)地域委員会構想」の取組みを引き続き進めていきます。
 さらに、「健幸まちづくり」を現役世代にも実感していただくために、新たに、ウィズコロナ、アフターコロナ時代の健康で幸せな働き方を考える「健幸!ワーク宣言」を市内の企業や大学と連携して実施し、「健幸!ワーク宣言式」を市制50周年記念事業として執り行います。
 第3期基本計画の3つの重点課題については、以下のとおり取り組みます。

(1) 超高齢社会への挑戦

 今年から、団塊の世代が75歳を迎え、後期高齢期に入り始めます。65歳以上の高齢化率が約30%、75歳以上の後期高齢者の人口に占める割合は、約15%になります。
 75歳を超えると、心身の状態が大きく変わりやすくなり、医療や介護の必要性が高まるといわれている中、「65歳健康寿命」が、東京都全体では、男性82.93歳、女性86.02歳であるのに対して、多摩市は、男性84.16歳、女性86.68歳と依然として高い水準であり、今後もこれを、健幸まちづくりを進めていくことで維持していきます。
 元気な高齢者が、後期高齢期に入っても、老人クラブなどでの趣味活動、シルバー人材センターでの就業や地域貢献などを通して、いきがいをもって生活することで、いつまでも健康を維持できるような地域づくりを進めます。また、フレイル予防や介護予防に、地域の中で高齢者が主体的に取り組めるよう、介護予防リーダーなどの人材育成や環境整備を引き続き行うとともに、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業を進めます。
 介護、保健、医療、福祉などが必要となった高齢者には、必要なサービス提供、ケアマネジメントが受けられるように、各地域にある地域包括支援センターの相談機能をさらに充実させ、地域包括ケアシステムの強化を図っていきます。

(2) 若者世代・子育て世代が幸せに暮らせるまちの基盤づくり

 この2年間のコロナ禍の中で、本市でも少子化の傾向に拍車がかかっています。毎年、出生数が減少しており、直近の0歳児人口は700人台前半になっています。
 少子化対策を全庁的に推進していくために、昨年から横断的な検討体制をつくり、客観的指標や主観調査に基づいて本市の地域特性を分析し、短期的・長期的な具体策を検討しています。若者世代・子育て世代にとって、暮らしやすさが実感できるまち、住んでいることに愛着や誇りが持てるまちを目指します。
 本年4月から施行される「多摩市子ども・若者の権利を保障し支援と活躍を推進する条例」「多摩市みんなの文化芸術条例」の2つの条例は、子ども、若者を支援し、活躍のための環境を整えていくという点では共通する部分も大きいと考えます。また、多摩地域全体の文化拠点であるパルテノン多摩が7月にグランドオープンを迎え、さらに順次、公園内施設との連携を進めることで、多摩センター地区を子どもたち、若者にとって魅力あるエリアにしていくことも、長期的な少子化対策につながるものと考えています。

(3) 市民、地域と行政との新たな協働のしくみづくり

 昨年10月に第7期自治推進委員会から受けた中間報告では、『いつまでも安心して、楽しく、幸せに暮らせる「まち」をつくり、育て、守っていくためには、それぞれの地域で生活する人が、将来の自分たちの「まち」のイメージを共有し、その実現に向けて取り組む、地域運営の新しいかたちが必要であり、地域のつながりや人材の開発によって、地域主体のまちづくりを進め、これを市が応援するしくみをつくる必要がある。』としています。
 この新たなしくみを「地域協創」と呼び、「地域を支える」「地域をつなぐ」「地域の中で掘り起こす」の3つが柱になります。また、地域の中に、子どもからシニア世代までの多世代の参画を促す「多世代共生型コミュニティ」をつくっていくためには、地域のとらえ方を、小学校や中学校の通学区域を基盤とすべきとの指摘も受けました。
 昨年12月には、第8期自治推進委員会を設置しました。引き続き、議論と並行しながら、モデルエリアでの実践も重ね、「地域協創」の3つの柱ごとに制度設計を進めていきます。

4 このほかの重要課題への対応

(1) 市役所本庁舎の建替えに向けた基本構想の策定

 今回のコロナ禍によって、行政サービスのあり方、職員の働き方などが大きく変わろうとしており、さまざまな分野で申請や届出等の手続きのオンライン化が進んでいます。このような状況を踏まえ、今年度から、アフターコロナ時代を見据えた窓口機能や、職員の働き方を含め、本庁舎が担うべき役割、機能から検討をはじめました。
 庁内での検討、外部委員による有識者懇談会の開催、市民へのアンケート調査などを実施しており、議会との議論も並行して進めていくことで、来年度中には、基本構想を策定します。そのうえで、具体的な建替えの場所を決定していく予定です。

(2) 人財育成、コンプライアンスの徹底

 職員の世代交代が急速に進み、職務経験の浅い職員が増える中、時代とともに複雑化・多様化する行政課題に対し、持続性や正確性、柔軟性、スピード感を持って、確実に対応することができる人財を育成し、持続可能な組織づくりを進めていかなければなりません。
 国や都等との人事交流を含めた研修制度の拡充や、「リスク発生抑制のしくみ」の検討を進め、職員の知識や組織力の向上を図るとともに、職員のコミュニケーションツールである庁内報の作成や職員提案制度などを通じ、風通しが良く、活気に満ちた職場風土を醸成し、職員全員で多摩市をよりよくしていく「チーム多摩市役所」の機運を高めていきます。

(3) 日本医科大学多摩永山病院の建替え

 日本医科大学多摩永山病院は、近隣病院にない救命救急センター機能等を有し、長年、本市の地域医療における中核的な医療機関としての役割を担ってきました。施設の老朽化・狭隘化が課題となる中、建替え候補地の確保など、本市は、移転、建替えに向けて協力してきました。
 新型コロナウイルス感染症の拡大と長期化の中で、24時間体制で治療に当たっていますが、感染拡大に伴う一般診療の制限や受診控えによる経営への影響から、新病院開院の努力目標については、引き続き、学校法人内部での検討をしているとのことです。
 一方、UR都市機構とは、この3月に土地交換を実施します。来年度には、旧多摩ニュータウン事業本部の解体工事に着手し、本市としては、引き続き、学校法人と協力、連携しながら、移転、建替えの実現に向けて努力してまいります。

第2 目指すまちの姿の実現に向けて

1 子育て・子育ちをみんなで支え、子どもたちの明るい声がひびくまち

「子育て・子育ち」についてです。
 今年度、駅周辺エリアの保育定員枠の拡大に伴い、喫緊の課題であった保育園の待機児童数は大幅に減少し、コロナ禍の影響や出生数の減少などから、減少傾向が続くものと考えています。こうした動向を踏まえ、今後は、さらなる保育の質の向上とともに、本市の子育て環境を実感・共感していただける取組みを進めていきます。
 まずは、人材への投資です。国の公定価格の見直しに即しながら、従来から進めてきた市独自の補助金の単価見直しを行うことで、保育所職員の処遇改善をさらに進め、働く環境の向上と保育人材の確保、定着を図ります。さらに、保育園における医療的ケア児への対応については、これまでケアを必要とする時間に応じて、訪問看護師を派遣してきましたが、今後は、園の看護師が必要な医療行為を行うことで、保育の時間中いつでも対応できるよう、来年度は2か所の保育所で実施します。
 児童館については、これからの時代に求められる子育て支援拠点としての役割を踏まえ、必要なサービス、職員体制、施設整備などの指針を策定します。策定にあたっては、子どもたち、中高生に加えて、子育て世代の保護者や妊娠期の方などの意見、外部による評価もいただきながら取り組みます。
 今月27日、パルテノン多摩4階にオープンする「こどもひろばOLIVE」は、木のぬくもりが感じられ、子育て親子がゆっくり過ごせる室内型の遊び場です。子育て相談や、交流イベントの開催、パルテノン多摩での観劇、買い物等の際の一時保育にも対応し、子育て世代にやさしい支援策を充実させます。
 母子保健事業では、妊娠期からの切れ目ない支援として、コロナ禍が続く中で妊娠・出産・子育て期を迎える方々を対象として、妊婦面接時には育児パッケージを、1歳の誕生月にはこども商品券を、さらに2歳児までの多胎児のいる家庭には交通系ICカードをそれぞれ支給しています。引き続き、子育てへの応援と経済的支援の意味を込めて、東京都と連携しながら、令和4年度も継続して実施します。
 また、長引くコロナ禍の影響から、児童虐待の相談件数が増加傾向にあります。外出自粛によるストレスや、長期間に及ぶ在宅勤務など、普段以上に家族が共に過ごす時間が増えたことで、些細なことから虐待に発展するケースが見受けられることから、子育て家庭が孤立しないよう、引き続きSOSの声を受け止めながら、関係機関と連携し、児童虐待の未然防止と早期発見に努めていきます。
「教育」についてです。
 子どもたちの学びの保障を第一に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のリスクを可能な限り低減しながら、教育活動を継続していきます。
 各学校においては、児童・生徒の心身の健康状態の把握、必要な支援を行うとともに、スクール・サポート・スタッフやピアティーチャーなどの協力を得ながら、感染拡大を予防する対策、1日1回以上の消毒作業等を継続します。また、感染防止と衛生管理を徹底し、子どもたちの健康に配慮した、安全でおいしい給食を提供していきます。
 令和2年度の本市の不登校出現率は、小学校1.47%、中学校4.85%と増加傾向にあります。先に策定した「不登校総合対策」に基づき、教職員の理解を深めるとともに、各学校の教育課程に具体的な対策を位置づけ、学校・家庭・地域と連携し、支援の充実を図ります。いったん立ち止まらせていただいた中学校不登校特例校の早期開設に向け、ハード面での再検討とともに、可能な範囲で不登校生徒や関係機関等から意見聴取を行い、教育課程の検討を進めます。併せて、「ゆうかり教室」の活動に、プログラミングやソーシャルスキルトレーニング等、中学校不登校特例校で実施予定の教育活動の一部を先行して取り入れるなど、学びの場としての機能の充実を図ります。
 急激な地球温暖化の進行と気候変動により、学校の水泳授業における熱中症等の健康被害の心配や教育活動に影響が生じていることを踏まえ、今年度、市内の公営・民営プールを活用した水泳授業を、徒歩で往復が可能な小学校3校で試行実施しました。その結果として、天候に左右されない計画的な水泳授業の実施や教員の負担軽減が図られ、泳力等に応じた複数の指導者によるグループ別少人数指導が、児童の技能の向上と安全な授業環境の構築に大きく寄与することが確認できました。これを受け、令和4年度は、施設への移動手段を確保したうえで、小学校全校での実施に向けて取り組みます。
 「GIGAスクール構想」に則り整備した1人1台のタブレット端末の持ち帰りやオンライン授業など、ICT機器を効果的に活用し、児童・生徒の学びを保障するとともに、情報活用能力の育成を進めていきます。また、校務支援システムの更新により、教員の校務処理を効率化し、児童・生徒に向き合う時間の確保、働き方改革を推進していきます。
 また、「日本一英語を話せる児童・生徒の育成」をスローガンに推進してきた英語教育では、英語4技能検定「GTEC」の結果から、国が中学校卒業時までに50%の到達を目指す「英検3級等相当」に、本市では90%以上の生徒が到達しているなど、成果が表れています。来年度は、国の事業を活用して新たに学習者用デジタル教科書を導入し、特に「話す力」のさらなる向上を図ります。
 学校設備の改修について、今年度は、中学校2校の大規模改修工事などを実施し、計画的に進めてきた中学校体育館の空調機器設置工事も完了しました。令和4年度は、和田中学校、聖ヶ丘小学校の大規模改修工事を実施するほか、懸案であった諏訪小学校のトイレ改修工事を実施します。
 また、学校施設の改修にかかる国庫補助金の制度が大きく変更されたことを踏まえ、新たな補助制度に即した改修工事のあり方を検討しながら、引き続き、安全で良好な学習環境の整備に取り組みます。
 本年4月には、旧北貝取小学校跡地に「多摩ふるさと資料館」がオープンします。ふるさと多摩の文化財に関する各種資料等を集約・展示し、普及啓発の拠点として展開していきます。併設される「市民活動・交流センター」とともに、子どもたちや多くの市民に広く愛される施設にしていきます。

2 みんなが明るく、安心して、いきいきと暮らしているまち

「健康医療」についてです。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策です。
 3回目のワクチン接種を本年1月22日から開始しています。当面の間、市内3か所の集団接種で対応するとともに、多摩市医師会の協力を得ながら市内の各医療機関での個別接種にも対応していきます。また、1回目・2回目接種を希望する方に対しても、適切に対応していきます。
 多摩市版地域医療連携構想について、平成30年度の南多摩医療圏域や市民の受診動向等の分析、市内各病院長を交えたシンポジウムの開催を手始めに、翌年度には、多摩市版地域医療連携構想会議を開催し、本市が目指す医療の姿について、報告書としてとりまとめました。令和4年度は、この間のコロナ禍の経験を踏まえ、先の会議を一歩前に進めるとともに、市民に向けた講演会の開催や市内の医療体制のあり方についても検討を進めていきます。
「地域福祉」についてです。
 令和4年度までを計画期間とする多摩市地域福祉計画について、次期計画を策定します。この計画は、障がい者、高齢者・介護保険、子ども・子育てなどの個別計画を横断的につなぐ役割を担うとともに、次の計画では、国において創設された「重層的支援体制整備事業」の実施計画も兼ねることになります。多摩市版地域包括ケアシステムの構築を進めるにあたり、改めて「健幸まちづくり」の趣旨を踏まえて計画を策定します。
 コロナ禍で、生活保護に関する相談、生活困窮に起因する生活相談が増加しており、この傾向は継続していくものと考えています。しごと・くらしサポートステーションがより利用しやすくなるよう、環境整備を検討していくとともに、課題が生じている生活保護受給者の金銭管理についても支援を開始します。
 コロナ禍の影響から、全国の自殺者数が増加傾向にある中、令和3年の本市の自殺者数は大きく減少しました。全国の状況とは乖離しているものの、社会不安の増大に伴う心のケアが求められるため、本市の自殺対策推進計画である「いのちとこころのサポートプラン」に基づいた取組みを引き続き進めていきます。
「高齢者福祉」についてです。
 コロナ禍の影響による健康二次被害の顕在化と高齢化の進行のなか、フレイル予防は喫緊の課題です。感染予防の徹底のもと、自宅に閉じこもらず、健康づくりや地域活動に参加することができるように、さまざまな機会を通して啓発を行います。
 超高齢社会の中、「認知機能の低下」はすべての高齢者の課題です。認知機能が低下しても孤立しない地域を目指した取組みとして、本年度から試行実施している「認知機能低下に寄り添う通いの場」づくりを地域の団体や専門機関、当事者団体とともに展開します。「もの忘れ相談事業」とも連動し、認知症の予防と共生を目指します。また、認知症高齢者グループホームなどの地域密着型サービスの整備を引き続き進めていきます。
「障がい者福祉」についてです。
 事業者による障がい者への合理的配慮が、国の法改正で義務化され、令和6年5月までに施行されることから、来年度は、事業所に対する周知や啓発を図るとともに、この間の取組みを促進するため、障がいのある方が外出しやすい環境を整えるための段差解消などに対し、市独自の助成を行います。
 また、精神障がいのある方が、地域で生活していく際に直面するさまざまな障壁を解消するためには、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築が求められており、本市においても来年度から取組みを開始します。医療、保健、福祉の各関係機関による協議会を設置し、ネットワークの強化と、地域の中の課題の抽出、これを解消していくために必要なビジョンや対策を検討していきます。

3 みんなで楽しみながら地域づくりを進めるまち

「市民活動・コミュニティ」についてです。
 現在、工事を進めているトムハウス、連光寺複合施設は本年9月にリニューアルオープンします。トムハウスでは、若い世代が一人でも利用できるスペースの設置を、連光寺複合施設では、老人福祉館からコミュニティ会館への機能転換など、それぞれ地域の大人たち、子どもたちが多世代で利用できる、次の時代に向けた新たな活動拠点として生まれ変わります。
 市民自治の推進について、自治推進委員会からの提言をもとに「(仮称)地域委員会構想」の制度設計をさらに進めるほか、エリアミーティングなどの取組みをさらに深めていきます。また、「地域を支える」の重要な制度となる「地域担当職員制度」の導入に向け、庁内や第8期自治推進委員会での議論、モデルエリアでの試行を通して、多摩市版の制度を確立していきます。市内のエリア分けについては、さまざまな分野ごとに設定している地域のとらえ方を、次期の総合計画の策定と合わせて検討していきます。
「文化・スポーツ・交流」についてです。
 多摩市のシンボルであるパルテノン多摩は、3月27日にプレオープン、7月1日にはグランドオープンします。大ホール、小ホールは座席や音響設備などを一新するほか、オープンスタジオを始めとする新たな機能を持ったスペースを整備し、4階には「こどもひろばOLIVE」が入ります。
 生まれ変わったパルテノン多摩の運営には、多摩市文化振興財団を中心に民間企業も加わり、新たな事業体として、魅力と牽引力のある事業を実施するとともに、多摩中央公園をはじめ周辺施設と一体的に多くの市民が利用する施設にすることで、文化振興とにぎわいづくりを進めていきます。
 「多摩市みんなの文化芸術条例」が4月から施行されます。この条例に基づき、文化芸術を推進するための計画づくりを進め、来年度はそのベースとなる、文化芸術の将来像を市民と共有できるビジョンづくりに着手します。
 今年度、屋外体育施設を計画的に改修していくために策定した「屋外スポーツ施設管理更新計画」に基づき、来年度は、連光寺公園、貝取北公園の庭球場の人工芝の張替えを行います。諏訪北公園の野球場・庭球場は、諏訪・永山地区の住宅市街地総合整備事業の一環として、改修工事を実施します。駐車場の改修についても、必要な対応を図っていきます。
 昨年12月に締結した「駐日アイスランド大使館と多摩市との友好協力関係に関する覚書」に基づき、東京2020大会でホストタウンとなったことをきっかけに始まった交流を来年度以降も継続します。さらに、アイスランド・ウィークなどの機会をとらえたイベントなどを通して、アイスランド、多摩市の双方を知り合うことができる機会づくりに取り組みます。
 4月には、旧北貝取小学校跡地施設に新たな生涯学習施設として「市民活動・交流センター」がオープンします。指定管理者による柔軟な施設運営を行うほか、運営協議会を組織するなど、利用団体自身も自主的・主体的に運営に参画するとともに、利用者同士や地域の交流イベントなどの取組みを通じて、子育てやスポーツ、文化活動など多様な市民の活動をつなぎ、生き生きとした地域社会づくりに寄与することを目指します。
「平和・共生」についてです。
 子ども被爆地派遣事業については、市制施行50周年記念事業の一環として、従来からの公募の小中学生に加え、過去に本事業に参加した経験のある高校生・大学生等の枠も設け、広島に派遣します。派遣経験のある高校生・大学生がさらに学習を深め、地域や次世代に伝える活動への動機づけにするとともに、参加する小中学生にとっても近い世代からの話を直接聞くことで、平和に対する理解の促進につながるものと考えています。

4 働き、学び、遊び、みんなが活気と魅力を感じるまち

「産業振興・雇用・観光」についてです。
 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、この2年間、重点的な取組みを進めてきました。来年度も予断を許さない状況が続く認識のもと、市内経済の回復に向けた動きが出るよう後押しする取組みを実施していきます。
 令和4年度は、厳しい雇用情勢にある求職者と雇用にかかる負担に悩む事業者を支援するため、両者のマッチングを目的とした、市独自の「緊急就労支援事業」を継続して実施し、雇用につなげていきます。また、多摩商工会議所との連携による市内事業者の事業転換や販路開拓、就労対策などの取組み支援として、「中小企業ビジネスサポート補助事業」を創設し、市内経済活動の活性化を図るほか、事業者グループ連携支援事業を継続し、事業者の新たなチャレンジを支援します。さらに、空き床対策として開始した出店等促進支援事業を継続することで、市内経済への波及効果と昼間人口や交流人口の増加につなげていきます。
 本年3月末で期限満了を迎える「企業誘致条例」については、本市を取り巻く状況や喫緊の課題を踏まえ、制度全体の大幅な見直しを行った上で、本定例会に上程します。新年度からは、新たな制度のもとで、持続可能な街づくりに向けた企業立地を促進していきます。
 また、都市計画マスタープランの改定に合わせ、ウィズコロナ、アフターコロナを踏まえた「(仮称)産業振興計画」の策定に向けて着手するほか、携帯電話会社が提供する商圏分析ツールを活用し、エリアの人流増減の効果分析を実施することで、本市の産業振興、観光事業の推進など、活性化策の検討に役立てていきます。
 都市農業の分野では、新たな農地の創出として、宅地等を農地に転換する際に必要な整備費支援や、後継者育成セミナーの開催、援農ボランティアの継続実施などにより、都市農業の振興を進めます。
 観光の分野では、観光振興の基本方針の策定に取り組むほか、ニーズが高まるマイクロツーリズムの2年目の取組み、「多摩市観光まちづくり交流協議会」によるデジタルツールを活用した観光ルート案内など、産官学民で連携した観光の取組みを再び前に進めることで街の賑わいを戻していきます。
 多摩センター駅周辺地区では、7月のパルテノン多摩のグランドオープンを視野に、多摩中央公園内施設や多摩センター地区連絡協議会などと連携した取組みを行うことで、街の回遊性を高めていきます。市制50周年とハローキティにあえる街事業20周年にあわせ、多摩センターの魅力的なスポットのPRや施設間をつなぐイベントの実施、ペデ上の装飾街路灯フラッグを活用したアートフラッグコンテスト、パルテノン大通りでの社会実験の継続などにより、街の活性化を図っていきます。
 聖蹟桜ヶ丘駅周辺地区では、本年秋には駅北側エリアの大型マンションの入居が始まります。これらの動きに合わせ進めてきた「かわまちづくり」の来年度の市の取組みとして、一ノ宮公園拡張工事を行います。民間事業者による開発事業とあわせ、駅から河川空間に向けアクセスしやすい動線と多目的広場が整備され、近隣住民や来街者双方にとって居心地の良い水辺空間づくりが大きく前進します。新たな空間の活用策の検討とともに、せいせきみらいフェスティバルの開催、日本アニメーション株式会社の人気キャラクターを活用した聖蹟桜ヶ丘周辺まち歩き事業、ラスカル子ども映画祭の開催などを、市民や市民団体、事業者と協働して進めていきます。
 永山駅周辺地区では、新型コロナウイルス感染症の影響で地権者・事業者による対面での勉強会が開催できない状況が続いていますが、諏訪・永山まちづくり計画のリーディングプロジェクトに位置付けられている永山駅周辺再構築について、ウィズコロナ、アフターコロナを踏まえた今後の街づくりや賑わいの創出といった視点で、専門家にも参加いただきながら、引き続き地権者・事業者による勉強会の開催・継続に向けた働きかけを進めていきます。

5 いつまでもみんなが住み続けられる安全で快適なまち

「防災・防犯」についてです。
 高齢化の進行とともに、一人暮らしや高齢者のみの世帯が増加する中、防災・防犯も喫緊の課題です。
 平成27年度から開始した、高齢者世帯への自動通話録音機の貸与は、設置効果が見られる一方で、特殊詐欺による市内の被害件数、被害額が依然として高いことから、来年度も継続します。
 また、高齢者世帯に対する、地震の際の安全確保と在宅避難を推進するため、家具転倒防止器具の設置について、取付け費用を市が負担する形で取組みを進めていきます。
 防犯については、日野市・稲城市と連携しながら策定した多摩市再犯防止推進計画に基づき、地域社会への復帰と再犯防止のための支援を進めることで、「セーフシティ」の実現を目指します。
「都市づくり」についてです。
 多摩ニュータウン再生については、東京都による都営住宅の建替え、南多摩尾根幹線道路の4車線化と並行して、諏訪・永山地区まちづくり計画に基づく、道路、公園等の住宅市街地総合整備事業を着実に進めています。令和4年度は、多摩市ニュータウン再生推進会議での議論をふまえ、愛宕・貝取・豊ヶ丘地区等におけるまちづくり計画の策定、南多摩尾根幹線沿道の土地利用方針を策定していきます。旧南永山小学校跡地については、いったん延期していた校舎等の除却工事を進めるとともに、沿道土地利用のパイロット事業としての暫定活用を見据え、関係機関、ステークホルダーによる検討に取り組みます。
 少子高齢化や人口減少などの社会情勢の変化、多摩市が抱えるさまざまな課題などを踏まえ、将来を見据えた計画的なまちづくりを推進するため、「都市計画に関する基本的な方針」いわゆる「都市計画マスタープラン」の改定や、多摩センターの活性化に資する都市再生整備計画の更新を進めていきます。
 令和元年度から開始した、三世代の近居・同居を促進するための助成制度については、3年間の取組み成果を踏まえ、令和4年度も継続して実施し、若い世代の流入促進を図ります。
 市道等のインフラ整備について、中和田通り、和田中学通り、聖蹟桜ヶ丘駅北側の道路拡幅整備、明神橋通りの無電柱化に向けた電線共同溝の整備などを着実に進めていくとともに、多摩市橋梁長寿命化修繕計画に基づく橋梁の耐震補強・補修工事、各種維持保全工事等を通じ、引き続き適正な管理を進めます。
 令和3年度に着工したレンガ坂のリニューアル工事については、改めて市民との対話を通じ、令和5年夏前までに完成するよう進めていきます。休憩スペースの整備やイベント時に使える電源設備、水道などの設置、滑りにくい舗装や街路灯の更新により夜間でも歩きやすい通行空間に改修します。工事着工以降、既存樹木の伐採やレンガ坂のタイル、街路灯の更新について、既存施設を地域のレガシーとして活かしてほしいという意見を受け、既存の樹木や道路施設の一部を活かした内容に変更することにしました。
 地域密着型公共交通への取組みについては、コロナ禍の影響の拡大・長期化により、公共交通機関の利用状況が大きく変化し、その後の見通しが立てられない状況が続いています。現計画に基づく実証実験については一旦立ち止まり、各関係機関と連携を図るとともに、今後の公共交通を取り巻く状況等を踏まえながら、改めて模索していきます。
 また、広域交通網の充実については、多摩都市モノレールの延伸に向け、関係市とも連携しながら、「(仮称)延伸促進協議会」の準備会を設置し、取組みの方向性について検討を進めます。
 下水道事業では、清潔で快適な環境衛生を持続させるため、下水道施設の維持管理・更新を引き続き計画的に進めていくとともに、ニュータウンの再整備等に備え、下水道管渠の流下能力等の根拠となる区画割平面図の見直しを行います。また、雨水管渠更生工事の延期等に伴うエリアの見直し及び不明水対策を盛り込むため「多摩市下水道施設長寿命化計画」を更新します。

6 人・自然・地球 みんなで環境を大切にするまち

「環境」についてです。
 脱炭素社会の実現に向けた取組みは喫緊の課題であり、2030年までの10年間が極めて重要だと言われています。
 国では、温室効果ガスを2013年度比で46%削減、東京都では、2000年比で50%削減を掲げており、本市でも、令和5年度の「みどりと環境基本計画」の策定と併せて温室効果ガス削減目標を策定します。これに向け、来年度に市内の再生可能エネルギーのポテンシャル調査等の基礎データ調査を行い、2050年までのCO2排出実質ゼロへの道筋を見据えた削減目標、目標達成に向けた具体的な行動を決定していきます。
 「みどりの基金」の名称を「みどりと地球温暖化等対策基金」に改め、喫緊の課題である気候危機を防ぎ、地球温暖化対策を総合的に推進するための財源確保を目的とする基金とする条例改正と、基金への積み増しの補正予算をこの議会に提案しています。今後は、この基金を活用し、地球温暖化対策を加速化していきます。
 来年度は、市民による太陽光発電や蓄電システムなどの導入に対する支援を拡充し、市内での再生可能エネルギー導入をより加速させるための施策を進めていきます。
 また、地域や学校、企業などで実践されている持続可能なライフスタイルや環境にやさしい取組みを広く周知することで、多くの市民が共感でき、環境に対する一人ひとりの意識啓発と行動につなげていくため、「TAMAサスティナブル・アワード2022」を実施します。
 昨年度、ごみのポイ捨て対策などを専門とする調査会社と連携し、乞田川と大栗川の4地点でマイクロプラスチックの流出実態調査を行いました。4地点全てでマイクロプラスチックが採取され、多摩市の河川からも少なからず流れていることが判明しました。調査結果を受け、市民団体と連携した川ごみ清掃やポイ捨て禁止の啓発を引き続き行っていくとともに、マイクロプラスチックの問題についての啓発も積極的に行っていく必要があります。さらに、来年度は、大学と連携して、より詳細な実態調査を行います。
 生物多様性の保全の重要性を共有していくため、これまでの「観察会」を「(仮称)多摩市生物多様性セミナー」として、より理解が深まるような企画として、年間シリーズに編成し直して実施します。引き続き、市民や市民団体、企業、専門家、小中学校、児童館など、多様な主体とも連携を図りながら、来年度、新たに設置する「環境コーディネーター」とも協力して実施します。また、日常生活の中でも常に意識してもらえるよう、「いきものログ」や「いきもの季節観測」などの取組みを進めます。
 連光寺・若葉台里山保全地域については、生物多様性の保全に配慮しつつ、多様な主体と協力しながら、実際に作物を栽培し、市民に体験してもらう試験的な土地活用事業や、今後の活用、機運醸成のためのワークショップ等を通して、「(仮称)連光寺六丁目公園用地」の農的活用を具体化していきます。
 多摩中央公園の改修では、民間活力を生かして、公園の利便性や魅力をより高めるため、Park-PFI制度による公募を行い、令和3年10月に事業者を決定しました。来年度は、実施設計の後、改修工事に着手し、令和7年1月の供用開始を目指して整備を進めていきます。
 最後に、廃棄物及びリサイクルについては、4月から使い捨てプラスチックの有料化が始まるのを機に、「使い捨てのプラスチックはなるべく断わる、購入したプラスチック製品は長く使って、使い終わったら適正に分別してリサイクルする」という、持続可能なプラスチック利用を呼びかけるとともに、本市の食品廃棄物の28%を占める食品ロスを削減するための啓発に力を入れます。
 さらに、次期の「一般廃棄物処理基本計画」の策定にあたっては、本年2月に決定した「多摩市プラスチック削減方針」を踏まえ、検証・検討をしていきます。

第3 むすびに

 南太平洋のトンガ沖の海底火山が噴火し、地元トンガをはじめ全地球に大きな被害、影響を与えました。改めて被害に見舞われた皆さんにお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げます。
 いつ発生するかわからない、地震、噴火、津波など、自然災害の影響の大きさ、被害の深刻さに圧倒されるばかりです。改めて自然災害への備え並びにBCP計画については必要な見直しを進めていくことを再認識しました。
 今回の新型コロナウイルス感染症との闘いは、一地域、国単位での対策だけでは厳しいことも明らかになりました。
 政府に対しては、情報の共有は勿論のことですが、ワクチンの供給量など、先の見通しを示していただき、地方自治体はじめ現場の声を最大限聴取し、国民目線、市民目線の感染対策の強化を引き続き牽引していただきたいと申し上げます。
 また、政府は、新型コロナウイルス感染症対策だけでも77兆円もの税財源を投入していますが、ゼロ金利政策とも重なり、未来の負担への敷居が低くなっているように感じます。政府には、高度救命救急病院への支援をはじめ、民間病院への支援や、メリハリの利いた地方自治体への支援を引き続きお願いしたいと思います。
 地球温暖化対策は世界全体の緊急の課題です。気候危機への挑戦は国境を越えた最優先の国際的課題です。政府と力を合わせ、環境問題への挑戦を加速していかなければなりません。
 また、緊張感を増す国際情勢の中、核兵器禁止条約の発効から1年余りが経とうとしています。改めて戦争による唯一の被爆国日本として、締結への動きの加速と締約国会議への出席を平和首長会議のメンバーとともに求めていきたいと考えています。
 本年8月まで市制施行50周年記念事業を市民の皆さんとともに進めていきます。パルテノン多摩、中央図書館、多摩中央公園、多摩川のかわまちづくりなど、未来への投資も姿、形が見えてきました。
 これらの新たな資産も活かしながら、新型コロナウイルス感染症の長期化により、非正規、子ども、シングル、障がい者など、社会的に弱い立場の人々を直撃している貧困と格差に立ち向かっていきます。
 困難な課題は山積みですが、「誰一人取り残さない」というSDGsの目標を、自治体としてしっかりと見据え、市民の命とくらしを守る市政を、市民の皆さんとともに前へと進めていくことを表明させていただき、施政方針演説といたします。

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