たまの女性68号 ホームページ編
女性活躍推進企業ファイルin多摩市008 東京海上日動システムズ株式会社
令和4年3月発行のたまの女性68号「女性活躍推進企業ファイルin多摩市008」では、東京海上日動システムズ株式会社の女性活躍に向けた取組みを、社内体制や制度を中心に紹介しました。しかし、東京海上日動システムズ株式会社は、社内体制というハード面のみだけでなく、社員の内面というソフト面の分析も細かく行い、女性活躍の推進にうまく活かしていることも特徴として挙げられます。ここでは、誌面に載せられなかった内面分析を基にした取組みや、女性活躍推進事務局の皆さんの想いを紹介していきます。
たまの女性68号本編は次からご覧いただけます。
女性活躍推進に向けた社員のマインド変革
女性が活躍するために
たまの女性68号本編(以下、本編)でもデータでお示ししていますが、弊社では女性の離職率が低いんです(1.7%、全国平均15.9%)。当たり前に育休を取って復帰するという風土や環境が出来上がっています。しかしその一方で、細く長く働く人が増えているのが現状です。
もちろん、「家庭を優先して、仕事はセーブしたい」という人がいても良いと思うんですが、「少しステージを上げて仕事したい」と思っている人がいるならば、自分自身だけでなく、上司や環境などのそこにあるいろいろな壁を排除してあげたいと考えています。この会社で働いてて良かったなぁとか、自分は働いてて良かったなぁとか、一人一人が働きがいを感じてほしいので、現状維持ではなくもっと太く長く、更に活躍してほしいと思います。
女性活躍のキーパーソンは“管理職”?
では、なぜ女性社員は現状維持で良いと思ってしまっているのか。社員意識調査や多面観察フィードバック(360度評価)(※)の結果など、いろいろな視点で分析してみると、やはり「自信がない」ということが1つの特性(傾向)としてあげられます。上司からの評価は高いのに自己評価はそれをはるかに下回っていたり、自分の成果なのに自分がやったと主張できなかったりと、自信のなさが表れています。そういう時に、上司から「ここはできているからちゃんとやればいいんだよ」とリードしてもらえたり、「これは苦手なんだな」と女性の特性(傾向)を理解してもらえたりすると、女性社員は自信をもって仕事に向き合うことができます。
つまり、女性活躍のためには、女性社員のマインドを変えるだけでなく、女性社員を支える上司=管理職のマインドを変えることも大切なのです。本編でもLTPという研修を紹介していますが、まさにこの研修は、参加する女性社員本人だけでなく、活動をとおして女性社員と向き合うことでその上司にも成長してほしいという想いで実施しています。
また、管理職研修の中でも女性の特性(傾向)について説明していますが、研修後のアンケートでは、参加者の約81%が「女性の傾向を意識する必要があると思う」と回答しています。「具体的な話が聞けて納得できた」や「上を目指さないのは個人の問題だと思っていたが女性全体の傾向であることがわかり、そういう視点を持って接する必要があると感じた」という声もあり、管理職へのアプローチを続けることの重要性を感じています。
※多面観察フィードバック(360度評価):職場の上司に限らず同僚や部下(または後輩)といった複数の者により、対象者の日頃の行動を観察する取組み。自身の強み・弱みについての他者との認識のギャップや、他者からの期待を把握することで、今後の成長に繋げることを目的としている。
後押しとなるロールモデル(先行事例)の存在
弊社も女性管理職比率がまだまだ低いので、女性管理職のロールモデルが少ないというのも課題です。ロールモデルが少ないことは、結果として女性管理職比率が低い原因にもなって連鎖していると思います。管理職を目指してみたいけれど、どういうものか想像できないという女性社員も多いのではないかと思います。さまざまな管理職がいないといろいろな社員の目標にはならないので、多様なロールモデルを増やす必要があります。
管理職になる・昇進することだけに限らず、ビジネスにおいて女性は女性らしさに惑わされてしまうことがあると思います。例えば、男性であれば「勢いがある」とか「リーダーシップがある」と評価されるものが、女性だと「気が強い」と言われてしまったり。「謙虚でいなさい」みたいに女性らしさを重んじて育てられてきた場合、女性である自分とキャリアを積んでいる自分が混同してしまう場面があると思います。
でも、現代のリーダー像って、「俺について来い!」みたいな必ずしも先頭に立って引っ張っていくリーダーだけじゃなくて、後ろから「頑張れ!」って支えてくれるリーダーがいても良いし、両方必要だと思うんです。よく、「男性みたいな、ああいうリーダーにはなれない」と言う女性社員がいますが、そうではないまた違ったリーダーになれるからこそ、価値があるんです。こうあるべきという周りの期待に応えるのではなく、一人の人間として、自分のなりたい姿になってほしいと思います。
だからこそ、やはりいろいろなライフスタイルやリーダー像の、管理職のロールモデルが必要だと思いますね。
おわりに
今回の東京海上日動システムズ株式会社へのインタビューを通して、社内の制度や体制だけでなく、内面の分析を取組みに活かすというアプローチの重要性を知りました。こういった細やかな分析が取組みとして活かされることが女性の離職率の低さや復職率の高さにつながり、結果として一人一人が発揮できる力を高めていくことができるのだと感じます。
すべての人がいきいきと働ける環境づくりの一助となるよう、今後も女性活躍推進に取り組んでいる市内の企業・事業所を紹介していきます。
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