話してみよう!「やさしい日本語」

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ページ番号1010294  更新日 2023年3月10日

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「やさしい日本語」の取り組みについて

多摩市では、国籍や文化・言語などさまざまな違いに関わらず、誰もが安心して暮らすことのできる多文化共生社会の実現を目指し、市内在住外国人へのサポートや支援のほか、外国人などにも伝わりやすい「やさしい日本語」の普及・活用促進に取り組んでいきます。

まずは、「やさしい日本語」について知っていただき、外国人の方と接する際には、ぜひ「やさしい日本語」をご活用ください。

「やさしい日本語」についての詳細は、以下をご覧ください。

「やさしい日本語」ってなに?

みなさんは、「やさしい日本語」という言葉を聞いたことがありますか?

「やさしい日本語」とは、難しい言葉を簡単な言葉に言い換えたり、ふりがなを振ったりすることで、わかりやすくした日本語のことを言います。

私たちが普段使っている日本語は、外国人の方にとっては理解しにくい部分や、難しい部分が多くあるため、その部分を、外国人の方にもわかりやすくなるようにした「易しい(簡単な)」・「優しい(相手のことを思いやる)」日本語です。

元々は1995年の「阪神・淡路大震災」後に、日本語も英語も得意ではない外国人に、できるだけ早く、避難情報等を伝えるための方法として考え出されました。多くの外国人に効率よく情報を伝えることができるため、現在では災害時だけでなく、日常生活におけるコミュニケーションツールとしても、外国人支援団体や自治体等で活用が進んでいます。

通常の日本語の場合は「高台に避難してください!」。やさしい日本語の場合は「高いところににげてください!」

なぜ「やさしい日本語」の活用が必要なの?

多摩市には令和5年1月時点で、世界76の国・地域から、3,058人の外国人が暮らしており、平成27年と比較すると人口が1,000人以上増加しているだけでなく、より多くの国・地域から外国人が多摩市を訪れるようになっています。

さまざまな国から多くの外国人がやってきて多摩市で暮らすようになると、学校や会社、地域の中でも外国人の方々と共に活動したり、助け合ったりする機会が多くなるため、外国人の方とこれまで以上にしっかりとコミュニケーションを取っていくことが重要になります。

そうした状況において、「やさしい日本語」は、翻訳が不要な上、簡単な日本語がわかる人であれば、相手の出身国に関わらず使うことができるため、外国人の方々とコミュニケーションを取るための方法として、「やさしい日本語」を活用していくことが有効だと考えられています。

多摩市の外国人人口の推移

より多くの国・地域から外国人が多摩市に来ています

でも…本当に日本語で伝わるの?外国人=英語じゃないの?

外国人に日本語が伝わるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、これまで行われた調査の結果から、「やさしい日本語」は、外国人にとって英語よりも伝わりやすいと考えられることが分かっています。

2009年に「国立国語研究所」が全国20の地域で暮らす20歳以上の外国人を対象として実施したアンケート調査で、回答した外国人が「最もよくできる言葉」及び「日常生活に困らない言語」と答えた割合は、英語が44.0%だった一方、日本語は62.6%という結果が出ています。また、2022年に「東京都つながり創生財団」が実施した、やさしい日本語に関する調査でも、「知りたい情報のチラシをどの言語で読みたいか」という設問において、英語の26.8%をおさえ、やさしい日本語が38.5%と最も高くなっています。

つまり、外国人の方にとっては、簡単な内容であれば、英語よりもやさしい日本語の方が伝わりやすく、ニーズも高い、ということが分かっています。

みなさんも、「英語ができないから無理!」、「きっと伝わらないからだめだ!」と思わずに、困っている外国人の方を見かけたら、ぜひ「やさしい日本語」を使って、声をかけてみましょう!

「最もよくできる言葉」及び「日常生活に困らない言語」として、回答された割合の合計は、日本語が62.6%、英語が44.0%でした

「知りたい情報のチラシをどの言語で読みたいか」の質問に対し、「やさしい日本語」と答えた人が38.5%と最多でした

「やさしい日本語」で伝えるポイント

では、私たちが普段使っている日本語を「やさしい日本語」に変えるためには、どんなことに気を付ければよいのでしょうか。

ここで、「やさしい日本語」で伝えるためのポイントをいくつかご紹介します。

やさしい日本語にするためのポイント

ポイント

解説・例など

伝えるべき内容以外はなるべく省略し、文章を短くする! 

情報を取捨選択し、文章をなるべくシンプルに、短くしましょう。

一文で伝える内容は1つのみにする!

 2つ以上の情報を伝えたい場合は、一文ごとに分けて書きましょう。

(例)駐車してから受付をしてください。

→車を停めます。そのあと、受付に行ってください。

曖昧な表現や、二重否定などは使わない!

「~ころ」、「たぶん」などの曖昧な言い方や、「~しないことはない」といった二重否定の表現は分かりにくいため使わないようにしましょう。

(例)だいたい2時ごろまでに来てください。→2時に来てください。

(例)その会議に行かないということはありません。→その会議には必ず行きます。

 

受身形や使役表現も使わない!

「~れる」、「~させる」などの受身、使役表現は行動の主体が分かりにくくなるため、誰(主語)が何をする(述語)のかがわかりやすくなるように意識しましょう。 

(例)上司に教えられました。→上司が私に教えました。

(例)○○さんを行かせます。→○○さんに行ってきてもらいます。

カタカナ語や敬語(丁寧語以外)、オノマトペ(擬音語・擬態語)なども使わない!

カタカナ語は、元々の意味と異なるものが多くあるため、なるべく使用せず、敬語も「~です/~ます」の丁寧語のみ使うようにしましょう。また、「ドンドン」、「ふらふら」などのオノマトペも伝わりにくいため、控えましょう。

意味の難しい言葉は、簡単な言葉に言い換える!

意味の難しい言葉は、簡単な言葉を使って言い換え、外国人にわかりやすくなるようにしましょう。

(例)「今朝」→「今日の朝」 「記載する」→「書く」

文字や言葉だけでなく、写真やイラストを活用する!

文字や言葉だけでなく、写真・イラストなども使って説明をすると、外国人にわかりやすくなります。現物がある場合には、実物を使って説明してもokです。

(例)「〇〇の書類を提出してください。」→「この書類(写真や現物を見せながら)を、持ってきてください。」

書くときは、漢字・カタカナにふりがなをつけ、分かち書きで! 

書くときは、難しい漢字やカタカナにふりがなをつけましょう。上にふりがなを付けられない場合は、漢字やカタカナの後ろに( )を入れて、ふりがなをつけると〇 

分かち書き=文節(意味の切れ目)ごとに、空白を入れて区切る書き方

(例)多摩市(たまし)に いつから 住(す)んで いますか?

話すときは、ゆっくり・はっきりと!

 慌てずに、ゆっくり・はっきりと話すことを意識しましょう。語尾を曖昧にせず、最後まではっきりと伝えることも重要です。

話しているときは、途中で確認をする!

 話をするときは、最後まで一気に伝えるのではなく、相手が理解できているか、途中で確認を入れながら、話をしましょう。

(例)この道をまっすぐ、壁まで行きます。ここまでは分かりますか?(OKなら→)そのあと、右に曲がれば、市民課(しみんか)です。

「やさしい日本語」の注意点

外国人に分かりやすく情報を伝えることができ、便利な「やさしい日本語」ですが、以下のような注意点もあります。

  1. 「やさしい日本語」には、決まった正解がない
    やさしい日本語には、こう言えば必ず伝わるといった決まった正解はありません。それは、伝える相手によって、何がわかりやすいかが、変わってくるからです。そのため、伝える相手のことを考え、どのように伝えれば、相手にとってわかりやすくなるかということを考えていく必要があります。
  2. すべての場面でいつも「やさしい日本語」を使ったほうが良いとは限らない
    日本でよく使われる言葉などは、言い換えるのではなく、あえてそのまま覚えてもらったほうが良いこともあります。また、やさしい日本語は分かりやすいように文章を短くしているため、伝えられる情報量が絞られます。専門的な情報や文学・演劇など、高度なニュアンスを伝える際などには、やさしい日本語ではなく、多言語への通訳や翻訳の方が適していることもあります。

相手の立場に立ち、「どのように伝えればわかりやすいのか」、「やさしい日本語で対応すべきなのか」、といったことも考えながら、使用していくことが大切なのです。

参考

このページに関するお問い合わせ

文化・生涯学習推進課 文化・生涯学習推進担当
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