総合オンブズマン制度の経緯
このページでは、多摩市総合オンブズマン制度の設立までの経緯と主な出来事を説明しています。
実際に苦情申し立てを希望する方は、制度の概要や手続き方法をまとめた「総合オンブズマン制度の概要」のページをご覧ください。
オンブズマン制度の始まり
「オンブズマン(Ombudsman)」という語は、スウェーデン語で、「代理人、代弁者」などと訳され、行政機関が行うサービスが、憲法や法律の趣旨に照らして正しくされていくように、公平・中立な立場で国民・市民からの苦情を受けて調査し、必要であれば改善措置を求めていく権限を与えられた人のことです。
オンブズマン制度は、市民が行政サービスにおける不利益を受けたことにより、窓口や広聴(市民相談)などで相談したにもかかわらず何ら解決しなかった際に、公正中立な第三者機関としてのオンブズマンが苦情処理を行うことにより、最終的な苦情対応機関として存在するものです。スウェーデンにおいて、1809年に創設されたオンブズマン制度は、今日、多くの国で採用されています。
日本においては、1961年(昭和36年)から総務省が開始した行政相談委員制度が国のオンブズマン制度と位置付けられています。1990年(平成2年)に初めて中野区及び川崎市に設置されて以降、地方自治体において本格的に導入が開始されました。
多摩市における検討と福祉オンブズマン
検討開始と報告書提出
多摩市では、1996年(平成8年)3月に策定された「多摩市行財政改善計画」における「より開かれた行政運営の推進」の実現に向けて、オンブズマン制度導入の検討が始まりました。
1999年(平成11年)8月には多摩市オンブズマン制度調査検討委員会が設置され、庁内プロジェクトチームにより具体的なオンブズマン制度導入に関する検討に着手しました。そしてプロジェクトの報告書を受けて、学識経験者、行政関係者及び公募市民から構成された多摩市オンブズマン制度検討委員会が設置されて検討を重ね、2000年(平成12年)3月には報告書が提出されました。
介護保険制度導入と多摩市福祉オンブズマンの開始
一方国では、2000年(平成12年)4月から介護保険制度が導入され、日本全体の福祉行政が大きく変化することになりました。そんな状況の中で、行政及び民間福祉事業者が提供する健康福祉サービスに関する市民の苦情を、中立的立場で簡易迅速に処理し、市民の権利・利益の保護を図る仕組みが早急に必要であることから、まずは分野に集中特化した福祉オンブズマンを設置することになりました。
通常の行政オンブズマンは、その自治体の行為を対象にしています。しかし、特に福祉分野においては、民間の事業者が提供するサービスは公益性が極めて高いことから、民間福祉事業者もオンブズマンの調査対象とする制度づくりを目指しました。
全国でも例の少ない民間福祉事業者への苦情にも対応
2000年(平成12年)10月に福祉オンブズマンが発足したときには、100超の民間福祉事業者の理解と賛同を得て、市長との間で協定書を締結することにより、オンブズマンが行う調査への協力、是正勧告の遵守及び公表の容認を誓約する制度ができました。この制度は全国で初めてであり、今も例の少ないものとなっています。
その後、福祉オンブズマンから全分野の総合オンブズマンに制度を拡充した際も協定制度は引き継がれ、現在も民間福祉事業者と協定を結んでいます。
2004年(平成16年)5月多摩市オンブズマン憲章の制定
2004年(平成16年)5月、社会や多摩市の状況が変化してもオンブズマンの取り組む姿勢が変わることのないようにとの願いを込め、オンブズマンの基本姿勢を明らかにした「多摩市オンブズマン憲章」を策定しました。このような憲章も全国で初めてのことでした。
前文と12項目からなる短い文章の中に「投げられたボールはまず受けるという姿勢で臨みます」、「公正中立な第三者的立場を保ちます。」など、今も続く重要な要素が凝縮されて詰まっています。
オンブズマン憲章の全文と解説は次のとおりです。
総合オンブズマンへの移行
福祉に集中特化したオンブズマン制度を導入して一定の成果をあげましたが、市民サービスが多様化、複雑化、高度化する中で制度拡充の必要性が高まって行きました。そのような状況の中、市長部局以外の執行機関、すなわち教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会との協議を経て、2010年(平成22年)4月から全分野対象の「総合オンブズマン制度」へと移行しました。
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