「良いパパって何? 頑張りすぎず、自分も家族も大切に」を実施しました!

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ページ番号1003352  更新日 2023年3月16日

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令和3年3月28日(日曜日)に、国立成育医療研究センター、多摩市役所子育て支援課、多摩市立TAMA女性センター共催事業、「良いパパって何? 頑張りすぎず、自分と家族を大切に」を実施しました。当日は、国立成育医療研究センター立花良之先生による講演、その後宮澤ミシェルさんに講演を頂き、阿部市長、立花先生、宮澤さんによる対談を行いました。

今回対談の中で参加したみなさまよりご提出いただきました質問から、対談の際にご紹介できなかったものについて立花先生より回答が届きました。以下、立花先生からのメッセージと回答となります。

写真:講演中の立花良之先生の様子
立花 良之 先生

先日は、多摩市講演会「良いパパって何? 頑張りすぎず、自分と家族を大切に」におこしいただき、どうもありがとうございました。当日、たくさんのご質問をいただきました。どれも、お子さんのためにどのような親であることが大切か、と真摯に考えていらっしゃる思いからのご質問ばかりで、ご質問を読ませていただいていて、非常に感銘を受けました。下記にいくつかのご質問に回答させていただきます。いただいたすべてのご質問に回答することができませんことをご容赦ください。

周りの子ども・家庭と比べたりせずに子どもと向き合うための心構えやコツはありますか?

お父さんご自身が、お子さんをありのままに受け入れて子育てをされたい、というあたたかい思いがご質問から伝わってきました。ご質問のように、周りのお子さん・家庭と比べてしまうとき、お子さんのことをありのままに受け入れてあげることは、お子さんの健やかな心の成長や親子関係にとても重要ですね。
どんな親御さんも、心に余裕がないとき、つい、周りの子どもや家庭と比べてしまっていらいらしたり、落ち込んだりすることがあるのではと思います。そんなときは、ご自身をやさしくいたわってあげることで、お子さんに対しても周りの子どもや家庭と比べたりせず心に余裕を持って接してあげやすくなるのではと思います。

自分の父親は「最初から子どもと遊ぶつもりはなかった」というような人で、それが当たり前に育ってきた。自立心を育てる上で、それが正しいと思っている自分もあり、子どもが「一緒に遊ぼう」と言ってくることに抵抗を感じている。

お子さんへの接し方には「こうでないといけない」などの決まった形や答えはないと思います。お父さん個々の接し方があって良いともいます。お父さんにお子さんが「一緒に遊ぼう」と言われたときに抵抗を感じられるとのことですが、そのあと、一緒に遊んでお父さんご自身が「楽しい」と感じるときもあるのではないでしょうか。そのような気持ちもぜひ大切にしていただくと良いのではと思います。お父さんがそのような気持ちで楽しくお子さんと遊んでいるとき、お子さんもとても楽しい思いをされているはずです。楽しい親子の遊びの中でお子さんの心の安心感の土台が築かれます。安心感の土台がしっかりとしていることで、お子さんはいろいろなことに一人で立ち向かっていける自立心がさらに育まれていくことが期待できます。
一緒に遊ぶことに抵抗を感じられるようでしたら、一緒の空間で時間を過ごすだけでも良いかもしれません。お子さんが遊んでいる部屋でお父さんは読書や仕事をしながらお父さんのペースでお子さんに声掛けしてあげたりすることも、お子さんにとってはお父さんに見守られているという感覚を持ちやすいと思います。また、園や習い事の送迎をしたり、本人の興味あること・好きなことの話を聴いたりするのも良いでしょう。気を張ってお子さんに向き合うよりも、お父さんご自身にとって楽な関わり方でお子さんに関わってあげることが、お子さんにとっても良いように思います。

仕事と子育ての両立・比率、モチベーション、どのように維持すべきか?

比率はその日とその人のしごとの内容や価値観によって違い、画一の答えはないところでしょうが、ご家族との時間は、仕事の業績を上げるためにマイナスのことではなく、仕事を含めたご自身の日常生活の充実感にもつながるはずです。「家族の時間が充実して、仕事も充実する」→「仕事がさらに充実、家族の時間もさらに充実する」→…というような正のスパイラルが続いていけば、モチベーションも維持でき、心身の健康やご家族の幸せにもつながると思います。
仕事のスケジュールは手帳やカレンダーで管理していらっしゃるでしょうが、忙しくて家族の時間をなかなか取れないという方は、家族の時間は仕事のスケジュール同様にご自身の「スケジュールカレンダー」の中にしっかりと事前に組み込み、仕事がずれ込んで家族の時間が削られないように、しっかりと確保するべく意識されても良いかもしれません。

育休も取り、在宅勤務にもなり、積極的に子育てに関わっているつもりですが、それでも2歳になる子どもが「ママ、ママ」と言って、自分になついてくれないときがあります。(眠いときなど)妻の負担が増す一方です。どうしたらなついてくれますか?

お子さんにとって、お母さんに甘えたいとき、お父さんに甘えたいとき、いろいろだと思います。お子さんが常にパパを求める必要もないでしょうし、一方で、ママでなくパパを求めてくることもあるでしょう。ご質問の文章では、「育休も取り、在宅勤務にもなり、積極的に子育てに関わっている」とのこと、お子さんにとって素晴らしいパパだと思います。今のお父さんのスタンスでお子さんに接してあげれば、お子さんにとってきっと「良いパパ」でしょうから、時にお子さんがママを求めるのは気になさらずに、今のままお子さんにとっての「良いパパ」を続けていかれるのが良いと思います。お子さんが大きくなるにつれ、お子さんにとってのパパの出番も増えてくると思います。そのような時にいまのように積極的に子育てにお父さんさんが関わっていらっしゃれば、自然と「パパ、パパ」とお子さんがよってくると思います。

子どもとの接し方に正解はないと理解しているつもりですが、自分の子どもとの接し方が間違っていないかを判断する方法として、どのようなものがありますか?or考えられますか?

子どもに幸せになってほしいと思うのは、どの親御さんにも共通していることでしょう。一方で、子どもに幸せになってもらいたいと思うことが、逆に親の思いだけで空回りしてしまい、お子さんに伝わらないこともあります。親のほうで「自分は一生懸命子どものためにやっている」と思っていても、子どもにとってそれをどのように思っているかの観点が、お子さんの心の健やかな発達に非常に重要です。
親の思いと子どもの側の受け取り方に大きな隔たりがあることがありえます。そのようなとき、実は親御さん自身のいろいろな心の葛藤などが背景にあるかもしれません。そのような心の葛藤は実は結構根深いことも多いものです。しかし、子どものありのままを受けいれ子どもに良い接し方をするために、親御さん自身が自分をありのままに受け入れることも必要です。お子さんの接し方を考えるとき、実は、自分自身が自分を受け入れられているか、自分にやさしくいたわってあげられているかなど、自分自身を見つめてみることも大切だと思います。
また、子どもへの対応については、どんな親御さんでも間違うことがあるはずです。自分が間違ったときにはお子さんに対してきちんと謝ることは親子関係で重要でしょう。また、大切に思っていることを言葉でお子さんに伝えることも大切だと思います。

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