東京都知事宛に、日医大多摩永山病院の建替えに関する財政支援等を要望しました
東京都知事に対して要望書を提出しました
令和6年12月26日、東京都知事に対して、南多摩保健医療圏を構成する八王子市及び町田市、日野市、稲城市、多摩市の5市の市長連名による、「南多摩保健医療圏における、三次救急医療の確保を求める要望書」を提出し、日本医科大学多摩永山病院(以下「多摩永山病院」という。)の移転・建替えに対する財政支援策を要望しました。
要望書提出に至った経緯
平成20(2008)年に日医大から要望書を受け取り、その後約16年に渡り、多摩永山病院の新病院建設に向けた協議を行っておりましたが、令和6(2024)年3月に物価高騰により、新病院建設費が膨れ、建替え資金の目途が立たないことに加え、多摩市に対し新病院建設費の半額(約140億円)の負担と、市立病院を有する自治体が、毎年、病院の運営費支援を行っている額の相当分(約7~10億円)を負担していただけないかぎり、多摩市内での移転・建替えの検討は終了せざるを得ないとの文書をいただき、本市として、国から普通交付税や特別交付税による支援が無い、交付税の不交付団体という自治体の性格上、一般財源ですべての支援を行うことになり、それは、一自治体の財政能力を超えた負担という判断から、苦渋の選択ではありましたが、「確認書」の解約の申し出を受けざるを得ないことといたしました。
しかしながら、多摩永山病院については、三次救急医療機関、災害拠点病院、周産期連携病院、東京都がん診療連携拠点病院など、高度急性期医療・急性期医療を担う基幹病院であり、南多摩保健医療圏において、大きな役割を担っています。
そのため、医療圏を構成する5市及び東京都との間で、多摩永山病院の「多摩市内」での新病院移転・建替え計画の再検討に向けた意見交換を実施し、多摩市を含めた5市すべてにおいて、「多摩市内」での新病院移転・建替えが望ましいということが確認され、今回、東京都知事に対して、5市の市長連名による「南多摩保健医療圏における、三次救急医療の確保を求める要望書」を提出しました。
また、この要望とは別に、多摩市では令和6年10月9日、小池百合子東京都知事に多摩市としての要望をお伝えする機会があり、多摩市長から多摩永山病院の建替えに関して東京都の財政支援を要望しました。
要望内容
病院経営を取巻く環境は、コロナ禍による経営環境の悪化や建築費高騰、物価高騰、医療現場を担う医療従事者不足等の様々な要因により、止む無く閉院等に追いこまれるケースが生じており、特に東京都は、今後の高齢化の進展や人口増加を考えると、医療需要は益々増え続けることから、現在の状況が続くと地域医療の破綻に繋がりかねない状況です。
また、昨今の建築資材の高騰及び人件費高騰は、病院施設の老朽化や最新の医療技術への対応等に伴う建替えや増改築を考える病院にとっては、その負担があまりにも大きいことから断念する病院も現れ、それに伴い身近な地域で質の高い医療を受けることが困難になる地域が発生しています。
現在、南多摩保健医療圏でも、三次救急医療機関、災害拠点病院、周産期連携病院、東京都がん診療連携拠点病院など、高度急性期医療・急性期医療を担う基幹病院である、多摩永山病院は、同様の理由から建替えが困難な状況にあります。このままでは多摩永山病院の存続にも影響することから、南多摩保健医療圏における地域医療に支障が出ることが考えられます。
多摩永山病院は、多摩ニュータウンの初期入居が始まった、昭和46年以降、急激な人口増加が続き、社会インフラ整備が喫緊の課題の中、東京都等の強い要望を受け昭和52年に開院し、多摩ニュータウンの地域医療を支える基幹病院として開院した経緯があります。
そのため、多摩ニュータウンを含めた南多摩保健医療圏に果たす役割や、過去の病院開院の経緯も踏まえ、多摩永山病院の建替えに特段の配慮をお願いするために以下の内容に関する要望を行います。
1 三次救急医療の提供体制について
三次救急医療機関は、東京都内23区に集中している実態があり、居住地によって、医療提供体制に差が生じることのないよう、東京都の責任のもと、その提供体制の整備を要望しました。特に、南多摩保健医療圏は圏域面積が広く、人口も多い特徴がある中、現在、圏域内に2つある三次救急医療機関は、圏域内において共に大きな役割を担っていますが、23区における三次救急医療機関の配置状況と比較すると、十分な配置とはいえません。
また、東京都が策定した、東京都保健医療計画上、他の医療圏と比較すると、基準病床数に対する既存病床数が不足している状況にあります。そのため、多摩永山病院が存続できない状況になると、当医療圏の病床数の不足に拍車がかかり、地域医療が破綻しかねません。
現在の南多摩保健医療圏における、三次救急医療体制を堅持するとともに、区部との格差が広がることのないよう、医療提供体制の整備を要望します。
2 救急医療を担う病院の建替え等に対する財政支援について
東京都では、民間医療機関に対し医療施設の老朽化等に対する改修や改築などを含め、ハード・ソフトの両面から支援する補助メニューを設けているが、昨今の建築資材等の高騰は、補助金を活用しても、建替え等を実現するのが困難な程の影響が生じています。
救急医療を提供する民間病院の建替えは、多額の建替え費用を自己資金で調達する必要があり、現在の建築資材等の高騰は経営に大きな影響を与えています。
そのため、建築費高騰等の影響を軽減させ、救急医療を担う病院の建替え等が円滑に進むよう、新たな補助制度の創設を要望します。
特に東京都は、多くの民間医療機関が救急医療を担っていることからも、民間医療機関が大切な医療資源であることは明らかであり、東京消防庁管内の令和5年度の出動件数を見ても、初めて年間90万件を突破し過去最多となる等、今後もさらに増加が見込まれる中、このように救急医療が重要な役割を担う状況に対し、いわゆる救急医療などの不採算医療を担う民間病院がこれからも地域で活躍できるよう、東京都の財政支援を要望します。
3 大学病院等の公的病院等に対し、市町村が行う運営費補助に関する財源措置について
身近な地域で質の高い医療を受けられることは、くらしの安全・安心につながるため、市町村によっては、大学病院等の公的病院等(以下「公的病院等」という。)に対し、特定の医療分野への運営費補助を行い、地域医療の確保を行っている事例があります。公的病院等に対する補助は、条件によって特別交付税の措置があるものの、市町村にとっては厳しい財政事情が続くなか、地域医療の持続的な確保に苦慮しています。
地域の実情に応じて、各自治体が自主的に行っているとはいえ、一刻を争う患者の命を救う医療は、社会インフラでもあることから、公的病院等に対し運営費補助等をおこなう市町村に対し、何らかの財政支援を要望します。
4 国に対する財源確保等に関する要望について
地域における病院経営の課題は、全国共通の課題であるため、東京都が国に対し、物価高騰などの影響を受けることなく、安定的に病院経営が行えるよう、国庫補助等の財源確保や更なる充実について要望するように要望します。
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