新型コロナウイルス感染症の感染者数等について適切な情報提供を求める声明

昨日、東京都が公表した報道発表資料「新型コロナウイルスに関連した患者の発生について（第343報）」において、5月12日時点で28人であった本市の患者数が1日にして9人増加した。
これは、5月10日時点で「調査中」の552人の陽性者について、調査された結果を区市町村別に整理し記載されたとのことであるが、東京都の報道発表資料では、この数値の整理経過等について、何ら言及がされていない。
各種の自粛を含め、日常生活上もさまざまな制約が求められる緊急事態宣言が長引く中、東京都が開示する情報のなかでも、保健所設置市ではない本市の市民にとって、この区市町村別患者数は最大の関心事であり、多くの市民が日々の推移を注視している。
今回、一切の説明もなく通常と変わらない公表が行われたことで、市民からは、市内でのクラスターの発生などを懸念する声も寄せられている状況である。
このような情報提供の仕方は、市民の不安をいたずらに掻き立て、混乱を招きかねない極めて不誠実な情報提供であると言わざるを得ず、誠に遺憾である。
多摩市として、この声明を通じ、東京都に対し、感染者数の公表にあたり特記すべき事項等について適切な情報提供を行うこと、さらに退院者数や自宅療養者数、病院の病床数など、市民が新型コロナウイルス感染症を「正当に恐れる」ために必要な情報について明らかにすることを求めるものである。

令和2年5月15日　多摩市長　阿部　裕行