ナラ枯れ(樹木の枯れ)被害について(カシノナガキクイムシの防除)
ナラ枯れとは何ですか?
「ナラ枯れ」とは、森林病害虫であるカシノナガキクイムシが病原菌である「ナラ菌」を増殖させることで、水の吸い上げる機能を阻害して枯死させる樹木の伝染病です。ナラ類やシイ・カシ類以外の植物への影響が出た事例はなく、人体やほかの動物に影響はありません。
被害が拡大すると、森林景観の悪化、木材資源の減少等が懸念されます。1980年代以降、日本海側を中心に拡大し、近年、全国的に被害が増加しています。
多摩市においても、令和2年8月頃から公園や道路の街路樹などでナラ枯れの発生が確認され、市では情報収集と順次対応を実施しているところです。
ナラ枯れ被害木の特徴
- 木の根元にフラス(木屑)が落ちている。
- 幹に直径約1~2mmの穴がたくさん空いている。
- 梅雨明け後から晩夏に急に枯れる。
- 葉が赤褐色や茶色に変色し、落葉しない。
被害を受ける樹種
ブナ科(ブナ属を除く)の多くの種で被害が確認されています。
例えば、
- コナラ属
ミズナラ、フモトミズナラ、コナラ、クヌギ、アベマキ、カシワ、イチイガシ、アカガシ、アラカシ、ウラジロガシ、シラカシ、ウバメガシ等 - クリ属
クリ - シイ属
スダジイ、ツブラジイ - マテバシイ属
マテバシイ
※穿孔を受けても樹木の防御反応により、全てが枯死に至るわけではありません。
防除方法
防除方法には、健全木に実施する「予防」と、被害木に実施する「駆除」があります。
予防方法
ビニール被膜 カシノナガキクイムシが樹木に潜入する前に、樹幹にビニールを巻き、穿入を防ぎます。
- ※ほかに殺菌剤や被膜剤塗布などがありますが、薬剤を使用する場合は、近隣への十分な説明と配慮が必要となります。
- ※いずれの場合も完全な予防は難しいため、被害を早期に発見し、初期の段階で防除を実施することが重要です。
駆除方法
伐採、焼却(実施する時期:11月から5月頃まで)
被害木を伐倒後、幹は持ち出し焼却またはチップ(リサイクル)などにします。チップ化する場合は、できるだけ細かくし、18℃以下で十分に乾燥させます。低温乾燥させた状態を一定程度維持することで、カシノナガキクイムシは死滅します。
残った切り株にもカシノナガキクイムシが生存している可能性があります。一般的には、くん蒸処理(農薬による薬剤処理)が標準的な処理方法となっていますが、市街地では健康上の問題から、実施する場合は近隣への十分な説明と配慮が必要です。そのため、市では、切り株をノコギリ等でメッシュ切りにするなど、できるだけ多く筋を入れることで、冬の乾燥した空気にさらす方法を用いる予定です。
自己所有の樹木にナラ枯れの被害があった場合は?
すでに枯れてしまい倒木の危険がある場合は、上記の駆除方法を参考に所有者の責任で行っていただく必要があります。しかし、伐採等の処理は個人では難しいと思われますので、その場合は専門の造園業者等に相談することをおすすめします。
枯れていない樹木については、状況に応じた措置等を専門機関に問い合わせる必要があります。この場合、東京都の森林関係の部署を紹介しますので、まずは環境政策課にご相談ください。
詳細情報
ナラ枯れの発生メカニズム、一般的な対策など詳細は下記をご確認ください。
多摩市のナラ枯れの被害対策
ナラ枯れしてしまった樹木は、被害の拡大を防ぐため、冬の季節に合わせて伐採し、処分をしています。引き続き、東京都の指導を受けながら、注意深く推移を見守っています。
市内の被害状況(令和3年11月30日現在)
- 公園、緑地の樹木 336本
- 道路街路樹 114本
- 学校の樹木 35本
問い合わせ先
- 民有地のナラ枯れ対処方法について
環境政策課 環境政策担当 電話番号 042-338-6831 - 公園、緑地のナラ枯れを見つけた場合
公園緑地課 みどり担当 電話番号042-338-6837 - 道路の街路樹にナラ枯れを見つけた場合
道路交通課 整備保全担当 電話番号042-338-6864
カエンタケに注意
ナラ枯れが発生した樹林地では、カエンタケと呼ばれる猛毒のキノコが発生しやすいことが報告されています。多摩市内でも一部の公園で確認されています。触れるだけでも危険なキノコですので、絶対に触らないでください。
詳細は、下記をご参照ください。
このページに関するお問い合わせ
環境政策課 環境政策担当
〒206-8666 東京都多摩市関戸六丁目12番地1
電話番号:042-338-6831 ファクシミリ番号:042-338-6857
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