多摩市長から市民の皆さんへのメッセージ(令和6年11月22日)
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市民の皆さん。こんにちは。市長の阿部裕行です。朝夕はだいぶ冷えてきました。鍋物やおでんが美味しい季節となりましたね。それにしても寒暖の差が激しさに身体が追いついていきません。体調不良などお体にお気をつけお過ごしください。
今回は、11月3日から7日までの五日間、東京都市長会を代表して会長の東村山市の渡部市長と共に中国の北京市を訪問してきましたので、その報告をしたいと思います。この視察は東京都と北京市が友好都市としてそれぞれの自治体の代表を交互に派遣しているものです。今年で20回目を迎える代表団は東京都市長会の他、特別区区長会からお二人、町村会からお一人の計5人で構成されました。私は市長になる前に新聞の世界で仕事をしていましたが、その当時、北京オリンピックの直前に取材で北京を訪れたことがあります。2008年でしたから、ちょうど16年ぶりの訪中となりました。
当時、オリンピックの開催に向け、北京市内にあった胡同(フートン)と呼ばれる元、明、清の時代からある狭い街路に囲まれた昔からの街並みを再開発によって、競技場や集合住宅などへ転換する建設ラッシュで市内は活況を呈していました。ただし、限られた期間の中、強制的手法により開発を進めたことから居住していた方との紛争もあったようです。今回の再訪で、新たな団地群など北京の街並みが大きく変わった姿をみることもできました。なお、庶民の暮らしや歴史文化を体験できる場として、政府当局は胡同(フートン)の環境整備、保存等にも力を入れ観光スポットとなっている状況をみることもできました。
毛沢東主席の大きな肖像画がかけられている天安門広場にも行ってきましたが、16年前と異なり、観光客は自由に出入り出来ず、入場は事前予約が必要で随所に監視カメラが設置され警察の警戒態勢が厳重になっていました。ただ、広場そのものは、中国国内各地から旗を掲げた団体や海外からの大勢の観光客で賑わっている光景は変わっていませんでした。
街中で驚いたのは、「シェアサイクル」の乗り場が各所にあったことでした。16年前には全く見られない光景でした。バス停ごとにシェアサイクルの自転車置き場が設置されるなど実際に市民の足として多くの人々が利用しているようでした。日本と同様、携帯のアプリで自由に利用されているようです。
変わっていないのは、人、自動車、自転車、バイク、オート三輪などで市内はどこも大変な交通量でした。ただ、16年前は多くの日本車を見ましたが、今回、日本車はあまり見ませんでした。
北京市は2000万人を超える大都市として発展していますが、金融や経済などに力を入れる東城区、豊台区、通州区などで進むオフィスや集合住宅などの開発状況や北京市ハイレベル自動運転モデル区となっている地域を視察し、実際に完全自動運転の小型バスにも試乗してきました。
また、習近平国家主席が国家プロジェクトとして力を入れている河北省雄安新区を視察し、先端技術を駆使した利便性の高いスマートシティの計画・建設状況について説明を聞きました。住宅、オフィスエリアさらには湖のある公園など環境との共生がキーワードとなっている新たなまちづくりでした。建物、公園、道路などハード面はかなり完成したように見受けられましたが、目標としている2035年に500万人都市を完成させる、との意気込みを伺いましたが、中国ならではの壮大な構想で、果たして実現できるのか?マークの疑問符はつくものの千年構想というスケールとダイナミズムにただ、圧倒された日程でもありました。
現在、日本と中国との間にはいろいろな懸案事項があります。経済格差や社会不安から学校等に通う子どもを狙った犯罪も相次いでいます。中国で駐在している日本企業の社員のご家族の中には、これら中国国内の治安に不安を抱かれている方もおられると聞いています。ただ、現在の世界状況は、自国中心主義が闊歩し、このような不安定要素は中国国内だけでなく世界各地で起きています。このような時代だからこそ、北京市と東京都の市区町村との都市間交流は、有意義なものと思います。とはいえ、日中両国の市民が国家という枠組みを超え、相互に交流する大切さは再認識しました。「百聞は一見に如かず」です。お互いに平和に自由に往来できる社会を創っていく必要性を感じた五日間の旅でもありました。では。
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