多摩市長から市民の皆さんへのメッセージ(令和7年10月3日)【いのちを守る—多摩市非課税世帯等エアコン購入費助成の報告】
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市民の皆さん。こんにちは。市長の阿部裕行です。朝夕、涼しい風を感じるようになり、秋らしい季節となってきました。それにしても、この夏は大変な猛暑でしたね。気温も平年と比べ、2度余りも高く過去最高だったようです。9月21日現在の東京消防庁の速報値によれば熱中症で倒れ、救急車で緊急搬送された方は9万9573人にものぼりました。この数値も過去最高です。
今回は、この夏の猛暑に対し、「命を守る」施策として本市で実施しました「多摩市非課税世帯等エアコン購入費助成事業」について報告します。
ここのところ、毎年のように過去最高の気温上昇を更新する異常な夏の暑さに、ご高齢の方や暮らしに厳しさを感じておられる皆さんがご家庭にエアコンがない、などの理由から自宅で熱中症で倒れるのではと、「いのちの危機」に直面していると切迫感を感じていました。庁内で、行政として何かできないかと検討を重ねてきましたが、「市民の命を何としてでも守る!」との強い想いで、財源には、国の物価高騰対応重点支援地方創生交付金も活用し、本事業を組み立て、令和7(2025)年度の当初予算に計上しました。
経済的な理由からご自宅にエアコンを設置していないご家庭、具体的には令和6年度住民税非課税又は均等割のみの課税世帯を対象とし、
(1)エアコンが1台もない、(2)経年劣化等の故障により使用できるエアコンが1台もない、(3)2010年以前に製造されたエアコンのみを使用している、
などのいずれかの要件に当てはまる場合に、新品のエアコンの購入・設置に関する費用の一部として上限10万円を助成するという内容です。
年度当初は300世帯を想定していましたが、6月5日にコールセンターを立ち上げ、申請を受け付けたところ、わずか3週間で500件近くの申し込みがあり、その反応の大きさに改めて、本事業への期待の大きさを実感し、急遽、900世帯まで助成数の枠を拡大することとしました。ただし、今回は、国の補助金は使い切っていたこともあり、一般財源で対応することとし、6月議会最終日に補正予算として上程し、議会の議決をいただきました。
9月16日が予約受付の最終日でしたが、839件の申し込みをいただきました。ちょうど東京都が8月30日から「ゼロエミポイント事業」として購入時に満65歳以上の方あるいは障がいのある方(身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方)を対象に最大8万円を割引くという事業をスタートしたところでしたので、その後の対策は東京都で引き継いでいただく格好となりました。
結果として多摩市は、エアコン補助事業を東京都に先駆けて実施し、なおかつ、東京都とは異なり、省エネ対策としてではなく、非課税世帯はじめ生活困窮世帯に対する経済対策・物価高騰対策として、しかも市内事業者からの購入を斡旋するという地域経済活性化をも結び付けたものでした。このグラフをご覧ください。
9月25日現在ですが、支給決定をした世帯のうち、67%が事業者代理受領。本人口座振り込みが33%となっています。事業者代理受領とは、エアコンを購入する手持ち金がない、あるいは申請手続きが難しい方を対象に多摩市内でエアコンを販売する協力事業者が本人に代わって申請・受領する制度です。約7割の方は市内事業者を使っていただき、口座振り込みの方も市内事業者を介している方も多かったのではないでしょうか。ご協力いただいた9店舗の事業者の皆さんに感謝申し上げます。
実は、エアコンを持たない、未設置の世帯を対象とする補助を実施している自治体はありましたが、多摩市では、エアコンを購入して15年以上を経過している世帯も対象としました。これは、この事業を組み立てる際、私から、エアコンが1台もないご家庭だけでなく、あっても故障している、あるいは経年劣化により、例えば送風機能しか使っていない家庭も対象にできないか、との指示を出し、担当所管で検討した結果、東京都で実施している「家庭のゼロエミッション行動推進事業」で製造から15年以上経過したものを対象としている運用を参考に、15年、つまり2010年以前に製造されたエアコンをお持ちの世帯を対象としたものです。
結果として内訳は、この表のように、エアコン未設置の方が17%。製造から15年経過したエアコンのみの方が80%。故障したエアコンのみの方は3%でした。
今回の申請手続きでは、エアコンが未設置あるいは製造年が2010年以前かどうかを確認するため、職員による訪問調査を行いました。職員が二人一組となり、申請いただいたご家庭を訪問するというものです。二人一組によるチームは一日5件、最大3チームで1日15件を訪問することし、申請が殺到した時期は、担当所管がある健康福祉部だけでなく全庁の各部各課の職員の協力を得て延べ460人もの職員により訪問調査を実施しました。
その結果、訪問させていただいたご家庭の中には、この写真のように製造から30年、40年を経過しているエアコンをお持ちの世帯もありました。
送風機能だけになっていたものもありましたが、掃除をされ、丁寧に使っておられるご家庭も多くありました。訪問した職員の年齢を上回るエアコンに出会った時には、愛着を持って住み続け、大切に使われてきた市民の方と若手職員との会話の糸口にもなったように思います。
また、本市は集合住宅にお住まいの方の多い街ですが、実際、UR、都営などの賃貸住宅や民間の分譲マンションにお住まいの方々が多くを占めていました。勿論、戸建ての方もおられましたが。お一人でお住まいの方、ご夫婦や三世帯で暮している方など様々でした。
エアコンの製造年月日や有無などを確認するため、職員の訪問を受けていただいた皆さんに改めて感謝申し上げます。多くの感謝の言葉もいただきましたが、訪問した職員にとっても、市民の皆さんの暮らしを間近に接することができ、地方自治体で働く職員として自らの存在意義を再確認できるよい機会となったと思います。
夏、特に猛暑の期間が長期化する中で、熱中症で倒れ、命を失うということが発生しないよう、市民の皆さんの「命を守る」事業として開始したこと、さらに省エネ性能に長けた新しい機種を使っていただくことにより、結果としてCO2を削減し、各ご家庭の電気代を抑えることもできるようになりました。
「新型コロナウイルス感染症」の際も、本市は、保健所を持たない自治体ではありましたが、国に先駆け、PCR検査やワクチン接種事業など「市民の命を守る」ことを最優先に取り組んできました。
多摩市は、これからも、「市民の命を守る」施策に全庁をあげて取り組んでまいります。よろしくお願い致します。それでは、次回またお会いしましょう。
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